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信じる事は。

《天野川》



そうだ。百夜一人だけのわけないじゃないか。だからみんな、他の場所で信者たちと戦ってくれてるんじゃないか。


「…もう一発喰らっとけ。」


卯月が椅子を振り上げ落とす。……こんな所でくたばってたまるか!


「あ、圓「陽奈あああ!!!」…。」


椅子を持ったまま卯月が後ろを振り返る。


「うごっ!」


偶然、椅子が振り返ったさきの数学の先生に当たる。


俺は数学の先生が持っていたナイフを足でリフティングの要領で後ろの轟の顔に蹴り上げる。


「うおっ!あぶっ!」


轟が俺を離し後ろに飛んだ。


その隙に、


「待て!天野!」


俺は、教室から逃げだした。















《???》


…廊下で話し声がする。


「くそっ!何処に逃げやがった!」


「先生!他の生徒教師は全員もう学校にはいないんだよな!」


「はい。私が上手いこと誘導しましたから。…ただ、全員とは、何人かは残ってるかもしれません。」


「ならもう、なりふり構わずやるしか無いな!まだ残ってたやつに見られたら口封じに殺せ!」


「「ああ!」」


そう言って男たち……轟たちは走っていった。


「……。」


俺は女子トイレに隠れていた。


……正直、きつい。友達と思ってたやつにいきなり殺しにかかられるとか。裏切りとか嫌われてるとかそんなんじゃなく。


俺にいられると困ると思われてたのがきつい。


「……そろそろ、場所を変えるか。」


トイレから出る。……こういう時はひとつの場所に留まらず、相手の思考と行動時間を頭に入れて動けばなかなか鉢合わないものだ。……学校にはもう人がいないらしいし。好き勝手に逃げるさ。……心の整理が出来るまで。










《???》


扉を開ける。


「…おや、また来たね。」


扉を閉める。


……なんでまだいる。……決まってるか。


俺が来たのはクイズ愛好会の部室。…………もう一度中に入る。


「大久先輩、…あんたも百夜の信者だったのか。」


「ふふ、残念だけど僕は違うよ。」


「信じるとでも。」


「……クイズをだそう。」


「…今はそれどころじゃ、」


「とある洞窟の道を少年はまっすぐに歩いていました。少し歩いたところで目の前に二つの分かれ道と嘘つきと正直な2人の老人に出会います。老人は言いました。左の道へ行けば必ず死ぬと。」


「……。」


「もう一人の老人は言いました。右の道の奥には魔物がいて少年は食べられてしまいます。と」


「……。」


「さて、老人に一度も質問せずに少年が絶対に生き残るにはどの道を行けばいいでしょう?」


「……無理だろ。」


いや、老人に先陣を切らせれば、


「もちろん、老人を囮に使わずにです。」


「……絶対に無理だろ。」


「…今のあなたと同じ状況なのに?」


「……は?」


「……老人を友人に切り替えてみてください。」


「……。」


……嘘つきな友人と正直な友人、……どちらかを信じれば死ぬか、


「………………ははっ!なんで大久先輩が知ってるか知らないけど確かに似てるな!……でも、俺に正直な友人は……いない。」


「……いますよ。そして、……信じて下さい。」


「……。」


「……クイズを解いて下さい。貴方ならわかります。」


「……。」


……嘘つきな老人に正直な老人、2人はなんでその道の先を知ってるんだろう?なぜ俺に教えたんだろう?左は必ず死ぬと、右は魔物がいると、一度も聞かずに?どっちの道が、……どの道が?少年は何処に向かってまっすぐに歩いて?…………嘘つきでも正直でも。もし、友人が言った言葉なら……俺は、







「……ああ。」







……信じたいよな。……もし、両方信じて、死なない方法を考えるなら。







「なるほどな。」



大久先輩はにっこり笑う。









選択肢の……道は……二つじゃないのか。……なら、












「答えは……後ろか。」


「……正解です!ほら、解けたでしょ?」


「いや、これ、クイズとしておかしいでしょ?普通、前に進んでるんだから2つの道のどちらかから選ぶべきだし。も……」


「死なない道があるんだ。選ぶべきだよ。」


「……。」


「これはどちらの老人の言葉も信じてみないと思いつきにくい問題だ。……君にピッタリだと思ってね。」


「……。」


「……騙されても裏切られても信じてみなよ。君はそこから、道を見つける事が出来る人間だ。」


「無茶だな。」


「無理じゃないだろ?」


「……はぁ。……本当だ。」


……頭、冴えてきた。


「大久先輩、ありがとうございます。」


「……それは良かった!じゃあ、第2問!」


「それじゃ!」


俺は扉を閉める。


「…………これで、良かったんですか?」


大久泉は尋ねた。


「もちろんだ。ありがとう大久。」


隠れていた女は答えた。


「いえ、当然です。私はあなたの信者ですから。」







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