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任務内容

19話の続き

話の後。

ヴェルナは一人、再び呼び出されていた。

案内されたのは、先ほどとは別の静かな部屋。

目の前には、ブレインただ一人。

「さて」

穏やかな声が響く。

「私が出す任務はシンプルだ」

その言葉とは裏腹に、空気は重い。

「ヴェイルの討伐」

短い一言。

「……だが」

ブレインは続ける。

「君が今まで相手してきたヴェイルとは、少し格が違う」

「格……?」

「今回の対象は、こちら側で5年生き延びているヴェイルだ」

「5年……」

息を呑む。

5年。

それがどれだけ異常か、今のヴェルナには分かる。

「そのヴェイルを討伐できれば、条件クリアってことですか?」

確認するように問う。

「その通りだ」

即答。

「それと、一つ訂正しよう」

ブレインは指を一本立てる。

「この任務は、君一人ではない」

「え?」

思わず声が出る。

「私が指定したブレイドの人間、二名と合流し、三人で討伐してもらう」

「……一人じゃなくていいんですか?」

本音が漏れる。

「ああ」

ブレインは静かに頷く。

「それほど重要な任務だということだ」

それだけ危険という意味。

「武器や資金などはこちらで支給しよう」

「まぁ、ヴェイルであれば武器など不要かもしれないが」

ブレインは軽く視線を流す。

「いえ、貰います」

軽く頷く。

「では話は以上だ、健闘を祈っているよ」

その言葉に、ヴェルナはまっすぐ答えた。

「はい、やりきってみせます」

部屋を出ようとした、その時。

「期待しているよ」

「ヴェルナ・アルシェイド」

強調される名前。

その一言に、わずかに背筋が伸びた。

ーーー

扉の外。

レイが壁にもたれ、腕を組んでいた。

無言。

視線だけがこちらに向く。

(……何を話せばいいの)

言葉が出てこない。少しの沈黙。

やがて

「……ありがとう」

ぽつりと、口を開く。

「なにが?」

レイは素っ気なく返す。

「私のために、ここまでしてくれたんでしょ」

ヴェルナは視線を逸らさずに言う。

「だからせめて」

一歩、前に出る。

「あなたの期待くらいには応えてみせる」

言い切る。

「必ず成功させて帰ってくる」

そのまま立ち去ろうとした瞬間。

「待て」

呼び止められる。

「なに?」

振り返る。次の瞬間。

何かが投げられる。反射的に受け取る。

「……これ」

手のひらの中。小さな御守り。

一瞬、目を見開く。

レイはそっぽを向いたまま。

「……頑張れよ」

それだけ言う。ぶっきらぼうな声。

でも確かに込められたものがあった。

「……うん」

ヴェルナは御守りを握りしめる。小さく頷いた。

ブレインに言われた通り、下の階へ向かう。

20階――武器庫。

重厚な扉の前で立ち止まる。

中に入ると、すぐに声がかかった。

「お待ちしておりました」

一人の男が歩み寄る。

「私は武器管理局代表のフォルと申します」

丁寧な口調。どこか事務的な雰囲気。

「こちらへ」

案内されるまま進む。

そこに広がっていたのは圧倒的な武器の数。

壁一面、棚一面に並ぶ武装。

剣、銃、槍、見たこともない機構のものまで。

「……すごい」

思わず呟く。

一つ一つが、ただの武器ではないと分かる。

しばらく見て回った後。

「気に入ったものはありましたか?」

フォルが尋ねる。ヴェルナは、静かに手に取る。

ナイフ。そして、拳銃。

それだけだった。

「……それでよろしいんですか?」

少し意外そうな声。

「私はヴェイルだし、これで十分」

短く答える。

そして

「それになにより……」

一瞬、言葉を止める。

「……なんでもないわ」

そう言って、武器を持ち直す。

その後。

戦闘服や資金、必要な装備一式を受け取る。

準備は整った。

「またお会いできるのを楽しみにしております」

フォルが軽く頭を下げ、お見送りをしてくれる。

「ええ、ありがとう」

ヴェルナも小さく返す。

あとは任務を成功させるだけ。

御守りを、そっと握る。

(ここから……)

胸の奥で何かが変わり始めていた。

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