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五条【真式・橙】炸裂‼オークキング、マングロ死す

 喧騒の鳴りやむことがない直径500mほどの大きさの憧れ続けた円に俺は立っていた。コロシアムにて俺たちは今チーム赤桐の木と向かい合っている。


 「お前ほとんど装備無しで老人と少女と最弱UR二人って舐めてんのか?それともスライムすらお前らクソ雑魚外道じゃ狩れなかったか?」

 紅桜は挑発的に言った。

 「ただのスライムは狩れなかったけど、銀色の奴ならだいぶ狩ってきたよ。」

 その発言に対し紅桜はただ首をかしげていた。そして何事もなかったかのように彼は青い空を見つめる。

 


 「レディース&ジェントルメン!碧海晴天のこの青空の下戦いの焔をともし勝利をつかみ取るのは烈火の鬼神紅桜率いるチーム赤桐の木か、それともUR最弱コンビと名高い暗黒の魔道チーム新闇スタンか、今ここに戦いの火ぶたが切って落とされます。」

 原作ではおなじみのジャッジマンの実況で会場はどっと盛り上がる。それにしても二つ名がUR最弱コンビってひどいな。後チーム名に関しては先ほど変えておいた。チームケヴィンというのは少しダサいから、、、


 俺たちと赤桐の木はその実況を聞きながらゆったりと初期位置に着く。俺たちの前衛は悟りと俺、後衛はローウェンとウメコ。赤桐の木は前衛が紅桜とオークキング、後衛がアカシアとマングロ。


 観衆の声が試合の始まりを告げる「カン」というお馴染みの鐘の音とともに鳴りやむ。


 「それでは3,2,1レディーファイ‼」


 【チーム赤桐の木とのコロシアム戦闘が開始されました。此れより両者バトルフェーズに移ります。】

 機械音声がまた脳内に流れる。


 【ラウンド1が始まりました。】


 その瞬間、最初に動いたのは赤色の坊主頭の女性。マングロだった。彼女は素早い動作で紅桜とスイッチしながら俺のほうに近づくと、いきなりマジックを使う。


 まあ正直言ってこの展開は予想していた。紅桜とマングロの組み合わせを聞いた瞬間、原作勢ならば真っ先に思いつく。最低で最悪のコンボ。


 「マジック発動【自爆】」

 俺の目の前に来た彼女は小さな声でそうつぶやく。するとゆったりと彼女の体が赤く光る。ペナルティ×自爆。これが紅桜スタンを使うプレイヤーが人の心が無いと言われる所以だ。


 「ローウェン!」

 俺は大きな声で叫ぶ。

 「ほいきた!マジック【転移】」

 ローウェンが指をパチンと鳴らしたその瞬間、俺と紅桜の位置が入れ替わる。悟りは自爆の事を聞いたら怖気づいてしまうと思った、俺はローウェンにだけマングロの自爆の情報を共有しておいた。


 自爆は非常に強力な威力を持つ反面いくつかのデメリットがある。一つは自分が死んでしまう事、これは当たり前。もう一つは発動までに若干のタイムラグがある事。相手は自爆するのを見てから逃げたり対象に攻撃したりなどのアクションをとれる。そして一番の弱点、それは味方にもダメージが入るという事。そして一度発動した自爆は止められない。


 「その戦法は読んでいたぞ、紅桜!」

 「ッチ!」

 紅桜は容赦なくマングロを蹴り飛ばし、距離をとる。しかしマングロは無残にも光り輝き、けたたましい音を立てて爆発する。その爆風によって、紅桜は吹き飛ぶ。マングロは光の粒となって消えていった。まるでゲームみたいに、、、


 俺と悟りはその期を逃さず、紅桜の首を狙いに行く。今の戦法から見てやはりリーダーは紅桜で間違いない。悟りは思ったより動揺していない。


 「お前ら勘違いしてねえか?マングロの自爆の目的は自爆することじゃねえ。俺達のペナルティを解放するためだ。」


 目の前に居る煤まみれの紅桜は俺たちに吠えるように言った。ちなみに自殺をしてもペナルティは入らないがマジックによって【自爆】をして死んだ場合はペナルティが入る。彼が言いたいことはそのような事だろう。


 彼はトレンチコートの中から、二丁拳銃を取り出す。あれは彼専用の武器である、デュアルペナルティだ。ペナルティになればなるほど出力が上がる。彼らしい分かりやすい武具。


 その銃口から赤い閃光がこちらに向かって伸びる。その銃弾を間一髪悟りと俺はかわす。しかし紅桜には少し距離をとられた。その間を埋めるように、獣魔王オークキングの巨躯が入りこみ俺たちと紅桜を分断する。


