第七十八話 プライド
毎日、朝と夕方の2回投稿にしたいと思います。
平日は、朝8時投稿。夕方5時投稿。
土日、祝日は、朝10時。昼の15時投稿にします。
物陰からメリーさんのようなビスクドールが集まってくる。
「この術は、可愛くないので使いたくないですが、童貞厨二病には、ちょうどいいですわ!」メリーさんの合図で人形が夜刀にまとわりつく。
人形が青く光ると魔力を吸い出していく。
「きしょいですわ。‥とても、きしょい魔力ですわ。」夜刀の魔力がどんなのか知りたくないが、メリーさんが苦しそうだ。
私は、援護として大地の魔素をメリーさんに流す。
回復薬を飲もうと手を伸ばすと。
夜刀の舌が絡みつき私をメリーさんから引き離す。
ぐいっと夜刀に体が引き寄せられる。
「いやぁ!」私の口から情けない声が出る。
魔素神経を使いすぎて、上手く魔法が使えない。
「櫻!」ヒロが手を伸ばす。ギリギリで手を掴む。
夜刀の舌がさらにまとわりつく。
舌がぬめりを残しながら体を這う。
冷たい湿った感覚が気持ち悪い。
それに、魔力を吸われている。
体に力が入らない。
「ヒロ‥。」私がヒロを見る。
「助けて‥。」
ヒロの目がくわっと開く。
「このマザコン童貞クソ厨二病!テメェの舌全部引き抜くぞ!」ヒロが私の体を抱き寄せる。
私の体にまとわりついている舌を払う。
ぐったりとしてヒロに体を預ける。
ヒロは、私をゆっくりと寝かして夜刀に向き合う。
「マザコンだの!どっ童貞だの!俺は、童貞じゃない!今から我がーー。」夜刀が叫ぶが、ヒロが舌を束ねて銃口を夜刀に向ける。
銃声が鳴り響く。
耳をつんざくような爆音が聞こえる。
「言わせねぇよ!!!!」ヒロが叫ぶ。
ヒロは、夜刀の舌を掴むとナイフを突き立て一気に間合いを詰める。
その勢いで夜刀に一発拳を叩き込む。
ドゴっ言う鈍い音がする。
そのままヒロはコンバットスタンスをとる。
軽快にステップを踏みながら夜刀にボディブローを決める。
「かはっ」と夜刀がくの字に折れる。
私は、ヒロが戦う姿を見つめることしかできない。
体が動かない。
魔力を奪われすぎた。
「櫻子。ヒロは、大丈夫ですわ。あれをご覧なさい。」メリーさんが近づいてきて私に声をかける。
その手には回復薬がある。私は、受け取った回復薬を飲む。
やっとの事で体を起こす。
ぼうっとする視界がはっきりしてくる。
夜刀の体が、小さくなっていく。
「そろそろ、身の丈にあった姿になるのではないかしら?」メリーさんの言葉通りしおしおと萎んでいった夜刀の体は、魔力で強化する前の橋下健吾の写真の姿になっている。
右目の魔石は、そのままだが、人相や背格好が彼の出身校から提示された写真の中にいた気の弱そうな影のある青年と同じだ。
「童貞マザコン厨二病!どないした!他人の魔力がないと戦えへんのか!」ヒロが、拳を浴びせながら夜刀を煽る。
「うるさい!うるさい!リア充爆破しろよ!」夜刀が爆裂魔法を打ち込む。
しかし、魔力がないのか爆竹程度の威力になっている。
「そろそろラスボスの仕事しようかねぇ。」ヴィクターがメスを一振りした。
スパッと閃光が走ると夜刀の首から鮮血が走る。
操り人形の糸が一本一本切れていくみたいにガクガクと足を前に出している。
「ヒュー。」口元の血が泡になって空気が漏れる。
多分、何か話しているのであろう。
ヴィクターがトドメをさす。
切り落とされた首が、虚空を舞う。
悔しそうな、驚いているような。
はたまた、悲しそうな。
パタリと倒れた体から赤黒い血がとめどなく流れる。
鉄の匂いが鼻を刺激する。
ゴロンと夜刀の頭が床に転がる。
キキキキキッ!
どこからか現れたコウモリが夜刀の頭を持っていく。
「あかん!」私が手を伸ばす。
あの頭の中の記憶をとらないと。
体が動かない。くっそ!
ヒロの舌打ちが聞こえ銃を撃つがするすると逃げていく。
そのうち空間移動魔法を使い逃げられた。
ただの使い魔では、ない事は確かだ。
また、視界がぼやける。
「櫻!」ヒロの声が遠くで聞こえる。
あぁ、もういいかな。なんだか、疲れちゃった。
こぼれ話
輝夜「大夢様!櫻子様は?」
駆けつけた、騎士団と共に輝夜が駆け寄る。
その中に豊富翔太郎の姿もある。
豊富「なんや、ヒロ。ローションプレイでもしたんか?」
ぬちょぬちょの軍服でぐったりしている櫻子の姿を見て豊富が話す。
ヒロ「めっちゃエロかったで。」
豊富「え?なにそれ?記憶共有してくれへん?」
茜茜「変態エロガッパ共死ね!」
茜茜の強烈な回し蹴りを喰らう二人。
※大夢は、ヒロの名前です。
第二十三話参照




