夜の出来事。サナと話し合い
サナの寝室に向かうとそこにはにっこり笑っているサナが待ち構えていた。今日一日中で色々なことがあって大変だったのに、この状況ではサナが気味が悪く見えた。
「どうしたサナ、そんな顔して」
「ん〜、なんでも。ある。私、頑張ったしご褒美欲しいな」
サナにしては甘い声でおねだりしてくる。さらに気味が悪い。
「…別にいいけど」今の俺に何かしてあげられることはあるのか?わからないがひとまずサナの要望にはできるだけこたえてあげられるようにするつもりだ。
「ティナは嫉妬深いからご褒美は少しだけにしないとね。ん〜ん、どうしよ…」
彼女は少しだけ考えた後、こっちを見てきた。
「やっぱいい。」
さっきまでの距離感は無くなり、いつものサナに戻っているようだった。
「肌が触れてるだけでいいから。少し横に寄りかかっていていい?」
「それぐらいなら、いつでも…」
彼は何も意識しないようにしているみたいだが、少し緊張しているのか手が震えている。
(しーくんったら、"それぐらいなら"って言っている割には緊張しちゃって!これは脈ありなのかな?まぁ、私には関係ないか…!
あの時に甘い唇がほしいなぁ〜、なんちゃって!ね。とか言えばよかったかな。地味に意識させちゃった。
「サナ、いい加減にもういいか?その…あんまり慣れてなくて…」
「??もうそんなにたったけ?」
(私が楽しみすぎてなのか、しーくんが耐えられなかったのか。すごく時間が過ぎるのが早く感じる…)
「あ、ごめん。」私はそっと彼から離れた。
サナはどこかもの足りないような様子を見せながらも、そっと、すぐに離れた。サナは昔からこんなんだったわけではない。もっと彼女は内気気味だった。でも今はどこか成長したように感じられた。
「サナ?」
「うん、?」彼は優しく私に問いかけてくる。それは昔と同じように、。私には当たり前のようにそうしてくれる。彼が彼自身を見失ったときだって私への接し方は変わらない。
「ティナを襲ったやつ。心あたりないか?サナはそういう仕事してるからもしかして知って…」
「うん、知ってるよ」
彼は立ち上がり、私の襟元を掴んでくる。いつもは見せない彼の姿。かなりの衝動が彼自身を動かしている。そう私は感じた。
「サナ、そいつは誰だ?教えてくれ。」
私は彼のあまりの勢いにしりもちをついた。私はすぐさま彼をなだめることにした。彼がそう思ってしまうことは私にはわからないわけじゃない。
「落ち着いて。そんなに言い寄られても」
「すまん、つい…」
シューベルはすぐにサナの身体から手を離した。
(ほんと、しーくんはティナのこと大切に思っている。よね…。私もだけど)
「わかった。すぐに言わなかった私も悪いし」
一度、深呼吸して私自身をも落ち着かせる。
サナは真剣な眼差しになって話を始めた。
「今回、ティナを襲ったのは政府の上層部の奴ら。」
「なぜティナを?」すぐさまサナに求めた。俺自身はティナをも葬りさる命令はあの時にはでていない。父の方だけしかターゲットじゃなかった。けれども、あの時口封じのためにティナを…。
そもそも俺には何も詳しいことなんて伝えられない。機械的に仕事をこなしてきただけだった。
「さぁ?でもあいつらが信仰している神のためかな?あいつらは異常者だよ。ウォルクスビナ家は常に上層部、そして彼が信仰する神に反発してきた。」
「神?」シューベルには知らない未知の領域だった。
「別に気にしなくていい。上層部をさらに上から操るものだと考えてくればいい。誰も正体なんてしらないそういう存在」
「今回は過剰にティナを狙っていた。いままでティナだけを狙われたことなんてなかった」
「ウォルクスビナ家、ティナには上層部が気掛かりとする何かがある、ということ」
「そういうこと、私の方で調べてるけど上層部が何を企んでいるのかはこの私でもわからない。彼らの行動は常に奇怪だわ」
サナがくれた情報にたいしてわかった…とだけ言っておいた。
ようするにこれからもティナが狙われる、そういうことだ。それなら俺がすることは変わらない。唯一、変わらなきゃいけないのは、俺自身が強くなり、気を今まで以上に引き締めないといけないこと。
どんな状況でも、誰が敵であっても立ち向かう覚悟がたりてなかった。そんなんじゃ、また敵がティナと接触してしまう。
「サナ、ありがとう」
「覚悟はできた?」
「ああ、大丈夫。次はしくじらない。ティナには近づけさせない。」
彼、が扉を閉めたのを確認した。
「心臓、しーくんが倒す前に奪っといてよかった〜」
それにしても、ティナはいいよねしーくんに大切にされて。彼女の目はいつもよりさらに笑っていない。どこか妬んでいるように彼女自身も感じる。
昔のことをふと思い出した。
「サナぁ!今日もティナと遊んできたんだ。サナも今度は一緒に行こ?」
「いい、私は遊ばないから」
「サナそんなこと言わずに…。」
私と遊んでくれないシューベルなんて…。
なんてね、昔はそんなこともあったのかもしれない。




