第五十話 梅手ラビリンス〜まだ、1層目〜
本日から朝と夕方の2回投稿にしたいと思います。
平日は、朝8時投稿。夕方5時投稿。
土日、祝日は、朝10時。昼の15時投稿にします。
※現在2026年6月27日
6月末に大賞締め切りの応募があり、その応募条件が8万字です。
8万字以上に届きそうなので27日(土)28日(日)は二時間おき投稿にさせていただきます。
少しでもよかったらリアクションお願いします。
輝夜は給与の殆どを実家に入れていた。
なので、貯金が殆どないのだと。
今回の任務は、自分で志願したと言う。
実家から離れたかったらしい。
親には、任命されてから伝えたところ。
「あんな、目つきの悪い外育ちの女の所で働くなんて、ほんとついてない事!出ていくのは、いいけど弟の習い事の資金があるからまとまった金は置いて行きなさい!」と母親に言われてなけなしの貯金も取られたと。
目つき悪い?外育ち?まさか。
目の前の女性を見る。
まだ、少女と言っていいぐらいの若さだ。
メガネにそばかす、切れ長の重い瞼の一重。
自分が知っている人物とは、似ていない…。
輝夜は続ける。
貯金も全て取られ、これでは、足りない!と言われ給与口座を返してもらえなかったとか。
「は?どうゆうこと?」ヒロが驚く。
「私の給与は母が管理して、生活費を差し引いた額を母から小遣いという事で貰ってました。」輝夜が話す。
「貯金はどこにしていたの?」
「缶に入れて貯めていました。15万ほど貯まっていたので、なんとか格安のお部屋借りれるかな?」って思っていたのですが…。
15万で借りれる部屋とは?あったとしても、女性が一人暮らしすをするところではないのは確かだ。
「ところで、小遣いってなんぼやったん?」ヒロが聞く。
「平日に一日500札です。」
「は?1日500札!?」
一ヶ月の平日を単純に20日とすると約1万札と言うことになるが‥。
「その‥。ほしい物とかは、買ってもらえてたん?」なんだか不憫になってきた。
「いえ‥。その‥。月のものにかかる費用とか下着とか病院代とかのために使わずに貯めていました。」輝夜が恥ずかしそうにいう。
病院代も出さない。ナプキンすら買い与えない。ましてや、下着も‥。
そして、給与の殆どが実家に入れているとは‥。
なんとなく意図が見えてきた。
「で、お金ないので‥。同僚から貰った餞別なんとか浪華まで来れたので。ラビリンスに潜ったんです。ラビリンスのドロップ品をお金に変えて、神辺でアパート借りようと思ったんです。」輝夜が申し訳なさそうに言う。
やっている事が、認定資格のない家出少年じゃないか。
家に居場所ないからダンジョンやラビリンスの周りにたむろって冒険者や管理人の隙をついて侵入。
闇ブローカーにドロップ品を売り捌いて金にかえて、生活してると‥。
私は、頭を抱えた。
その様子を見て輝夜が何か勘違いをしたのか
「領主様!本当に申し訳ありません!母が言ってました。私の給与が足りないからいけないと‥。だから、生活費が足りない。私がいるからお金かかるのに安月給と言ってました‥。よく、母がダンジョンに潜ってドロップ品を持って稼いでこいって。‥それで。」
本来、騎士は騎士登録をしてしまったら、ダンジョンやラビリンスは入れない。
演習か遭難者捜索でしか入れない仕組みだ。
稀に遠征までして、力試しでダンジョンに潜る者もいる。
私は、初め輝夜は、遠征修行の変わり者騎士と思ったほどだ。
それぐらいダンジョンやラビリンスには、騎士はいない。
領主は、騎士を騎士登録してその土地のダンジョンやラビリンスに許可なく入れないようにする。
これは、棲み分けだ。
冒険者がいるのに騎士もダンジョンに潜ってドロップ品を集めてしまうと特別な訓練を受けていない冒険者は、廃業だ。
でも、冒険者がいないとダンジョンが暴走して、外の街を飲み込んでしまう。
そうなると騎士団だけの人数では、対応不可能だ。
それに適度な間引きも騎士団だけでは無理がある。
だから、騎士団は救難捜索と警備。
冒険者は、適度な間引きといざとなった時の臨時戦闘員だ。
その関係は崩れてはならない。
補足話
1札=1円です。
つまり輝夜は一日500円でどうかしろと言われていました。
もちろん、弁当もなしです。




