第九十二話 ドッペルゲンガーとの戦闘
毎日12時に投稿してます。
外伝である。『菊理姫様!お導きを』〜英雄の誕生〜もよろしくお願いします。
そちらは、毎日18時投稿します。
ドッペルゲンガーは私の体をあちこち確認する。
「こんなに力が溢れて、賢い体初めてぇ。それに綺麗ぇ♩」ニヤリと不気味に笑う。
不気味だ。
かよ達が悲鳴をあげる。
「気に入ってもらったみたいねぇ。でも、気持ち悪いからやめてくれない?」私が聖母のような微笑みを返す。
本物の違いを見せてやる。
そして、かよ達に振り向く。
「「「ひやぁ!」」」三人が悲鳴をあげた。
解せぬ。
私は、髪にその辺の枝をつけた。
すぐ対策されるが、ないよりマシだ。
「かよ、なぎさ、輝夜。対策されると思うが、目印をつけた。同志打ちだけは、気をつけろ。」そういうと私も神器を日本刀サイズに変えて、広げた。
「このハサミをこのサイズで広げるのは、久しぶりなの。お手柔らかにしてほしいね。」そう言うと中腰になって右手で持ち手を持ち、左手を峰にそっと添えた。
ドッペルゲンガーもニタニタしながら同じ体勢をとる。
パキッと音がなる。
私は、相手に向かってハサミの刃を突き立て切り込む。
ジョキン、と空気を裂く音だけが響く。
手応えがない。
首元に殺気を感じ、体を逸らし相手の胴に蹴りを入れる。
その反動で、体勢を立て直し。
また、ハサミを打ち込む。
相手がいなくなる。
私は、勢いを殺し、相手を見つける。
いた。死角になりやすい右後ろだ。
そんな所まで模倣するのか。
厄介だな。
でもーー
私の事は私が一番わかっている。
ハサミを左に持ち替え自分の背後を突き立てる。
ドッペルゲンガーが間一髪で交わす。
憎たらしい笑顔だ。
私は、体を回転させ、間合い取りながら、ハサミを回して相手の体に切り込む。
ジョキンと空気を切り裂く音だけが響く。
また、獲物を逃した。
ドッペルゲンガーも寸分違わぬ動きで応じる。
菊理姫様の糸をハサミにつけて魔力を流し、ハサミを高速でドッペルゲンガーに飛ばす。
相手も同じようにハサミを飛ばそうとする所を土魔法で岩の棘を出す。
一瞬相手から余裕がなくなる。
そこに向けてハサミを飛ばす。
飛ばしたハサミの刃が相手の首へ食い込む。
そのまま糸を引き寄せる。
ジョキンーー!
森の中にハサミが切れる音が響き、鳥が飛び立つ。
私と同じ顔が、ゴロンと地面へ落ちた。
その後には、魔石が転がる。
見ていて気持ちの良いものじゃないな。
私は、魔石を拾い上げる。
記憶があるかもしれない。
それよりも…。
「なんで、あなた達は、援護しないのかなぁ?」私がかよ達を見る。
かよとなぎさと輝夜は夏なのに抱き合ってブルブルと子犬のように震えている。
「あっあんな化け物みたいな戦いに入れるはずない!?」
「隙がないし、援護に入った瞬間巻き込まれて死んでしまいます!」
「殿下の援護なんて出来るはずないじゃないですか!」
私は、ため息をつく。
かよやなぎさはともかくオロチの騎士である輝夜も援護に入れないとは…。
「なぎさと輝夜…。あなた達が、朝から鍛錬を積んでいるのは、わかる。でも、ブランクがある私についてこれないのは、情けない。これは、ちょっと考えないとあかんな…。」私が、顎に手を当てて考える。
「さ櫻子。お主が異常なのだ。」かよがフルフルと首を振る。
その隣で二人がコクコクと頷いている。
かよ達の足元で戦闘を見守っていたご神犬が近寄ってくる。
一番肝が据わっているのがワンコなのか…。
神の犬だけど。
その神の犬は、あたりをくんくんと匂いを嗅いでいる。
「わん。」ご神犬が静かに吠える。
「ついていこう。もう一体の黒いご神犬がヒロの所におる。案内してくれるみたいや。」
私は、元の大きさに戻った神器を腰のホルダーに戻す。
また、風がふわりと流れた。
夏の日差しを受けて、それはもう熱気を帯びていた。
私は、木々の隙間から見える空を見上げる。
そして、この土地の海ではしゃいでいた過去を思い出す。
今は、とても、とても遠く輝いてる思い出だ。
私は、前を歩き出す。
未来を紡ぐために
こぼれ話
かよから見た櫻子の戦闘
ギャン!ドン!ギャン!
土魔法ドドドドドド!
生首コロン!
で、一瞬で決着がついた。




