第六十六話 かよの教育係と昔の話
本日から朝と夕方の2回投稿にしたいと思います。
平日は、朝8時投稿。夕方5時投稿。
土日、祝日は、朝10時。昼の15時投稿にします。
※本日は、23時50分まで8万字チャレンジしてます。
今晩は、投稿が増えます。
それからしばらくして、神辺にも浪華にも平穏が戻りつつある。
保護された人材の多くは、浪華に残ったが、一部親から逃げたい子供は神辺に移った。
親子と言えど様々な形がある。ソリが合わないレベルじゃない子も多い。
窓から庭を眺める。曇天の中、今日も山男が手入れしてくれた紫陽花の紫や青がとても綺麗だ。
紫陽花の他にはホタルブクロやクチナシなども植えてある。
そろそろ桔梗も綺麗に咲くと話していたな。
私が、桔梗が好きと話したら、毎年桔梗だけの花壇を作ってくれる。
今年は、範囲を広げるとか。
本当に優しい妖怪だ。
トントンと執務室がノックされる。
入室の許可を出すと「失礼します。」と言い一人の中年女性が入ってきた。
「佐竹輝夜様からご紹介にあがりました。佐々木亜由でございます。」静かに話すととても綺麗なカーティシーをした。
佐々木亜由は、輝夜の乳母兼家庭教師をしていたものだ。
ソファに促すと無駄のない優雅な動きで座った。
「初めまして。私は、後神侯爵家当主の櫻子だ。あなたに来ていただいたのは、他でもなく私に娘の淑女教育をお願いしたいと思っている。」そう、切り出す。
「はい。有り難くその仕事受けさせていただきます。しかし、御当主様‥。私たちは初めましてではないのです。」
私が、首を傾げる。
「その‥ご当主様が、まだ華族学校に通われていた時でございます。輝夜さまの夜泣きが酷く。お庭であやしていた時でございます。そこに夜間部の御当主様が、こられて。輝夜様のカン虫をおとりくださいました。」
私は、記憶を掘り起こす。確か庭先で疲れ切ったメイドが赤ん坊を抱いていたので、初めは、ゴーストかと思ったら相馬万梨阿のメイドと娘だった。いや、今は佐竹万梨阿か‥。
え?っていうと‥。輝夜は‥。
「輝夜はあの時の万梨阿様が休学して産んだ赤ちゃんですか?」
「はい。いかにも‥。ご当主様が気が付かないのも無理ありません。お嬢様は亡き先代奥様にそっくりですから。」
「それにしても‥。その輝夜の扱いが‥。」言い淀む。なんて言ったら良いのだろう。
「佐竹家に関する事お話ししてよろしいですか?」
「それは、昔支えていた主人を裏切る行為ですよ。いいのですか?」
「私がお支えしたのは、先代の奥様だけです。今、帝都にいらっしゃる万梨阿様では、ございません。奥様は、亡くなる間際にお嬢様になにかあればすぐに家を出るようにとお話していました。」
自分の女主人をきっぱりと名前で呼ぶとは、万梨阿はよほど人望がないと見える。
万梨阿の顔を思い浮かべる。
ぼんやりとしか覚えてないが、やられた事を思い出してげんなりした。
その顔色を読んだのが佐々木が畏まる。
多分、色々な場所で万梨阿の名前をよく思われなかったのだろう。
彼女の苦労がなんとなくわかる。
私も母の名前で苦労した。
「御当主様がよろしかったら、佐竹の‥。いや、万梨阿様のお話しをしても良いですか?私は、元々相馬家の人間でしたから‥。嫌悪感がなければの話ですが。」
どうしよう。今更過去の事を聞いたところで何もならない。
へぇ〜そうだったん?で終わりだ。
しかし、この賢い侍女があえて話すと言うことは現在の佐竹家の何やらよろしくない噂の根幹があると言う事だろうか?
ただの愚痴だったら嫌だな。
「私が、聞いてどうこう出来ないが、話だけなら聞ける。」困った挙句そう答えた。
こぼれ話
輝夜「はい!これ買取お願いします!」
受付嬢「えぇと鬼のツノにグリーンスライムの干物。それにミノタウロスの皮。少々お待ちくださいね。」
電卓を叩く受付嬢。
受付嬢「全部で15万札ですね。今回も口座に入金でよろしいでしょうか?」
輝夜「はい!お願いします!」
受付係「あ!輝夜様ちーっす!また、買取っすか?」
輝夜「はい!頑張れば頑張るほどお金もらえて嬉しいです!」
受付係「それは、いいですが、騎士の仕事とか大丈夫なんすか?あと、あんま副業すると税金バーンとかかりますよ。」
輝夜「騎士の仕事‥。それに税金?」
輝夜の思考は完全に停止した。




