第07話
久し振りだなぁ、何か懐かしく感じる。
長期休みが終わる、一日前に学園に帰って来た。
杖を作る時に使いたかったので、闘気と魔力の融合に関してはずっと練習していたが、後は杖を一本作っただけの休みだった。
ローレンも忙しそうにしていたので、あまり遊ぶ事も出来なかった。…私が殆ど引きこもってた事が原因の様な気がするけど。
まあ、中々面白い物が出来たので良しとしよう。フィアナに渡すのが楽しみだ。喜んでくれるといいな。
「フィアナー、ただいまー」
「おかえり、シェラハ。私もさっき帰ってきた所だけどね」
「そうそう、これ見て!じゃーん!」
「杖?」
「あの時のミスリル鉱石から作ったやつだよ。実験とかで結構使ったからこれ一本しか出来なかったけど、はいっフィアナにプレゼント!」
「…ありがとう。でもいいの?これ凄く良い物に見えるけど」
「いいのいいの、私杖使わないし。それにそれ魔法陣を刻めて無いし、魔石をまだ作れないから、魔法武器として未完成なんだよね。後でまた改良するから」
「そう、わかったわ。大事にするわね」
次の日、始業式で直ぐに終わった学校の後、久し振りに五人で集まった。
「シェラハ!休みの間親父に剣技教えてもらったんだ、模擬戦しようぜ!」
「はいはい、後でね。先にローレンとやっててよ」
今私はノエルが休みの間に作ってきた鍛冶道具を見るのに忙しいのだ。
ノエルはお父さんの教えを受けつつ、鍛冶道具を一新したらしい。
鍛冶場を作ってもらった時に、道具も今迄使っていたのよりいいものをもらったから、鍛冶道具まだ作った事ないんだよね。その道具は家に置いてきたし、私も学園で使う物を作らないとなぁ。
私が満足するまでノエルの鍛冶道具を見せてもらった後、ユリウスに目をやるとまだローレンと模擬戦をやっていた。
見る限りではユリウスにはローレンの防御が破れず、ローレンも攻撃をユリウスに当てられず長引いているようだ。
どっちも成長しているんだろうけど、前と変わんないなぁ。
ローレンは確か槍の名手に訓練を付けてもらっていたとか聞いたけど、何で槍の腕より盾での防御が上達してんだろう?
ユリウスのあの連撃は結構凄いね。私の趣味じゃないけどね。やっぱり一撃必殺の方が良いよね。
「シェラハ!これ凄いわね」
「ん?」
私があげた杖を試すという事で、一人遠くで魔法を使っていたフィアナが、興奮した状態で帰ってきた。
「魔法効果の増幅量も凄いし、消費魔力量も減ってる、それに打撃武器としても使えるわね」
「でしょうー、フィアナ戦闘センスも良いからさ、後ろで魔法撃つだけじゃなく接近戦でも効果を発揮する武器作ってみました」
「ほんと凄いわね」
「実は氷の刃とか杖の先に作れるような魔法武器にしたかったんだけど、ちょっと無理だったから魔力流すと打撃力の上がる杖にしてみました。今はきついけど、後で雷や風の刃作れる杖にしてあげるからね」
「…楽しみにしとくわ」
私とフィアナが話している間に、やっと二人の模擬戦が終わったようだ。
勝敗はローレンの勝ち。あの連撃を何度も放ったユリウスが先にバテて、ローレンのカウンターを喰らったようだ。
フィアナにはノエルの魔法を見てもらう事にして、二人の所に向かう。
「かなりバテてるみたいだけど、どうする?」
「はあっ、はあ、ちょっと待って、少し休んだらやるから」
「それじゃあシェラハ、僕と先にやってほしい」
「おっ、ローレンから言ってくるの珍しいね」
「出来れば魔法で攻めてきて欲しい」
「ふーん、わかった。じゃあ行くよ!」
そういえば魔術に対する防御法なんてのを少し教えてもらったらしい。試してみたいか、練習したいんだろう。
それならいつもは使わない、物理的に防げない魔法を使ってやりますか。
「じゃあ先ずは氷霧、からの放水!」
氷点下の霧でローレンを包み込み、水を掛ける。水は圧縮等はしていないのでダメージは殆ど無いだろうが、氷霧と組み合わされると結構厳しいだろう。
どうなったかなと見てみると、ローレンが震えながら身体を丸めていた。
あれ?全然防御出来てないじゃん。
「…えーと、ローレン魔術対策を習ったんじゃなかったっけ?」
取り敢えず身体の表面に付着した霜や水を取ってあげ、ユリウスに火を出してもらってローレンの身体を暖めつつ問う。
「…どういう考え方をすればいいかは教わったけど、実践は初めてで。あんなに急に冷やされるとは思わなくて何も出来なかった…」
「あらら、そういう時は言ってくれれば手加減したのに」
「うん、ごめん」
すっごく落ち込んでる。修行の成果見せたかったんだろうなぁ、悪い事したかな。
…まあ良くある事だし、直ぐ立ち直るよね。
「じゃあ、ユリウスやる?」
「おう!」
「ユリウスはどうする?魔法有りか無しか」
「あー…無しで」
「わかった、いいよ」
「じゃあ、行くぞ!」
いきなり連撃から来た。多分覚えたばっかりで使ってみたいんだろうなぁ。
一つ目を避けて、二つ目を大斧で防ぐ、三つ目はまた避ける。
うん、一撃一撃の間隔が凄く短い。全部避けるのは難しいね。
それにローレンと戦ってる時にも思ったけど、防いでもそこから直ぐに次の攻撃に移れるのが凄い。
…んー、これならどうかな?
