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13/22

これは彼女だが、彼女ではない。

ティナの邸宅に帰宅した頃、先に帰ってきたティナが明るく迎えてくれた。ティナの誤解はもう解けているようだった。

「もう、シューベルがちゃんと言ってれば信じてたのに。」


そうしたのに何も聞いてくれなかったティナには言われたくない。

「お嬢様、先ほどはすいません。私の早とちりで勘違いしてしまいました。」

「いいの、サナは何も悪くないから」

「ほんとか〜?サナがその場で言ってればよかっただけだろ?」

「そもそもシューベルが誤解を生むようなことするのが悪いでしょう」

そう言われると何とも反論しにくい。特にティナから言われるのは。

「わかりましたよ。俺が悪かったです」


「しーくんは私のネックレスを一目見たいと思っておられたようで。でもやり方がね。強引というか…。」

そう言ってサナはネックレスを外して見せた。

「ああ、そのネックレスのこと?昔シューベルがサナにあげたやつじゃない。」

「サナが今もつけてるのか知りたかっただけで…すいません。」

「まぁでもしーくんがそれほど()()つけていて欲しいと思ってくれてるのは嬉しかったですけど」

そう言ってサナは夕食の支度の最中だったのか一言告げて戻っていった。


「ふ〜ん、」

何でかまたもやティナが不機嫌になった。

「ティナ?俺なんかまだやらかしていることあるかな?」思いつく限り思考を巡らせたが出てこない。

「私のは…」

え?

()()、シューベルにもらったネックレスは見なくていいんだ。サナのはつけてるのか確認したのに、私のはいいんだ。へぇーそうなんだ」

「ちょっと待て。サナのはたまたまその時の写真が出てきて思い出したからで、別にティナのを忘れていたわけじゃなくて」

なんだなんだ?ティナってこんなところに地雷なんてあったけ…いや、あったわ。忘れてた。

ティナは誰かと同等か、それ以上に自分のことを扱ってほしいタイプ、だった。てもそれは幼いとき。幼かったからワガママの強いのかな?って言う思ってたけど、…。

「ティナ。ティナのやつはもう確認してる。だから別にティナだけ差別しているわけじゃないぞ」

「ふ〜ん、いつ?どこで?私、知らないんだけど」

ダメだ。まだティナよ機嫌は治ってない。

でも確認したときって…あのときなんだよな………

ティナが距離を詰めてくる。物理的にも。


しかたない言うか…

「ティナが、甘えてきたときにパジャマのボタンが上までとまってなくて。それで…寝るときもつけていてくれてるから嬉しかったよティナ」


「…え」それを聞いて嬉しそうで、聞きたかった答えが聞けて満足そうな表情の反面、ティナは硬直していた。

「私がシューベルに甘えていた?夢の中では…シューベルに……ているけど。あれは夢じゃない???????」

「ティナ?大丈夫か」

「シューベル!それっていつ?」

「いつのまにかティナの横で寝てしまっていた日だけど…ティナごめん。そんなことはなかった。ティナは寝ていただけだった気がしてきたわ」

ティナには言わない方がよかったことを伝えてしまい、土壇場で修正する。まぁでも間に合うわけなかった。

「う、うわぁぁぁーーーれーーー!ーー!!ー!ー、シューベル貴方、全部忘れなさい。」

「ティナ、落ち着け!あれはあれでティナはティナだから大丈夫」

「そういうことじゃないの!!!!!私としてのプライドが許さないから」

そうなのか?プライドの割にはあっさり抱きついてきたけど…そんなこと言えるわけもないし。


ティナはずっと何かに葛藤している。

「私としたことが、魔力の使用で疲れていたとはいえ、…。

シューベル、今から魔法でその記憶吹き飛ばすから動かないでね」

ティナには白魔法が使えない。あれは天才の才能が必要だからだ。だから、つまり物理的に頭を飛ばすことを指す。

うん、これはまずい。ティナにとってよっぽど恥ずかしいことなのはわかるけど。ティナ自身少しネジが外れている。


「サナ!ヘルプ!」

「え〜、私料理中なんだけど。まぁでも楽しめそうだし…」

サナは何かを持ってきてこちらに飛んできた。

「お嬢様、こちら夕食なんですけど味見していただけますか?」

「え?ええ…」サナは半ば強引に食べさせた。そのとたんティナは弱々しく倒れ込んでしまった。

「しーくん、これでよし。」

どこが?「サナこれのどこが…」

サナに言い寄ろうとしたときに制服の裾を誰かに掴まれて引き戻される。その手はもちろんティナのものだった。

「ねぇ、シューベル、…。あやっぱり昔のみたいにしーくんって呼ぼうかな?  しーくんギューして?」ティナが子猫みたいに甘えてきた。

そして顔が赤くなっていた。目も眠そうにうつろっている。


「ティナお嬢様はアルコールに極度に耐性がない。そして料理酒のアルコールが完全に抜けていない。お嬢様は匂いだけても一発KOよ」


「しーくん、サナと話してないで私とお話し、して?」


「お嬢様のことあとは頼んだわよ。しーくん」

「おい、サナ。これはこれでティナが可哀想じゃ…」

「いいの、ティナは我慢してやりたいことできてないんだから。ほら私に構わずティナに」


「ねぇ、しーくん。私はダメ?」

ティナがさらに甘えてくる。最近はクールなティナばかり見ていたから、逆にそのギャップが、でもティナには申し訳ない。

「しーくんがかまってくれないなら…」

ティナは制服のボタンを上から外し始めた。


「ちょっと待った!!!!!」

「なら、お願いね!」

後でティナに謝っておこう…

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