第六十一話 謎の声
本日から朝と夕方の2回投稿にしたいと思います。
平日は、朝8時投稿。夕方5時投稿。
土日、祝日は、朝10時。昼の15時投稿にします。
「Hello。Ladies & Gentlemen。」低く渋い声だ。
するとどこからともなく女性の静かな声が聞こえてきた。
「かつてイディスの女神の眷属のここにあり、
ある者は十戒の鎖をととのえ
ある者は自らの命と引き換えに民を守り
ある者は十戒の鎖をむしりとれり。」
「あかん!術者は、どこだ!?」豊富さんが叫ぶ。
私は、糸を張り巡らせるが、術者を感知しない。
詠唱をやめさせないといけないのになんだこれは!!
「戒めを脱し、敵を逃れよ!」
管理部隊の囲まれていたはずの夜刀がすっといなくなる。
辺に微かにあった術者の気配も静かになくなった。
やられた。
情報を持ってそうなアンデットを逃してしまった。
「サーイド・ザーリカ・ッシャフサ」そよ風の様に女性の心配する声が聞こえた。
振り返ると輝夜の目が大和人特有の暗いブラウンから薄いグリーンの目になっている。
憑依だ。
「サーイド・ザーリカ・ッシャフサ」輝夜の口から知らない女性の声がする。
それだけ、言うと輝夜は倒れた。
反射的に手を出して、受け止める。
管理部の人が私に駆け寄り、輝夜を救護する。
かよを見る。
幼い顔に真剣な目つき。
ぎゅっと口を一文字に結んでいる。
何を考えているのだろう。
やっぱり、領主になりたくないって思いじゃないといいな。
あれから地上に出て豊富さんの仕事を手伝った。
記憶の解析をした結果。
夜刀黒魔。本名、橋本健吾は、我々のダンジョンに無断で入って配信していた生きているようなアンデットだった。
だいぶ風貌が変わっていたが、映像解析をしたことろ骨格が同じと言うことがわかった。
また、彼の知人に話を聞いた所
「我が名は、夜刀黒魔!右の魔眼が疼く!」とよくやっていたらしい。
多分、橋下健吾で間違いないだろう。
輝夜に憑依したゴーストに関しては、何もわからず仕舞いだ。
と言うか今回も主犯については、何もわからない。
わかったのは、あのチート人形は、家出少年・少女ということだけだ。
あの薬は、人の体を徐々に蝕み、やがて時期が来たら自然とラリビンスに戻る様になっていたらしい。
そこで、アンデット化して共食いしたり、より強いモンスターに食べられたりしていたそうな。
「えぐい。人形。」
誰が、作ったのはわからない。
わかっているのは、被害者が100名以上と言うことだけ。
あれから、橋の下に屯っている家出少年達は、一斉摘発と保護された。
親元に返していい人材とそうでない人材を振り分ける作業が待っていた。
その点に関しては、神辺の知識がほしいと豊富さんに頼まれたので協力している。
神辺は、ダンジョンが開くときに子供達やごろつきが屯わない様に細心の注意をしてから開いた。
ゲームや異世界転生の様なチートと思い込んでいるやからが多い。
今の現実を生きている自分が、ろくな経験を積んでいないのに、なぜ別世界で活躍できると思うのか?
だったら、別の国に行くことをおすすめする。
同じ様な異性界だ。
そして、今私は豊富さんの執務室で仕事をしている。
丸山が来たらバトンタッチだが。
こぼれ話
窓の外は流れる夜景。
流星のように流れるとは、このような事なのだろうか?
かよ「なぁ、ヒロ。わしは、婚約した方がいいのだろうか?」
ヒロ「は?知らんよ。櫻に相談し。」
かよ「一つ聞いても良いか?ヒロの技術。名前。ヒロは、忌守なのか?」
ヒロ「親は気にしてるが、俺は俺だ。気にした事ない。」
瞬きをしている間に景色が流れる。
その流れに乗らないといけない。