再び斬りかかってきたので、今度はユリウスの大剣に思いっきり大斧をぶつける。
…やっぱり。防がれる位なら次に移れるけど、大きく軌道をズラされたりすると出来ないようだ。
私の大斧とユリウスの大剣、両方が大きく弾かれ、ユリウスが体勢を戻そうとしている間に、私は弾かれた勢いそのままに一回転して、大斧でユリウスの剣目掛け薙ぎ払った。
剣を手放したユリウスに斧を突きつけて私が勝利する。
「参った」
「ユリウスさぁ、その技凄いけど全然未完成だよね。多分それ連続で斬るってことより、どんな状態からでも攻撃に直ぐに移れるって事が凄いと思うんだけど、弾き返された位で出来なくなってちゃ使えないよ」
「ああ、まだまだ練習不足だな」
「でも、何て言うか身体の使い方上手くなったよね。その技使う為なのかな?
さっきローレンと戦ってる時見てて思ったんだけど」
「ああ、剣や腕だけじゃなく、身体全体を意識して使わないと、この技出来ないからな
…よし!先ずはこの技完璧にする!」
おお、立ち直るの早いな。落ち込んでるかと思ったらもう次の事考えてる。
大剣で素振りを始めたので、放っておく。
「ねえローレン、そういえば習った防御法ってどんな物なの?」
「えっと、僕は今迄闘気で硬くしようとしていたけど、魔術や防御貫通する攻撃には効果が低いから、闘気を柔らかくしたり色んな姿にするとか」
「ふーん、ローレンは私の氷魔法防ぐ時とかどんな風にイメージしたの?」
「寒くないようにとか冷たくないようにとかかな」
「うーん、それイメージしにくく無い?漠然としすぎっていうか」
「うん、よくわかんない」
「そうだよね。もっとさ例えば毛皮で出来た暖かい服を着るようにとかさ。
それかローレン土属性だし金属をイメージするとか。普段は硬い金属を、柔らかいのは私が見せたやつあるでしょ、あんな感じの奴イメージして、火とかに対抗するならどれだけ熱されても解けない熱に強い金属とか、氷には逆に熱されてて、どれだけ冷やしても無駄なような金属をイメージするとかどう?」
「そうだね、ありがとう。考えてみる」
シェラハ
魔力/闘気レベル:18/18
STR:D(C) VIT:D(C) AGI:C(B) DEX:B(S) INT:C(B)
スキル:強化(魔力)30,強化(闘気)32,水魔法33,氷魔法25,霧魔法12,闘気放出20,魔法陣作成13,調合12,鍛冶20,木工8,裁縫10
ローレン
魔力/闘気レベル:2/20
STR:C(B) VIT:B(A) AGI:D(D) DEX:C(C) INT:E(E)
スキル:強化(闘気)40,土魔法2,闘気放出31,闘気圧縮18,槍術23,盾術38
フィアナ=カトラル
魔力/闘気レベル:19/2
STR:E(E) VIT:E(D) AGI:C(B) DEX:D(D) INT:B(A)
スキル:強化(闘気)3,強化(魔力)20,風魔法38,雷魔法30,嵐魔法16,杖術20
ユリウス
魔力/闘気レベル:1/18
STR:B(A) VIT:C(C) AGI:D(C) DEX:D(C) INT:F(F)
スキル:強化(闘気)37,火魔法1,闘気放出24,闘気圧縮10,剣術35
ノエル
魔力/闘気レベル:11/7
STR:D(C) VIT:C(B) AGI:E(E) DEX:D(D) INT:E(D)
スキル:強化(闘気)12,強化(魔力)8,土魔法24,鎚術18,鍛冶20,裁縫10,木工12,魔法陣作成3,調合3




