表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『銀河遺産の管理人(システム・アドミ) 〜拾った宇宙船AIのオーバーテクノロジーで、枯れ果てた日本を世界最強の技術国家へ作り替える〜』  作者: seri


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/48

第9話:銀河の門(ゲート)、開戦の狼煙(後編)

ヤマトの広大な独房エリア。そこは拘置所というよりは、エリスの重力制御によって「物理法則すら和也が支配する」特殊空間となっていた。

 膝をつく帝国の司令官——ゼノスの前に、和也は静かに立った。


「……信じられん。辺境の猿どもが、これほどの『始祖』の遺物アーティファクトを使いこなすなど。貴様ら、自分たちが何に触れたか分かっているのか?」


「『触れた』んじゃない。俺が『作り直した』んだよ」


和也がスマホを操作すると、ゼノスの目の前に帝国の軍事ネットワークが丸裸にされた状態で投影された。アリスがその横で、香水の香りと共に冷徹な笑みを浮かべる。


「ねえ、司令官閣下。貴方の母国では、失敗した指揮官にはどんな『ご褒美』が待っているのかしら? このまま地球の捕虜として、美味しい和食でも食べて余生を過ごす方が、幸せだと思わない?」


「くっ……殺せ! 帝国の栄光は揺るがない!」


「栄光、ね。……エリス、見せてやれ。こいつらが守ろうとしているものの正体を」


『了解です、マスター。……帝国の基幹サーバー、深層領域より抽出。……司令官、貴方が忠誠を誓う「皇帝」は、既に生身の人間ではありませんよ』


投影されたのは、機械の巨大な繭の中に閉じ込められ、銀河中の生命エネルギーを吸い上げて延命する「皇帝」の異形な姿だった。ゼノスの顔が絶望に染まる。


「そんな……。我々は、この怪物を守るために……」


その時、ヤマトの全ブリッジに緊急のアラートが鳴り響いた。


緊急通信プライオリティ・ゼロ! 発信源は銀河中心部、反帝国組織「リベレイター」! ……マスター、映像を繋ぎます!』


メインスクリーンに映し出されたのは、燃え盛る戦艦のブリッジ。そこに立つ、ボロボロになりながらも気高い光を瞳に宿した、白銀の髪を持つ少女だった。


『――聞こえるか、未知の星の開拓者よ。私は反乱軍の指導者、セレス。……帝国が「禁断の兵器」を起動させた。このままでは数千の星系が消滅する。……エリス……私たちが放流したAIを受け継いだ者がそこにいるのなら……どうか、銀河の「明日」を救ってほしい!』


「エリス、あいつ……今、お前の名前を呼んだか?」


『……。マスター、私の元々の開発者は、彼女の一族です。彼女こそが、私が地球に落ちる前に最後に守りたかった人……。私の「本当のマスター」の娘です』


エリスの声が、人間のように震えていた。

 和也は、横で控えていた凪、結衣、怜奈、そしてアリスの顔を順番に見つめた。彼女たちは、迷いのない瞳で頷いた。


「よし。……全艦、位相跳躍フェイズ・ジャンプスタンバイ。ターゲットは銀河中心部、帝都星ケルヌンノス」


「和也さん、本気なのね? 日本の、地球の守護者から、銀河の救世主になるつもり?」


怜奈の問いに、和也は不敵に笑い、ヤマトの艦長席に深く腰掛けた。


「エンジニアの仕事は、バグ(帝国)を見つけたら、根こそぎ削除デリートすることだ。……行くぞ、エリス。俺たちが銀河のルールを書き換えてやる」


了解イエス、マイ・マスター! ……始祖エンジン、全開! 空間のカーテンを開きます!』


ヤマトが黄金の光に包まれ、木星の宙域から一瞬で消失した。

 残されたのは、帝国の支配が終わる予感と、新たな神話の幕開けだけだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