第八十七話 忌守と一本だたら。そして、ヒロと櫻子
毎日12時に投稿してます。
外伝である。『菊理姫様!お導きを』〜英雄の誕生〜もよろしくお願いします。
そちらは、毎日18時投稿します。
車に乗り込む。紀州までなら高速道路で二時間ぐらいだ。問題はないであろう。
慣れた道だから大丈夫。
「かよと輝夜は忌守についてどういう認識でおる?」私が話す。
「実は、よく知らなくて。何となく差別されていて言葉に出すのもダメみたいな。」輝夜がおずおずと話す。
「わしもそんな認識じゃ。穢れとか言われるがわからん。そんなこと言ったら肉を食べられん。」かよがキッパリと言う。
「まぁ、そんなもんよな。なぎさ教えてくれない?」私は、なぎさに説明を振った。
「私で、良ければ。実は、忌守は、魔道具を扱う職人の集団なんです。魔石を加工したり、モンスターを解体したり、そこから防具や武器を作る職人ですね。」なぎさが説明する。
「それは、わかっておる。なぜ、その者達が忌み嫌われるのだ。」かよが、急かす。
「一つは、仏教の教えも影響しています。やはり、動物や魚などを殺生することを禁忌とした時代はありました。後は、情報の漏洩を防ぐためです。」
「情報漏洩とは?何ですか?」輝夜が首を傾げる。
「私たちは、長い間、戦や内乱のない生活をしてきたので自覚がないですが、その昔々、戦国時代と呼ばれた時には、各領地にいる技術集団は、軍事機密でした。その人たちを逃さないように。そして、結婚などで他の領地に行かないように身分を縛ったのです。仏の教えは、身分を縛るのに丁度よかったのです。当時の権力者はそれを利用したんですね。」なぎさが説明する。
「そう、それが500年も600年も続いて本来の意味を知らずに差別だけが残った。これが人権問題でもある。忌守差別についての表の話ね。」私が、なぎさの話を付け加える。
「でも、それは表向きに外宮の人にわかりやすくした話かな。禁忌に手を出した忌守が一本だたらになった例がある。本当にごく一部だけど。だから、昔から両者は結びつけられて語られた。」私が、静かに言う。
「妖怪なのに‥。元は人間という事か?」かよが驚愕する。
「そんな妖怪は沢山いるよ。リッチやアンデットなんかその代表例やろ。特にこの大和では、そんな妖怪多いし。それに、あえて妖怪と番になってその技を継承する者もいるな。」私が静かに話す。
「なんですか‥。それ‥。内宮では、恋愛感情で妖や亜人とカップルになる人はいますが、技や魔力だけって‥。」輝夜が信じられないという表情をする。
「まぁ、結婚が当人同士の物じゃない時代の話や。その新しい価値観が古い価値観を野蛮として見てしまった結果が今の差別にも繋がりやすいかな。そのイメージがつきやすいのが一本だたら。神の領域に踏み込みしすぎた結果。妖となってしまった妖怪だよ。」私が静かに話す。
「のう、聞いて良いか?ヒロも一本だたらになってしまわないか?」かよがおずおずと聞く。
「そうね。だから、ヒロと私は本当は、一緒にいすぎるのはいけないの。神器の力が加護がない者には、影響を与えやすいからね。神器のメンテしているヒロには影響あると思うよ。本当は、もう同居解消しないとね〜。お金ない時の名残りでずるずるよ。」私は笑いながら話す。
そう、ヒロと私は一緒にいない方がいい。
でも、離れられない。
どうしたものかな‥。
それから、かよがブルートゥースで曲を流し始めた。
最近流行っている懐メロだ。
ギターの優しい前奏。
優しいバラードのメロディー。
振り返るとあなたがいつも笑ってる。
風のように
目を閉じてもあなたが思い浮かぶ
あなただけを信じて
あなただけを傷つけてしまって
私たちは、はるか遠くの未来を
夢に見ていたのに
力強い歌詞。
なんだ、この選曲。
この雰囲気をどうにかしてくれ。
みんなの心の中話
なぎさ「なんで。そこ聞いちゃうんよ!かよちゃん!」
輝夜「よかった。流行ってる。グッバイ!って曲じゃなくて‥。」
かよ「どうしよう。今聞いてる。失恋ソングになりそうだったから適当に飛ばしたらなんかもっとやばいかも」




