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『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます〜  作者: ぽんぬ


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第百二十話 戦場のタンゴ

毎日12時に投稿してます。


全年齢版櫻子とヒロの出会い編

『菊理姫様!お導きを!』〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜

現在執筆中!

そちらは毎日18時更新!


時系列

〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜 ←微エロラブコメ

〜英雄の誕生〜 ←鬱展開あり閲覧注意

〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます〜


※紀州巡礼道のガチかくれんぼが気になる人は〜しくじり元公爵令嬢とこじらせ忌守君〜を見てください。

作戦内容は至極単純。


身代わりをここ(本部)に置いて私たちバディが緑の軍団をスナイピングする。


それで、徳田さんを引っ張りだす作戦だ。


「今後考えられる戦況としては、私たちが仕掛けるので浪華ろうか軍が息を吹き返す。こちらに小隊を送って来るだろう。上野。」


そこで、ヒロの姿の上野を見る。


「しっかり、かよに戦術を教えるように。」


「御意。」ヒロの姿で上野の声がする。


どうやら、声までは難しかったらしい。


「しっかり妖と亜人、そして人間が連携を組めるよう指揮をすること。かよ。わかった?」


「はい!お母様!」


頼もしいことだ。


「いざとなったら戦うのだからね。夏休みの成果を思う存分出しなさい。」


「御意!」かよの目に闘志が宿る。


部屋の中を見る。


上野もかよも腹を括っている。


なぎさ、輝夜も護衛と補佐としてやる気を出している。


遠隔魔法で映し出されている戦局は青と緑の一進一退の様子が見える。


「さて…。」私が静かにヒロを見る。


「ヒロ。徳田さんに挨拶しに行こう。」


「そうやな。」


ヒロが豊和M1500の安全を確認しながら答える。


「ふふっ」私の口から笑い声が漏れる。


ヒロ以外の四人が震える。


「待ってろよ!徳田恒一とくだこういち!お前のその左頬の傷に私のハサミでもう一本傷をつけて、ペケマークにしてやるぅ!」


私は、天を仰ぎながら叫ぶ。


その横で、ヒロは何事もないように豊和M1500のボルトを弾き、弾薬を確認してる。


ガチャリ。


「………殺しちゃあかんで。」ヒロが呆れながら話しかけてくる。


「善処するよ。」私がニヤリと笑う。


「「「「ヒィ!」」」」三人娘と上野の悲鳴が重なった。





私たちは、認識阻害魔法と魔力探知を妨害するマントを着て青野原演習場を駆け回っている。


このマントは私とヒロが紀州で伝達者をしている時に紀州巡礼道でガチかくれんぼをした時にヒロが開発したものだ。


懐かしいなぁ。


楽しかったからもう一回やってもいいな。


今度、かよ達三人娘連れてやろうかな。


私たちは徳田軍の側面を大きく迂回した。


木々の間を抜け、誰にも見つからない場所でヒロが足を止める。


「とりあえず、ここやな。」


そうして、木の上に魔道具がついた豊和M1500を設置した。


私は木の幹に簡易探知機を設置する。


一つ。


また一つ。


徳田軍を包囲するように、武器のつた魔道具と簡易探知機を設置していく。


「こちら後神。状況は?」


本部に状況を聞く。


「こちら本部。徳田軍が青の砦を攻撃し始めた。」


後ろからケツを蹴り上げる絶好のチャンスやな。


「いいタイミングやな。」ヒロが話す。


ヒロも同じことを考えているのだろう。


「じゃ、そろそろ行こうか…。どこから行く?」私はヒロに聞く。


戦場の事はヒロの方がプロだ。


「南西、徳田軍から3000〜4000mの距離を取ろうと思う。」ヒロが短く話す。


「了解。」


そうして、私たちが動き始めた。



ヒロと私は、木の上で徳田軍の様子を見ている。


ヒロがスコープを覗いてる。


私はヒロの背後から、同じ方向を見る。


身体強化魔法で視力を上げる。


遠くに青の砦と徳田軍がいるのが見えた。


しかし、私には少し小さく見える。


私がヒロに魔力を流す。


スコープを覗いたまま、微動だにしないヒロ。


「どう?見えた。」


「あぁ。ばっちりや。でも……。」


「でも?」


「風が気になるな。」


風向き。


風速。


距離。


高低差。


その全部を、頭の中で計算しているのだろう。


「じゃ、そちらは私が整えよう」


私はヒロの体内へ魔力をさらに流し、魔力の流れを探る。


ヒロの体内を通して豊和M1500に意識を向ける。


ーーー風の流れ。


ーーー弾道。


ーーー大気の揺らぎ。


それが、頭の中で一本の線になって、私の脳裏に浮かび上がる。


「ヒロ?見えた?」


「あぁ。」


ヒロの声が低くなる。


「行ける。」


「では、徳田さんに挨拶しようではないか。」そこで私は不敵に笑う。


ヒロの指が引き金にかかる。


一瞬。


風が止まる。


ズドンッ!!


青野原演習場に銃声が轟く。


遥か彼方。


徳田軍の一角から、脱出用の籠が勢いよく飛び上がった。


私が魔道具のスイッチを押した。


火炎が立ち上がる。


「櫻!」ヒロが私に小さく拳を向けた。


「流石!」私は、ヒロに拳を軽く打ちつける。


「こちら田中。徳田軍に奇襲することに成功。」ヒロが本部に短く連絡を入れる。


「こちら本部。確認した。」


「移動するで。」ヒロが私を見ていう。


「了解。」


私たちは迂回して徳田軍の様子を確認する。


「こちら後神、徳田軍の様子は?」


「こちら本部。すぐに建て直して小隊が火炎が上がった方角に向かった様子。」


「了解。」


ヒロを見る。


「行くで。」


私たちは、向かったと思われる小隊から2000mの距離にいる。


ここからなら、私もヒロも単独で相手を視認できる。


木の上から相手を伺う。


自衛隊と魔術師の混合部隊が偵察している様子が見える。


私は、木の上から降りて地面に手を置く。


ヒロはスコープを覗いてる。


風が揺れる。


ズドン!


ヒロのライフルの音が聞こえた。


私は、土魔法で徳田軍の小隊に土の棘をお見舞いする。


離脱用の籠が飛んでいくのが見えた。


ヒロが木から降りてくる。


また移動する。


さぁ、これからが本番だ。


徳田さんに見せてやろう。


私たちのBatalla(戦闘) Tangoを。

緑の砦。


徳田が腕を組んで座っている。

そこへ駐屯司令の男がやってきた。


駐屯地司令「神辺軍が動き出しました。どうやら、秘密裏に囲まれていたようです。しかも、かなりの人数に!」


徳田「いや、2人だ。」


駐屯地司令「は?」


徳田「櫻子君と田中が動いたんだ。2人だ。」


駐屯地司令「そんなはずないです!こちらは、簡単に三割の軍勢を落とされたんですよ!」


徳田「それができる2人なのだ。」


そう言って、左頬の傷を撫でてニヤリと笑う徳田。


徳田「わしも行こうじゃないか…。」


日本刀を持って立ち上がる徳田はとても楽しそうだった。

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