第百十九話 身代わり、漁夫の利作戦、開始します。
毎日12時に投稿してます。
全年齢版櫻子とヒロの出会い編
『菊理姫様!お導きを!』〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜
現在執筆中!
そちらは毎日18時更新!
時系列
〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜 ←微エロラブコメ
〜英雄の誕生〜 ←鬱展開あり閲覧注意
〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます〜
私は、赤の砦で各砦の位置と偵察部隊の動きを聞いている。
本部には、私とヒロ、上野と輝夜。
それにかよも赤の鉢巻を巻いている。
今日は、夏休みの特訓の成果を見ようと思ったのにクレイジージジイのせいで私が本気を出さないといけなくなったではないか!
地図に駒を置き戦況を整理する。
赤、青、緑。
3色の駒がそれぞれの陣を中心に隊列を組んでいるようだ。
緑の駒が、若干青の駒を押し込んでいる。
そして、私達の駒である赤は隊列を乱さず陣を守っている。
遠隔魔法の布には各部隊から送られてくる情報が次々と映し出されていた。
「徳田さんが前線におらんようや。」ヒロが話す。
「こちらを警戒しているのであろう。」私が短く話す。
あの戦闘狂でも流石に簡単に打ち取られるような位置にはいないか…。
「状況としては、徳田軍が浪華軍を押しているな。」ヒロが緑のコマを動かす。
「浪華軍はこちらに来ている様子は?」
「小隊が何組か。しかし、本部の戦況が酷いのか引き返している。」ヒロが短く説明する。
「浪華軍からは、何組か離脱者が出てます。」上野が説明した。
「こちらの守りは大松原が固めています。」なぎさも報告した。
「田中将補、豊和M1500を持って来ているな…。」
静かに私が話した。
ヒロが怪訝な顔をする。
「それがどないしたんよ?」
「久しぶりにヒロのスナイピング、見たいな。」
私はこてんと小首をかしげてヒロを見る。
「腕鈍ってると思うで。」ヒロが話す。
「またまた…。ダンジョンの最下層で時々派手に遊んでるの知ってるで〜。」
私がくるくると揶揄い気味にヒロを指差した。
「どれぐらいの距離スナイピングできる?」私が尋ねる。
「現役の頃やと…。2000Mから2500Mやったな…。」
元自衛官の上野が、驚愕した様子でヒロを見た。
※日常的・実務的な狙撃距離は800〜1500m※
「私が魔力を分けたら…。もっと飛距離伸びる?」
「やってみやんとわからんな。」
「じゃ、やってみようよ。今日は“演習”なんだから。」
私が聖母の微笑みをする。
「「「「ヒィ!」」」」三人娘と上野から悲鳴が上がる。
「あ!そうだ!かよ!」
「なっなんでございますか?お母様。」かよが汗をかきながら尋ねてきた。
「お洋服交換しましょう。」私がこてんと小首を傾げる。
「……え!?」かよの目が見開かれる。
驚いているのであろう。
そして、意味を理解したのか、小刻みに震えている。
「大丈夫だよ。大将の鉢巻までは交換しないから。ここで私の服を着てヒロの戦闘服を着た上野といてくれればいいんだから。」
「え!閣下!聞いてません!」
「当たり前だ。言ってないからな。あ!上野の方が身長高いからヒロの戦闘服は入らない?」
「いえ…。そう言う問題ではありません。」
「まぁまぁ、とりあえずお洋服を交換しましょう。」
そう言ってかよを連れて別室に進もうとする。
「わっ!お母様!」かよが顔を真っ青にしながら抵抗しようとする。
「女性陣もこっち来て。ヒロ!上野と洋服交換してね!」
そう言って部屋を出る。
なぎさと輝夜が神に祈りを捧げながらついてきた。
何を祈っているのだろう?
そうしてかよと軍服を交換した。
「お母様……。このスカート恥ずかしいです。」
かよが、私のスリットが大胆に入っているロングスカートで、できるだけ足を隠そうとしている。
軍靴も入ってよかった。
それに、ショートパンツとガータベルト、ストッキングの予備を持ってきて正解だったな。
「まぁ、ショーツ見えないようにショートパンツ履いているんだが気にしない。気にしない。」
「わしは、輝夜のような軍服にします。なぜ、お母様の軍服はスカートなのですか?輝夜はパンツスタイルじゃないですか…。」
「伝達者をやっている時にヒロがこっちの方がえぇよって。私の魔力をスカートに乗せて吹雪を出すことができるから。実際、私が刺繍してるからそのスカートは魔力を扱いやすくなってるんや。」
「……それ、大夢さんの趣味入ってませんか?」なぎさがポツリと呟く。
「そうかな?ヒロは合理主義者だよ。」私が顎に指を当てながら話す。
そこにトントンとノックされた。
「こっちはいつでもえぇで。」
そうして、中に入る。
真っ青な顔のヒロが緋色の戦闘服を着ている。
隣には普通の色の戦闘服のヒロがいる。
「こんな魔道具いつ作ったの?」
私は、緋色の戦闘服でヒロの顔をした上野を見た。
「ドッペルゲンガーの残骸持って来たやろ。それで試しに作ってみたんや。今後役に立つと思ってな。」
何ともない様子でヒロが凄いことを話す。
「あんた、本当に変態的な勢いで魔道具作るわな。」私が感心しながらヒロを見る。
「あんたの魔法の研究も変態的やで。」ヒロが眉を顰めながら話してきた。
そんなやり取りをする。
かよはスカートを気にしている。
上野は項垂れている。
なぎさと輝夜は二人を見て拝んでいる。
私は、みなに向き直る。
そして、作戦名を披露した。
「じゃ、身代わり漁夫の利作戦を説明しますね。」
数年前・中央騎士団の本部
魔術師A「伊達の新しい軍服見たか?」
魔術師B 「いや。」
魔術師C「すごくエロくなったのお前知らないの?」
魔術師B 「何それ!見せて!見せて!」
そこで、魔道具を使い新しい軍服を着ている櫻子を鑑賞する団員。
魔術師ABC「おぉ〜!」
魔術師B「でも、何でこんないきなりエロくなったの?」
魔術師C「何でも今組んでる奴が勧めたみたいだ。俺は、そいつに心から拍手を送りたい。」
魔術師A「俺もだな。」
魔術師B「ブラボー!名前も知らない奴!」
そんなやり取りがあったなんて櫻子は知らなかったのである。




