第八十六話 時には周りの意見も大事
毎日12時に投稿してます。
外伝である。『菊理姫様!お導きを』〜英雄の誕生〜もよろしくお願いします。
そちらは、毎日18時投稿します。
パタパタと階段を降りてくるスリッパの音が聞こえた。
「櫻子?起きておるのか?」かよだ。
「暑くて眠れなくて。」
「わしは、寝苦しさと車の音で目が覚めた。」
「ヒロが、ケジメをつけに紀州へ行ったからね。その音だよ。」
「櫻子は行かないのか?」
「頼まれなかったから。それに私が動くと大杉さんのメンツが立たないよ。」
「でも、櫻子は心配であろう?顔に出ているぞ!」そう言い私の手を取るかよ。
かよの真っ直ぐで無垢な瞳の中に私がとても情けなく映る。
「私は、領主だから‥。迂闊な行動は出来ん。」そう言い下を向く。
「支えてくれた男一人も助けられないのが領主なのか?」かよの視線が痛い。
ここで子供がわかった事を言うな!と感情的になれば、かよの思いを潰してしまうだろう。
時にかよのような子供に背中を押される事などたくさんある。
それを私は、教師時代に嫌と言うほど味わってる。
「領主としてでは、なくただの櫻子として動けないのか?」かよが提案する。
「どうかな?でも、私がここを離れるリスクも考えないと。」ふにゃふにゃとして決まらない決断。
かよが、スマホを取り出した。
高速でメッセージアプリを打っている。
ピコンと通知がなる。
おい、今朝の5時やで。
「やっぱりなぎさと輝夜は起きておったか!いつも朝から訓練していると言っておるからな!」かよが話す。
そう言えば、私が6時に朝の訓練する時にはもう二人は稽古していたがこんな朝早くに行っていたのか‥。
働きすぎだよ。
「すぐに向かうと言っておるぞ!」
チャイムが鳴る。
こんな事で早朝に駆けつけてくれる部下がいて私は恵まれているな。
今、我が家のリビングには、かよ、輝夜、なぎさの三名の他に佐々木さんまで来てくれた。
「何も領主として活動しなくてもいいじゃないですか?」なぎさがバッサリと話す。
「この前のかよちゃんの修行という体で巡礼道に入るなら誰も文句言えないですよね。」輝夜の援護。
「それだとリスクでかいよ。今回、大杉さんが、首を縦に振らないよ。」
唸る、一同。
「どこにどんな許可が必要なのだ?」かよが首を傾げる。
「いや、基本いらないけど根回しというものが必要でね。」私がなんて説明していいのかわからず答える。
「じゃ、面倒なのは、丸山にポイして今から行くのじゃ?」かよがふんすと胸を張る。
「え?かよさん?何を言っているんだい?」私は、部下が心配になりかよをとめる。
「いいと思いますよ。」なぎさが何か考える。
「丸山さん。お子さんが産まれるのに育休はいらないって話じゃないですか?」
「あぁ、奥さんの初めてのお産だから産休と育休をとれと話たのに“組合長だから”と取らないからみんなで頭を抱ええているな。」
丸山は私より7つほど上だ。戦いばかりの人生にやっと伴侶が出来て子供も産まれれる。
産休と育休を取らせれやりたいものだ。
「これだけ働いたし、陛下がいなくても他の従業員が動けることを知ったら、休むと思うんですよ!早速、管理職がいないグループメッセージにその旨を伝えますね。」なぎさがスマホを動かす。
なんか、今さらりと私仲間外れにされてない?みたいな単語を聞いたけど気にしないでおこう。
「よし!これで良い!」かよが書いた紙には
丸山へ
紀州へ行く。後は、よろしく!
帰ったら産休に入れ!
櫻子より
と書かれていた。
「もう少し詳しくないとあかんやろ。ちょっと今PCを立ち上げるから‥。」私が、PCを立ち上げて1日のスケジュールと予定の補足などを書き込もうとするとかよに取り上げられた。
「それでは、周りが育たぬのだ!櫻子がいちいち指示出して全部把握しすぎている!仕事ぶん投げたらそこでおしまいなのじゃ!豊富が言っておった。」かよが話す。
何教えてるんよ。豊富さん‥。
「兎も角、早く出発するのだ!ヒロが出てから一時間はかかっておるであろう!電車で行くなら早くしないとダメじゃ!」かよが支度をしようとする。
「私も運転できるから車で向かうよ。」
「なんだ。いつもヒロが運転しておるので運転できないと思っておったぞ。」かよが話す。
そりゃ、自分で運転する華族なんて基本いないよね‥。
私たちは、戦闘服に着替えた。かよにせがまれたのでかよの戦闘服もある。
時計を見る。朝の6時を回ったところだ。
私は、かよの学校に欠席連絡をアプリで入れ、ニャンズに今日の登校をどうするか聞く。
「僕は、学校に行きたいな。中学校を卒業したら亜人の学校に行きたいんだ!」紅葉が話す。
どうやら猫達にも目標が出来たようだ。
そこで、紅葉と竜胆は学校へ。
かよの分の授業を受けノートを取って来てもらう。
そうして、我々四人は、紀州に向かう事にした。
こぼれ話
竜胆「私も行っちゃあかんかったかな?」
紅葉「気持ちはわかるけど今はやめとき。力がまだ足らんよ。」
竜胆「そうよな‥。」
二人は、ありし日の友を思い出していた。




