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43 地図の示す場所へ向かいます

森の奥に向けて捜索がスタートした。


キエルの描いてくれた地図は丁寧に描かれているが、森の中で目的物がほとんどない。

というか、街が見えない所まで来るとどこを歩いているのかさえわからなくなるくらい高くそびえる木々に遮られ、日の光も僅かしか入らないくらい森は薄暗く歩き辛い所だ。


まずいな……もう迷ってるぞ、何度も同じところを通ってきてるような気がする……


目的になるものを探そうと思っても、木しかない……


これは、弱った……



「任せてロジカ、ここは私がなんとかするから」


俺の心を読んでるかのようにノリスが先に進んだ。


「いくよシュトロイドホリーク=バロン! ヤマトを見つけ出して!」


「ガウ!」


気合の入った掛け声に乗ってチキンベアが匂いを嗅ぎながら進み出した。


そうか! 動物なら匂いで嗅ぎ分けて進んでいけるのか!

地図なんて必要ない、このシュトロ……なんちゃらバロンがいればヤマトが見つけられる!


いきなり、なんとかバロンの動きが止まった、まさかもう見つけたのか!?


「ガゥゥ…………ゥ」


力無い声で鳴いてる……


「はっ、そうか!」


「どうした、ノリス?」


「シュトロイドホリーク=バロンは……むしろ私もヤマトに会ったことも見たことも無かったわ……」


思わずズッコケてしまった。


なんて無駄な時間だったんだ……


「キャハハハ! ノリス おねぇちゃんおもしろーい!」


セリルが楽しそうに笑い出した。

今のが楽しかったのか……


人の趣味って沢山あるな……



感心してる場合じゃない。


ますます道に迷ったぞ……


「フラン、キエルから他には聞いてることはないか?」


「地図しか貰ってないの……」


ダメか、このままじゃ目的地までたどり着けないぞ……


「ねぇねぇその地図ぼんやり光ってない?」


地図が光ってる? 俺には何も見えないけど……

セリルには何が感じるものがあるらしい。


「やっぱり? そうだよね、この森に入ってから少し魔力を帯びてるような感じがしたの」


フランも同じように感じてる、魔力がある2人だから分かることなのかもな。


「ちょっとその地図借りていい?」


「ああ、もちろん」


セリルに地図を手渡したところで、地図からの光が俺にも見えるようになった。


「うわっ、光が強くなった」


「セリルの魔力に反応したのかな」


光を帯びた地図はセリルの手を離れ浮かび上がり、移動しはじめた。


「これって、もしかして目的地までの場所を教えてくれてるのかな」


「多分な、キエルってずいぶん協力的なんだな」


これが罠でない限り目的地に行くはず……



地図はゆっくりと進んでいくが、暗く、足元も舗装されてない道ではついて行くのに丁度いい速度だった。


キエルはそこまで計算してこの仕掛けを仕込んだのか……?



ただ、森の奥に進めば進むほど、森はより暗く、不気味になっていく。


「モンスターでも出てきそうな雰囲気ね」


「ガウ」


ノリスとチキンベアは手を繋ぎながら歩いていた。


「落ちてる枯れ木は鋭く尖ってる物とかもあるから、あんよをケガしないように気をつけてね」


「ガウッ!」


散歩してるみたいだな……


強いモンスターでも出てきてもおかしくなさそうな雰囲気のある場所だけど、ノリスとチキンベアには全然そんなことを感じさせないほのぼのとした空気が流れてた。


「ねぇ、ロジカおにいちゃん」


「ああ……」


案の定モンスターを見つけた。


木の高い部分にコウモリのように逆さになりぶら下がっている人間くらいの大きさのモンスターだ。


確か、バンパイヤゴーストって名前のCクラスのモンスターだったはず。


今のところ上から見られてるだけで、攻撃を仕掛けてくるような気配はない。


「私から攻撃しちゃおうか?」


セリルが魔法陣を出そうと準備を始めてる。


「いや、相手が攻めてきてからでいい……」


ここに元々住んでて偶然会ってしまっただけかもしれない、無闇に殺傷したくはない。

しかもセリルの強くなった魔法でこんな森の中で火でもつけたらこの森が下手したら全焼してしまうかもしれないし……



ノリスとチキンベアはバンパイヤゴーストに気付かず、俺達も伝える事も出来ないまま、スタスタと進んで行ってしまっている。


あっ、チキンベアがつまずいた。


「大丈夫!? シュトロイドホ……」


「ロジカおにいちゃん、モンスターが消えた!」


つまずいたチキンベアに目を奪われた一瞬にバンパイヤゴーストの姿が消えた。


逃げたか? それとも……


「えっ、な、何? 何か起きてるの?」


ノリスが事態が理解できず慌てだした。


「モンスターに狙われてるかもしれないぞ! 気をつけろ!」




「モンスター?」


ノリスがそう呟いた時、背後からバンパイヤゴーストが現れた。


「若い女の血だ……久しぶりだ……」


ノリスが狙いだったのか……


こんな一瞬じゃ、魔法は難しいか……



「ガウゥゥゥゥ!」


ノリスを守ろうとチキンベアがキバを剥き出してバンパイヤゴーストに向かっていった。


そうだ、アイツがいた。


もしかしたら俺のテイムした影響で強くなっているかもしれないし、元々、ノリスが鍛えてるかも……


「ギャァンッ!」


チキンベアはバンパイヤゴーストに振り払われるように手で弾かれた。


「きゃぁぁ! シュトロイドホリーク=バローーン!」


チキンベアはその場で目を回して気を失った。


全然強くない……

ノリス、可愛がってるだけで鍛えてなかったな……




「この子グマは君のペットか? ククク、これからは君が俺のペットになるんだ」


バンパイヤゴーストがノリスの肩を掴み口を開いた。


「ノリス! 逃げろ!」


「間に合って!」


セリルも急いで魔法を使おうとしてるが、急すぎてまだ魔法陣も現れてない。



バンパイヤゴーストがノリスの首元に噛み付こうとしたときだった。


ノリスがバンパイヤゴーストを力付くで押し返した。


Cクラスのモンスターを自力で押しのけた?

ノリスはかなりか弱い女の子だったはずなのに……?


「うちのシュトロイドホリ…………うちの子に」


ついに自分でも名前言うのめんどくさくなった……


「よくもやってくれたわね!」



パンチ。


だったと思う……




聞いたことのないようなドスンと重い音がしたと思ったら、バンパイヤゴーストは遥か彼方に消え去っていた。



俺もセリルもフランもあまりの衝撃に固まっていた。



等のノリス本人ですら驚いていた。


「今の……私がやったの?」


右腕を突き出したままの状態でノリスは自分の力に驚いていた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 等のノリス本人ですら驚いていた。 当のほんにんですらではないんかな? [一言] 女の子限定でティム?羨ましい
[一言] ロジカにテイムされると強くなる。 ロジカにテイムされた者がテイムした者は・・・ 強くならないんですね。
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