 やはり、最初は赤桐の木唯一のURであるオークキングをエースとして戦ってくるか、、、

 「ステータスオープン」

 オークキングは低い声で少し微笑みながら言った。


 そこに現れたのは、、、

 レベル69 属・火

 HP100004

 攻撃20004

 回復560

 運3002


 リリース後期キャラ特有の圧倒的ステータスインフレの暴力。レベル69にしてHP大台である六桁を超えている。赤桐の木の一番の強みは個人的には紅桜ではなく彼だと思っている。後半は紅桜が居るから序盤に責めたいのにステータスの化け物オークキングがいるせいで迂闊には責められない。この矛盾が赤桐の木攻略のジレンマだ。


 「面白い。」

 だがそんな事は自慢をするようにステータス画面を見せられなくたって俺は知っている。

 「悟り!」

 「はい」

 ここからはプランBだ。

 

 「マジック【闇夜】対象オークキング」

 本来マジック闇夜は対象を暗闇状態にするだけのものだが、今回実はリーダーマジックは悟りではなくケヴィンが使っている。ケヴィンのリーダーマジック 【闇の支配者】は闇属性のステータスを上げるとともに、暗闇状態を暗黒状態に変える。


 暗黒状態は元々の暗闇状態による視界の制限に加えて闇属性の攻撃を受けるとその攻撃の被クリティカル率が10倍になるという物だ。そして五条悟りは闇属性だ。つまり今オークキングは暗黒状態にあり非常にクリティカルを食らう確率が高い。


 【インターバルまであと10秒となりました。】 


 悟りはゆったり吐息を吸い込む、

 「マジック【真式・橙】」

 オークキングの目の前に立つ悟りの右腕が橙色に光り輝く。原作の儒教開戦でそれは運気の集約と言われていた。

 

 オークキングは鈍重な動きで装備しているハンマーを使い悟りを砕こうとする。しかしそれより早く悟りの橙色の拳がオークキングに炸裂する。丸く白い光が拳が炸裂した瞬間に煌めく。


 「〇閃」


 閃光がゆったりと消える。その一撃を食らったオークキングの腹には大きな風穴ができている。オークキングの巨躯がそよ風によって傾き、「ドシン」という大きな音を会場に響き渡らせながら倒れる。そして光のかけらのようになってその場から雲散霧消と消えていく。


 「気持ちがいいな。意外と、、、」

 血を滴らせる悟りは少し笑顔で言った。彼女は今少しハイになっているのかもしれない。


 遅れて会場からは歓声が鳴り響く。驚愕だ。最弱だと思われていた少女が、あの獣魔王を一発で屠ったのだ。当然だろう。

 「まぐれの〇閃で調子乗ってんじゃねえぞカスども、、、いや待てよ、流石の〇閃と言えどあの雑魚の〇閃でオークキングを一発で殺せるか?」

 オークキングの後ろからこの戦いを見据えていた、紅桜はゆったりと言った。


 「悟り、、」

 俺は軽く言った。

 「ステータスオープン」


 レベル115 属・闇

 HP 9970

 攻撃 20560

 回復 2220

 運 157460


 攻撃数値2万×闇の支配者の倍率1.5倍で3万。それを百分の一にしたものが原作では攻撃実数地となり、それにπ乗した数値が悟りの火力指数だ。つまり悟りの〇閃の火力指数は約60000000。何度見てもこの数値はインフレしすぎだ。味方ながら恐怖を覚える。これは紅桜のレベル80程における、最終ペナルティ時の最高火力に匹敵する。つまり悟りは最弱ではなく最強になった。目には目を歯には歯をインフレにはインフレをだ。

 

 「レベル115ってどういう事だ?それに運150000ってバグか?まさか銀色の奴って?」

 紅桜は顎を外しそうな勢いで言った。


 ああ、バグレベルだ。元々悟りは運が高いとはいえ、この数値はまずありえない。しかし狩ると運の数値が上がりやすくなるメタルスライム狩りを続けレベルを高速で上げた悟りはこのような歪でバグのような数値を実現させてしまったのだ。というか、、、


 「その通り、バグだよ」

 俺はゆったりと言った。バグも使ったわそういえば、、、


 【ラウンド1終了。これよりインターバルを開始します。】

 そんな会話をしていると、機械音声が流れ俺たちは白色の光に包まれた。その光が明けると、俺たちは白い控室にいた。インターバルはここで過ごすらしい。


 




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