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sub mission 吟遊歌人と歌おう!

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sub mission 吟遊歌人と歌おう!

…………

 やぁやぁ銀狼領の皆様方、昨日は災難だったな! 急に連鎖羽化の預言と来たもんだ、気が気じゃなかったろう。海に近いのも困ったもんだね。まったくどうして女神様はこんなところに小聖軸を置いたのか……。


 え? そんなことはない? なるほど、ここは銀狼騎士団のお膝元。強く気高き者の末裔、ルーアルジャンの守る土地か。確かに、昨日の戦闘は見事なものだった。


 武勇名高きジョルジオ・ルーアルジャン、若き俊英ユーリ・ルーアルジャン、そして、大会合で救世主の導き手という大役を科せられたノワーレ・ルーアルジャン。彼らの活躍は素晴らしかったとも!


 皆も気になっているだろう? そうさ……無垢で愛らしい救世主ニーナと、女神の写し身たる麗しきクラウナー。彼らと銀狼騎士団が、いかにして我らを守ったか。


 このローラン・ド・サンローラン、皆へ彼らの活躍を広く知らしめるため遣わされた吟遊の徒が、彼らの活躍を歌ってみせよう!


 ――sub mission『吟遊歌人と歌おう!』を開始します。

 ――操作キャラクターを「ローラン」へ変更しました。

 ――吟遊歌詠唱画面へと移行します。

 ――画面上のマークをタイミングよくタップし、ローランに「銀狼騎士団の活躍の唄」を歌わせて銀狼の街を盛り上げましょう。


「さあ! 銀狼領の諸君! 聴きたまえ! これが銀狼騎士団の活躍だ!」


 ――ready……

 ――START!


 銀狼たちが雪を駆ける 厄災の海には絶望の槍

 女神の恩寵たる流氷は 虚しくも儚く海に呑まれ

 不吉な黄金は現れた


 駆けろ駆けろ銀狼 猛き騎士は疾風の如く

 吼えよ吼えよ銀狼 我ら人類を守る刃たれ


 美しき騎士姫ノワーレ!

 救世主を守護せし銀狼の姫!


 地を割る槍をも退けて 氷片の如き鋭さで災厄の獣を屠る我らが姫騎士!


 世の救世主 無垢なるニーナ!

 女神の氷を天から降らせる奇跡の子よ!

 絶望の槍を貫く神なる力よ!


 女神の権能の前に災厄獣は無力なり!


 そして……麗しき女神の写し身、クラウナーよ

 心優しき少年よ

 騎士を思う心は歌声となり、海に流氷を蘇らせん


 女神の権能の前に災厄獣は無力なり……


 おお、我らの銀狼騎士団よ!

 強き者の末裔よ! 人類の希望たれ!


 我ら人類に繁栄あれ!

 凍らぬ足跡を人々の心に刻み込め!


 ――full combo complete!

 ――「銀狼騎士団の活躍の唄」の譜面を入手しました。

 ――今後、メニュー画面より視聴できます。


 小聖軸へ預言士を労いに来ていたノワーレたちは、雪山の影から出られず微妙な顔をして突っ立っていた。小聖軸前の広場では、ローランが街の民たちを大いに盛り上げている。

 ノワーレの隣ではクラウナーが俯き、ニーナはおろおろとノワーレとクラウナーを見上げた。


「ノワーレ、なんで行かないの?」

「ちょっと黙ってて」


 ノワーレは苦虫を噛んだような顔で言い、クラウナーは俯いたまま真っ赤になり、「麗しきって……」とぼそぼそ呟いている。


「ノワーレ……あの日もこんな気分だったの?」


 もはや涙目のクラウナーに問われ、ノワーレはため息をつく。


「そうだよ。騎士はいつもこう」

「……尊敬するよ」


 ニーナだけが、何もわからない、という顔で二人を見上げた。ニーナはローランが何を歌っていても平気なようだ。この子は自分の扱いに妙に鈍いところがある。


 ローランはまだ歌っている。すでに歌はジョルジオやユーリを勇猛に表す段に入っているが、ところどころにノワーレたちの名前が現れ、やはり美辞麗句を連ね歌い表されている。


 まあ、民の憧れを受けるのも騎士団の役割ではある。しかし、クラウナーには酷だろう。


「一旦出直す?」


 ノワーレが問うと、クラウナーは消え入りそうな声で「……そうしたい」と呟いた。ノワーレは諦めて、そわそわしているニーナの肩を叩く。


「……ニーナ、肉包焼き食べに行くよ」

「えっ、やった! あれ好き!」


 ニーナの気楽な声に、クラウナーが少しだけ笑った。

…………

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