夢は…
「しーくん?」
「どうしたティナ、また家から抜け出したのか?サナがまた怒るぞ」
サナはティナのつきそいのメイドのでいつもティナの破天荒さには苦労していそうだ。サナとも幼馴染である。
「いいの、最近は勉強しろだとお父様と同じようにうるさくてつまんない。
そんなことよりしーくん、ドラゴン見せて。ついでに乗せて?」
「いいけど、守護魔獣は魔力を結構使うんだぞ。あんまり頻繁に使ってたら寿命が縮みそうだ。」
「ふーん、まだ私は使えないからわかんない。ほら、はやく、はやく!」
ティナに急かされるまま、「黒き竜よ。我のために力を貸し、ここに現れんことよ"@&¥&@@&&:”」
空間が割れた後からは光とはいえないが対になるものがその裂け目から溢れ出す。そしてそれは徐々に物体です表せられる形となり、一つの翼竜の形へと出来上がった。
「わぁ〜ぁ、!しーくん最高」
「よかったら乗る?」
「うん!!」
ドラゴンは一度羽ばたくだけで高く空に上昇した。その力強さは主人の強大な力となるが、この魔獣は未知数の領域に達している。かと言ってドラゴンは優しいし、ティナとこうして遊ぶことが多い。
「ティナ、大丈夫か?」
「大丈夫、これで何回目だと思ってるの。もう一人前に乗りこなしているから。」ティナはふらつきそうな姿勢ですなんとかドラゴンの飛行に耐えているように見えた。
「しーくんはいいなぁ。こんなにかっこいい魔獣持ってて。私もいつか教えてよ。守護魔獣召喚。」
「いいけど、ティナは危なかっしいからな、自分が出した召喚魔獣に襲われそうで心配。」
「むぅ。しーくんだってこの前雷の日に泣いてたじゃん。」
「う、それは…トラウマというか」
「しかもサナには教えてたのにどうして私だけはダメなの?しーくんイジワル。」
「わかったよ。今度教えてあげるからさ。拗ねないで。」
「やったー!これで私もしーくんに一歩近づける。ひゃぁ!」ティナは嬉しさのあまりにバランスを崩してドラゴンから落ちてしまった。
「ティナ!」「しーくん!」
下に降りるために低い高度を飛んでいたが、まだ高さはある。旋回して間に合わない。
彼女が地面に激突する瞬間、ドラゴン正式には黒竜は姿を消した。そして彼女に翼が生えたかと思えばゆっくりと着地した。
「"カードゲージ"」
俺は魔力の外殻を作り地面への衝突エネルギーを減らし、すぐにティナの元へ走った。
「ティナ!怪我はない、?大丈夫?骨折れてない?」
「ううん、大丈夫…どこも怪我はないよしーくん」
「はぁー。魔力使うより寿命が縮んだ。ひとまず良かった怪我がなくて。もうティナは守らせておかないと心配だよ。」
「しーくん、私に何がおきたの?急に翼が生えて…」ティナは不思議そうにこっちを見る。
「黒竜にティナを守らせるようにしたわけ。翼は黒竜のものだからティナには何も起きてないよ。」
「へぇー!ドラゴンが私を守ってくれるの!感謝しなきゃ。しーくんありがとう。」彼女の無邪気な感謝に心が動かされないわけがない。そんな彼女の笑顔を守るためにこうしたのかもしれない。
「どうやってやったの?しーくん?私もやってみたい。」
「ティナはできないだろ。そもそも自分の守護魔獣がいなきゃ」
「え〜、!しーくんに守られてばかりじゃ悪いよ〜、」
「いいの、今は。でもやらないでね。例え守護魔獣がいたとしても」
ティナは不満そうだが仕方ない。そりゃ幼馴染で年も同じなのに自分が守られてばかりじゃ癪かもしれない。逆の立場ならそうだ。
でもティナに使った魔法はただ黒竜に守るように命令したわけじゃない。世の中に代償は付きものだ。
「ティナお嬢様!やっと見つけた。」
ドラゴンから落ちて着地したところはティナの家の中庭だったため、すぐにティナを探していたサナに見つかってしまった。
「サナ!?」
「お嬢様、はやく家の中に入りますよ。外で遊んでないで。勉強です」
「イヤだー、許してサナ。今しーくんと遊んでいる最中だから」
「そんなこと関係ありません。行きますよ。あ、しーくんもなんならお茶でも飲んでいかれます?ご主人様からぜひゆっくりしていってね、と伝言を預かってありますがどうなさいますか?」
「それはいいかもサナ、ティナ家に戻ろう」
ティナは本当に勉強したくないようで、
「しーくんの、裏切り者。サナとお父様に惑わされて。やっぱりさっきの感謝は取り消し!しーくんなんて知らない!」
「何言っているんですかお嬢様、戯言言わないでさっさと行きますよ。」
「うわー、ぁあぁ。しーくん!」
「せめて一緒にいてよ。」




