第六十三話 より良い人材確保の為に仕事します。
本日から朝と夕方の2回投稿にしたいと思います。
平日は、朝8時投稿。夕方5時投稿。
土日、祝日は、朝10時。昼の15時投稿にします。
「その礼拝所は?」
「俺らが、行ったら爆破済みよ。」
まぁ、そうだろうな。
この人形は、ティーやんの国の神様が与えてくれた物だから大和の神様に見つかってはならない。
見つかったら、らくらく君人形が使えなくなる。
迷えるみんなが、傷つくのを憂いた神が与えてくれた人形。
だから、外部に漏らすなと。
まぁ、魔法を勉強していない子にはそんな嘘は容易いであろう。
魔素は大地を駆け巡っている。それは、国境も越える。
その魔素に自らの神に感謝し、祈ることで基本の魔法が使える。
国や神の場所などは関係ない。
神は、我々人間などの常識の範囲外で動いている。
魔法(奇跡の技)と神々の理は、まだまだわからない事だらけだ。
「人相は?」
「わからんかった。」
やっぱりか‥。輝夜に人形を与えた人物もわからなかった。
「でも、ファッションに興味がある子が衣服の特徴だけは、覚えておって絵を描いてくれたで。」
豊富が一枚のイラストを見せる。
基本黒のスーツだが、中のベストに植物や鹿の刺繍がほどこされている。
まるで、亜人の里の刺繍に似ている。
違う点は、亜人の里の刺繍は、大和柄で、デフォルメされている様な物が多い。
しかし、これは、ヨーロッパなどの衣装に見られる物に見える。
男性の衣服にしては、花柄や草などが散りばめられており、とても可愛らしい。
「その子は、かなり目が良くてな。一度、生地をバラして染め直した様に見えたらしいで。見せてもらった時にそんな作りやって思ったんやて。」豊富がサラッと高度人材の卵の話をする。
「何その子!育てたらめっちゃよくなりそうじゃない。なんで、そんなに衣服に詳しいの?」
「コスプレイヤーなんやて。櫻子はん。あかんで。その子は、もう奨学金を使ってうちの所から専門に通ってもらう。」
ちっ防具装備屋でいい職人になりそうだったのに。刺繍に詳しい人材は、喉から手が出るほど欲しいのに!今、防具関係の技術はどこも枯渇している。
凍結時代に外宮では、衣服の製造は外国で外注していたのが影響しているからだ。
ならば、その子は諦めよう。
しかし
「では、現実的な事をお話ししましょうか。浪華だけでは、子供達を育てるのは難しいでしょ?神辺も一枚かみますよ。」私がにっこり笑う。
豊富さんの顔が引き攣る。
なんでや?私は、構わず続ける。
「もし、成人していて就職先や住居を探している子がいるなら、うちの企業のダンクリーンがそちらに支店を出す予定なんですよ。そこに就職というのは、どうでしょう?」
ダンクリーン会社とは、ダンジョンの清掃を行う会社だ。
ある程度の冒険者の技量がないと出来ないが、あまり、モンスターと戦いたくない人物には人気だ。
セーフティーゾーンの清掃がおもだが、そのセーフティーゾーンまでも安全な乗り物でいく。
一人乗りのミニカーには、モンスターは攻撃してこない。
管理人と契約しているからだ。
でも、マキちゃん契約してくれるかな?まぁ、ノーブルならなんとかなるやろ。
「あのおっさん、ここまで手を回そうとしているんか?」
「企業に領地は関係ないですから。家出少年のまま住所がなく就職出来ず、困っている子もいるでしょう?大人に頼る事をわからない子はたくさんいますからね。もちろん、本人の希望でいいですよ。やっぱり、冒険者がいいって子もいますから。」私が、静かにいう。
「慈悲深い事言ってるようで、自分の領地が潤う様に人材ほしいだけやん。」
「さて?なんのことでしょう?うちは、そちらと違って勝手に人材が集まってこないから工夫しているだけですよ。」
「棘がすごいなぁ〜」
そんな、話をしていたら午後の執務が終わった。
明日は、神辺に帰れる。やっと我が家だ。
こぼれ話
浪華の執務室には、組合の者が運んでくる処理が次々と積まれている。
豊富「この書類。ほんまに三日でやらんとあかんの?」
茜茜「櫻子が怖い顔していたネ!命の糸切られたくなかったらとっとと仕事するネ!」
豊富の脳裏にハサミをジョギジョギと研いでいる櫻子が思い浮かびブルルと震えた。




