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『菊理姫様!お導きを!』〜定時で帰りたい領主は、今日も魔法犯罪に追われます〜  作者: ぽんぬ


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第百八話 禊

毎日12時に投稿してます。


櫻子とヒロの出会い編スタート!

『菊理姫様!お導きを!』〜こじらせ元公爵令嬢のセフレになりました。〜

ミッドナイトノベルズでR18作品として投稿開始!


そちらは毎日23時に更新!

ステンドグラスから溢れる光が水谷の上に降り注ぐ。


「お言葉ですか!」水谷が叫ぶ。


「穢れというならそちらにいる男の方が穢れています。」そうしてヒロを指差す。


「理由を申せ。」わかってない奴だな。


「そいつは忌守いもりです!ご当主様!櫻子たんの側には相応しくないです!」

水谷が勝手におもてを上げて叫ぶ。


それになんやねん。櫻子たんって。


「続けよ。」私が静かに話す。


「男爵である僕こそが櫻子たんに相応しい男です!僕は!内宮で育ちました。櫻子たんが外宮で苦労したのはわかります。だから、これからはゆっくりしてもらって。母上から社交を教わって。僕との子をもうけて幸せになるのです。」


気色悪いな。吹雪ブリザードを出さないで聞いている自分を褒めたい。


「それに、かよたんの教育も、あんな奴がいると良くないです。かよたんとは本当の親子になりたいので、一緒にお風呂に入るぐらいの仲になりたいです。それに…。櫻子たんはずいぶん若く見えますが…。年齢が。」そこで半笑いになる水谷。


「その時には、かよたんに僕の子供をと思っています!そうしたら神辺かんなべ領地は安泰です!領地の民草を思うならあんな男を追い出して僕と結婚するのが一番なのです!」水谷の演説が終わった。


周りを見る。


顔を真っ青にして震えているかよ。

その隣では、なぎさが逆立った狸の尻尾を必死に撫でながら、かよの手を握っている。


男どもは能面のような顔をしている。


心を表情に出さないようにするので手一杯なのだろう。


私は、ヒロを見る。


ヒロも無表情だ。


一瞬目があった。


大丈夫。


そう感じた。


ヒソヒソと障子の外の傍聴席にもざわめきが聞こえる。


「なぎさ。水谷の普段の行いを報告を頼む。」静かに感情を殺して話す。


静寂が戻る。


「はい!」なぎさが立ち上がる。


「被告!水谷素戔嗚雨は、亜人の女性職員を中心に臀部や胸部を触ったり、抱きついているのが報告されています。」


「それは、亜人の皆さんとスキンシップで!可愛いから!ふわふわの毛を撫でてたいだけです。」


ふわふわの毛は尻尾と獣耳だけだ。


尻や胸は普通の人族と同じやろがい。



「さらには、妖の職員へは、伝達事項をわざと伝達していない形跡があります。妖の冒険者のドロップ品の買取を少なく見積もって料金を支払っています。クレームが多数入っています。」なぎさが話す。


「ほっほら!妖の皆さんは言わなくても優秀だから!それに冒険者の買取金について帳簿を見たら僕が正しく支払っているのわかるはずです。」


「御当主!発言の許可を願います!」上野が手を挙げた。


「許可を出そう。」


「寺田なみが先の事件で処分される少し前に自分に相談して来た事があります。」


「詳しく聞こう。」


「帳簿と金庫の金が合わない箇所が多くありました。その時に高額ドロップ品の買取手続きをしたのが水谷だと。取引相手は、Aランク冒険者【炎鬼】です。」


炎鬼のメンバーは全員鬼だ。先の事変の時に私の軍で働いてくれていた。

その後、冒険者になって【炎鬼】メンバー全員に二つ名がついた。


「金庫の中の金は帳簿より多いんだから良いだろう!ホモのおっさん!」水谷が叫ぶ。


「……水谷。」私が静かに水谷を呼ぶ。


「はい!なんですか!櫻子たん。」水谷が私を拝む。


だからなんだよ!たんって!


「金庫の中が多いと申したな?意図的に【炎鬼】の買取を低く見積もったのか?」私が静かに話す。


「あ!?」水谷が間抜け顔になる。


「なぎさ。金庫の中の最終的な金額はどうなってる?」


「帳簿通りです。」


「多くあったはずの金子きんすはどこに行ったのだろうな?」私が水谷に微笑む。


それを何か勘違いしたのだろう。


水谷が話し始めた。


「僕は!華族ですよ!魔法は華族しか使えない!それなのに給与が亜人どもと同じって…。しかもそっちは、優遇されて免除制度まである…。魔法が使えない一般市民を守っているのに…。それっておかしいですよね。」


全ての魔法レベルが初級しかない水谷が何を言ってるんだろう。


「櫻子たんが悪いんですからね!かわりに僕が帳尻を合わせたんです。」


胸を張る水谷。


そこから細い糸が現れた。


「審判が下ったようだな。」私が水谷の糸をとる。


なるほど…。


「此度の穢れ。憍慢きょうまんと出た。」


私は、ハサミを取り出す。


「禊をいたす。」


ーーーそこで、私は糸をハサミで切った。

教えて!ぽんぬさん!


質問・「憍慢きょうまん」って何ですか?


ぽんぬ 仏教用語で「恵まれた境遇や能力にうぬぼれ、心をおごらせて他者を見下すこと。」です。検索したらこのままGoogleが教えてくれます。“慢”にするか迷ったのですが意味が広すぎるので辞めました。

え?なんで神道と仏教が同じなんやって?

神仏習合しんぶつしゅうごうだよ。

本来、日本はそんな国なんですよ。明治政府が勝手に分離させただけです。

そして、この物語はローファンタジーです。

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