第八十三話 古都の夜市
今日からまた、頑張りたいと思います。
よろしくお願いします。
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毎日、昼の12時に投稿します。
その男に初めて会ったのは、古都だった。
テレビでは、古都で行われる、祇園祭の練習や飾り付けについてのニュースが流れ初めてきた。
かよが、そのニュースを見ていると「わ‥わっ‥。」と驚いたと思ったら
「現代でも祇園祭を取り行っているのか?」と私にたづねて来た。
「あぁ、鎖国前は外国人にも人気だったよ。私は、山鉾巡行をチラリと見ただけやけど。」私は、暑いのでTシャツに短パンで扇風機の前にいる。
得意の氷魔法で家を冷やしてもいいのだが、そんな事で魔力を消費したくない。
そして、クーラーは電気代が高い。
ニャンズは暑いので猫の姿でその辺で溶けている。
ヒロは、短パン履いたらすね毛がキモいとかよに言われてしょげていた。
世の中、おっさんには厳しい。
「櫻子!わし!祇園祭に行きたい!幼き頃に父上と母上に連れて行ってもらったのだ!」かよが目をキラキラさせながら話す。
「思い出のお祭りってことかい?当時と大分ちゃう雰囲気になっとるかもしれんよ。」ヒロが、サイダーを飲みながら話す。
「ちまきが食べたい!」暑さで溶けてる大人に対して元気なかよちゃんだ。
「行ってもええんやない?この前の夜刀の遺体を三条さんに引き渡して、心臓にある記憶見てもらわんとあかんし。冒険者に護衛クエスト出そうと思っていたけど夜刀がらみはクエスト出しても危険やから冒険者が集まらんって水谷が言っておったし。」私が、ヒロのサイダーを奪い飲む。
「そうと決まればレッツ!祇園祭なのじゃ!」
そんな、何気ない感じで古都に行く事が決まったのだ。
しかし、早急に夜刀の心臓を引き渡さないといけないので祇園祭当日まで待てない。
そんな話をしたら
「ちまきが食べれたら良い!」とかよが話したので祇園祭は雰囲気だけになった。
街には、祇園祭のお囃子の練習のために町屋の二階でお囃子の練習をしている。
その下では、もがき苦しんでいる亡者がいる。
「ちんてん、ちんてん、うるさいんじゃ!」亡者が叫ぶ。
「あれは、助けないでいいのか?」かよの顔が引き攣る。
「祇園祭のお囃子をうるさいって事は、この世に止まりすぎて亡者になっとんねん。ほっとき。」ヒロがつまんなそうに答えた。
「せや、祇園祭ってのは、疫病を沈めるためにはじめたんよ。人の心の隙間に入って鬱にさせる亡者は払われても仕方がないやん。」私も亡者を横目に見る。
中には、生きている人間もいたが、欲をかきすぎて亡者に取り込まれたのだろう。
放っておこう。
「それより、夜市に行こうや。掘り出しもん探しに行くで。」ヒロが張り切る。
今日は、古都の夜市だ。
魔術具だけではなく、グルメも楽しめる。
かよは、冷やし飴と練り切りを目当てに、ヒロは掘り出し物を目当てに、私は、地ビールを目当てに夜市に繰り出す。
会場は、京都でも大きな浄土真宗のお寺の前に広場に位置してる。
夏らしく浴衣を着ている人も多く。かよと私も今日は、浴衣を着ている。
かよは、白地に桃色や朱色の牡丹やダリアの花があしらわれており、そこに桃色の兵児帯をつけている。私は、黒と群青に星を散りばめた天の川風の着物に灰色と黒のグラデーションの兵児帯だ。
初めかよは、兵児帯をつけるのに抵抗があった。兵児帯から半幅帯になった瞬間に大人になった様に感じだのだろう。今は、帯に年齢はないといえ、その時の記憶があるものからしたら、大人が兵児帯をつけているのは、違和感があるようだ。
※兵児帯‥元は男児用の芯がなく結びやすい帯。明治維新以降子供用の普段着として普及した。
今は、クシュクシュとした見た目や結びやすさなどから、若い女性を中心に人気。
私たちは、入場特典の光リストバンドをもらう。浴衣を着ている人に特別に配っているらしい。
そして、爆速でヒロがどっかに消えた。
「ちょっ櫻子!ヒロが何処かに行ったぞ!」かよが戸惑う。
「ほってき。ああなったヒロについて行くのは無理や。それより、出店を堪能しよう。」私がかよの手を取る。
いつもは、置いてけぼりだが、今日は二人だ。
なんだが楽しい。
目当ての練り切りは完売していたが、かよはかき氷を食べて満足していた。
私は、ワインがけかき氷を堪能しながら飲食スペースでくつろいでいた。
古都は盆地だ。とても暑い。
風鈴や冷たい水蒸気が出る魔道具があるが、暑いものは、暑い。
浴衣にじっとりと汗が滲む。
しゃりしゃりとしたかき氷が美味しい。
「櫻子!あれはなんじゃ?」不意にかよが声をあげた。
かよの指が指された方を見ると一つだけ不思議なブースが一つある。
野晒しで、ブルーシートを引いただけ、そこにガラクタを並べている。
他の出店者は皆、テントをはり、暑さ対策をしているのに珍しい。
店には、かなり細身の中年男性が一人座って店番をしている。
レンズの厚いメガネを外しては、時折汗を拭いていた。
髭が暑苦しい。
「掘り出し物があるかもしれんぞ。」かよが立ち上がると店に近づく。
「いらしゃい。」無愛想に挨拶をする店主。
「ここは、なんの店なのじゃ?」かよが聞く。
「ここには、呪物が置いてあるよ。」ねっとりとした口調で男が話した。
「呪物?魔道具の事か?」
「呪物は呪物やん。ほれ、この子なんて持ち主が死ぬ人形って言われていてな。」男は、幼児の人形を見せた。
その人形は、5、6歳の女のがごっこ遊びで使いそうな着せ替え人形だ。
「この人形はねぇ。とある老人ホームにあったんやけど、この人形を可愛がった人は必ず亡くなるんや。」男が話す。
「おっちゃんは、可愛がってないの?」素朴な疑問を私がなげかける。
その着せ替え人形は、今は浴衣を着て、小さなイスに座ってる。
どう見ても可愛がってる。
「俺は大丈夫なんや。」男が言う。
「なんでやねん。」
「これは、なんじゃ?」そうかよが声をかけた時。
「何してんねん。」ヒロに声をかけられる。
私たちは、振り返るとヒロが、マジックバックに魔術具を入れている所だった。
「今、魔術具を見ていたところで‥。」そう言いながら振り返る。
店がない。
私は、かよと顔を見合わせる。確かにここに店があった事を説明してもヒロには信じてもらえなかった。
ライラ「奏はん。この前の神辺のアンデット。あんま良くないで。」
書類を確認する三条。
三条「これは‥。」




