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46 魔物がたくさんいるようです

ようやくヤヨイの無事が確認できたのかと思ったらヤヨイは早速やらかしていた。


モンスターの街に住んでいるおばあさん魔女の孫と一緒に「おばば」と言われるモンスターに会いに行っているらしい。


「あーぁ、街に着いたばっかりなのにまた街の外かぁ」


ノリスはちょっとすねている、本当ならもっとモンスターの街をもっと堪能したかったよな。俺だってあそこにもっといたかった。


「ヤヨイを見つけたら改めて街にお邪魔しよう、ヤマトもいい奴そうだったし」


「はーい……」


やっぱりどこか不満そうだ……

そういえば、チキンベアは逆に元気そうだ、街では全然気付かないくらい目立たなかったのに。


「シュトロイドホリーク=バロンはさっきの街が怖くて縮こまってたみたい、強そうなモンスターがいっぱいいたもんね」


「そうだよな、そりゃびっくりするよな、あれだけのモンスター達と普通に遭遇したら俺らだって全滅だ」


だからこそすごいところだった。

もっといろんなモンスターと話してみたかったなぁ。

ヤマトも悪いやつじゃなさそうだった。


ただ、結局ヤマトとヤヨイの関係とか城を攻めたことについては何も聴けなかったな……



「ヤマトおにぃちゃんはヤヨイおねぇちゃんを見つけられたのかな」


「ね、ヤマトおにぃちゃん、すごくヤヨイおねぇちゃんのこと心配してたね」


「もしかしてあの2人……ふふふ……」


「えっ、ヤヨイおねぇちゃんはロジカおにぃちゃんのことが好きなんじゃないの?」


「2人が取り合うところが見たくなくて、ヤヨイおねぇちゃんは出ていっちゃったんだよ」



フランとセリルがなんか言ってる、2人とも楽しそうだな……

聞こえないふりして進んでいこう……



森の奥深くはさらに薄暗く、静かで不気味な雰囲気が強くなっていた。


「ロジカ、モンスターが私達のこと見てない?」


ノリスが何処かかの視線を感じたみたいだ、そういえばなんだか、嫌なざわつきを感じるような……


予感が的中した。


暗い森の茂みの中からゴブリンが襲ってきた。


狙いは俺か、ゴブリンは俺に向かって持っているナイフで攻撃してきた。


最底辺のFクラスモンスターの攻撃だ、これくらいなら交わすのも訳ない。


俺への攻撃が当たらずゴブリンは体制を崩してよろけている。


持っていたナイフを奪い取って、遠くへ放り投げると、ゴブリンは逃げていった。



嫌な森だ、森の中にある街のモンスターはみんな穏やかなのに、ここの森のモンスターは気性が荒いな……


しかも、バンパイヤゴーストからゴブリンまでクラスの差もバラバラだ。


「こんな近くの森でこんなに危ないところがあるなんて聞いたことないよ……」


モンスターに震えるチキンベアを抱きかかえ撫でながらノリスは周りを警戒する。


この様子だと、ヤヨイに会うまでにまだ戦闘は避けられなそうだ。 まずヤヨイは武器も持ってないだろうし、無事なのか……?



ノリスがまた、あたりを気にしだした。


「また何か来てない?」


また?


どれだけこの森にはモンスターがいるんだ……



遠くからドスドスと歩いてくる音が聞こえる。


木々を踏み倒すような音もしている、一直線にこっちに向かってきてる?



向かってくるモンスターの姿が見えてきた。



モンスターの姿を見てノリスが唖然とした。


「ウソでしょ……アイアンゴーレム?」


「あんなのまで!? みんな気をつけろ!」


Bクラスのモンスターだぞ、街の隣の森にいるようなモンスターじゃない……


こいつは身体が鋼鉄で固められた、凶暴なモンスターだぞ。


絶対におかしい……


まずなんでそんなモンスターか遠くから向かってくるんだ。

まさか俺達が狙われてる……?



「ここは任せて!」


フランが、魔法陣を浮かび上がらせた。


「ヤヨイおねぇちゃんに会うのを邪魔するモンスターはお仕置きなんだから!」


これまでのフランが出していた魔法陣よりもさらに大きく、はっきりとした魔法陣が現れた、これが、上位魔法の契約を済ませた魔法の力か……


アイアンゴーレムがジャンプして、俺達に飛びかかってきた。


「ソル! お願い、あいつを倒して!」


魔法陣が一気に輝きだした。


すごい光で見てられない、一気にあたりがものすごい輝きで照らされた。



この強さ、ライトニングの比じゃない……


光が収まってくると、アイアンゴーレムのいた場所だけが、焼け焦げ、地面の底が見えないほどえぐれている。



すごい、威力だ、Bクラスのモンスターでも一撃か……

いや、違う!


えぐれるほど深くえぐれた地面の中をよじ登り、アイアンゴーレムは戻ってきた。


身体が溶けていて、ダメージがないわけではなさそうだが、致命傷にはなっていなかったようだ。


「私の一番の攻撃魔法が効かない……」


ショックを隠しきれないフランの前にセラルが立ち向かった。


「フラン、私に任せて!」


今度はセリルが祈りだした。


アイアンゴーレムの足元に魔法陣が浮かび上がる。


「行くよ、エクスプロード!」


魔法陣から空に向けて火柱が上がっていった。


「オォォォォォォォォォ!」


火柱に飲み込まれたアイアンゴーレムが叫び声をあげる。


「火柱が空まで届いてる……」


あまりのすごさに言葉を失い火柱を眺めていた。



炎が収まる頃にはアイアンゴーレムはドロドロに溶けて倒れていた。

さすが攻撃魔法担当のセリルだ、尋常じゃない威力だった。


「これが、上位魔法か……」


「他にも色々使える魔法があるんだよ!」


セリルはにっこり微笑んだ。


「いいなぁ、セリルはかっこいいのがいっぱい使えて……」


「フランもすごい魔法おぼえたじゃん!」


「でも、私の魔法は地味だから……やっぱり攻撃魔法の方がかっこよくてズルい!」


「2人ともすごかったよ、今回はセリルがちょっと相手と相性が良かったのかな」


落ち込んでるフランをノリスがやさしくフォローした。


「さ、また別のモンスターが襲ってくるかもしれない、先を目指そう」


かなり強いモンスターが俺達を狙ってきてる……

早くヤヨイを見つけてここを出よう。



俺達が先を進もうとした時だった。


「危ない! 後ろだ!」


俺らに向けて声がした。


後ろ?


振り返ると、溶けているアイアンゴーレムが襲いかかってきていた。


まだ、倒しきってなかったのか……


アイアンゴーレムが俺達をなぎ払おうと腕を振り回してきた。


ここは俺がみんなを守る!


攻撃からみんなを守ろうと前に出た時、アイアンゴーレムの身体が縦に割れ崩れ去った。


斬撃?


崩れ去ったアイアンゴーレムは温度を失い石のよう固まり、動かなくなった。


「あなた達も来てたのか、無茶をして……」


声の主はヤマトだった。

刀を持っている、あれは確か大剣士練劇会の優勝賞品だった名刀オロチ。


もともとヤマトの持ち物だった刀だ。

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