第七十六話 山男とメリーさんのセレナーデ
毎日、朝と夕方の2回投稿にしたいと思います。
平日は、朝8時投稿。夕方5時投稿。
土日、祝日は、朝10時。昼の15時投稿にします。
可愛らしい洋服だった物が無惨な姿になっている。
青空のような水色のスカートは見るも無惨だ。
ギッシ。檻が軋む。
「メリーはんの洋服を‥。メリーはんと一緒に考えた洋服を‥。」山男が大きくなる。
ギシギシと檻が軋み、バキバキと内側から檻を壊す。
鋼の檻が、まるで、飴細工のように壊された。
夜刀がたじろぐが、長い舌を出してメリーさんを襲う。
そこに飴細工のように壊した檻を山男が投げる。
轟音と共に埃が舞う。
檻は、砲弾のような勢いで放たれた。
夜刀が間一髪の所で檻をかわした。
驚いた様子で、体勢を崩しながら山男と間合いをとっている。
フーフーと山男の荒い呼吸が聞こえる。
山男は、石の支柱をもぎ取ると夜刀に向かって行く。
「メリーはんは、おでを見ても驚かなかった!
怖がらなかった!!」
支柱を夜刀に振り落とす。
素早く夜刀が身を翻し、魔法をぶつける。
放たれた攻撃魔法は、山男に弾かれる。
メリーさん達から夜刀が遠のいた。
私は、ヴィクターとメリーさんに近づく。
「ヒロ!回復薬ありったけ用意して!そして、護衛をお願い!」
ヒロは、無言で頷き小銃を構え、銃口はしっかりと夜刀を捉えている。
私は、ヴィクター達にこの土地の魔力を流し込む。
かよのように膨大な魔力は通せないが、やらないよりマシだ。
「櫻子さん。油断しちゃったよう。」ヴィクターが喋る。
「喋るな!」
「最近、冒険者はラスボス戦挑まないし、挑んでも手合わせだろう。体が平和ボケしていたんだねぇ。」ヴィクターが小さく咳をして血を吐く。
リッチである。彼でも血が出るのか。
白衣はボロボロで中のスクラブも血まみれだ。
無惨にも彼の武器であるメスが辺りに散らばってる。
私は、魔力を高める。
ジリジリと体が内側から焼けるような感覚が襲う。
魔素神経が焼き切れそうになっている。
回復薬を飲む。少しは、楽になる。
「メリーはんは、おでの趣味を笑わなかった!」ラスボスの間に山男の声がこだます。
その声は、少し湿っていた。
私は、魔力をヴィクター達に送りながらも山男を見る。
普段からは考えられない姿だ。
感情的に力を振り回してる。
石の支柱が夜刀を翻弄してる。
夜刀の魔法も弾いてる。
しかし、それも限界が来たのか山男の四肢に傷がつきはじめる。
それでも、山男の攻撃は止まらない。
「メリーはんは!おでが、服を作ってる所をニコニコとみるんだ!
『ここは、こうして欲しい』って言いながら楽しそうに!
メリーはんは!メリーはんは!おでの大事な【可愛いもの好き同盟】の友達なんだ!
消させやん!」
支柱を夜刀にぶち当てる。
物理攻撃を防げなかった夜刀が「グハァ!」と血を吐いた。
終わったのか?
「ハッハッハッハッ!」夜刀が薄ら悪く笑う。
「化け物が友達?その友達を俺の餌にしてお前を倒してやるよ!」夜刀が舌を伸ばしてきた。
ヒロが小銃を撃つ。
打たれながらも何本もの舌が伸びてくる。
夜刀の舌が私達のすぐ側まで迫り、私の目の前まできた。
こぼれ話
メリーさん「可愛い物を好きに見た目なんて関係ないですわぁ!可愛い物は素晴らしいです。」
日傘をくるくるさせながら、山男の作った人形を見て喜ぶ。
メリーさん「私たちは、今日から可愛い物好き同盟ですわ!ここのアンデットやモンスターは可愛い物を分からないのですの!だから、私たちお友達にならない?」
山男「おで‥おで‥。」どう、言葉を表して良いのかわからない山男を見て。
決定ね!と言い。
熊のぬいぐるみを持ち上げるメリーさん。




