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『銀河遺産の管理人(システム・アドミ) 〜拾った宇宙船AIのオーバーテクノロジーで、枯れ果てた日本を世界最強の技術国家へ作り替える〜』  作者: seri


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第5話:超技術国家の誕生(中編)

和也が提示した「国家改造計画」は、当然ながら凄まじい反発を招いた。

 特に、これまでのエネルギー利権で私腹を肥やしてきた重鎮たちや、和也の台頭を快く思わない大物政治家、そして彼らに癒着した一部のメディアが、一斉に「如月重工による独裁」を糾弾し始めたのだ。


「佐藤和也は、未知の兵器で政府を脅迫しているテロリストだ!」

「エネルギー無料化は経済を破壊する罠だ。我々の生活を守れ!」


如月重工本社ビルの前には、動員された反対派のデモ隊と、一部の過激な団体が押し寄せ、騒然としていた。


「……会長、不愉快なノイズが増えています。排除しますか?」


東條凪が窓の外の群衆を見下ろし、淡々と尋ねる。彼女の手には、すでにエリスが設計した「非殺傷型・精神鎮静装置ピースメーカー」が握られていた。


「いや、力でねじ伏せるのは能がない。……彼らには、言葉じゃなく『現実』を見せてやろう。エリス、例のものの準備は?」


『完了しています、マスター。……ですが、今のこのビルでは少々手狭ですね。そろそろ、我々に相応しい「拠点」を物理的に構築してはいかがでしょう?』


「ああ、いいタイミングだ。……怜奈、結衣。ちょっと外の空気を吸いに行くぞ」


和也はヒロインたちを引き連れ、ビルの屋上にあるヘリポートへと向かった。

 地上からは「独裁者を逃がすな!」という罵声が響いてくる。アリスが肩をすくめて笑った。


「あら、ずいぶん嫌われたものね。世界を救う救世主様が、これじゃ形無しじゃない?」


「救世主になるつもりはない。……ただ、これからの日本を引っ張るなら、地面の上は窮屈すぎるからな」


和也がスマホの画面を強くフリックした。

 瞬間、ビルの周囲に激しい「空間の歪み」が生じた。


――ズズズ、と大地が鳴動する。

 デモ隊が悲鳴を上げて逃げ惑う中、如月重工本社ビルを囲む広大な敷地そのものが、音もなく「浮上」を開始したのだ。


「え、ちょっと……!? 浮いてる!? ビルが浮いてるんだけど!」


結衣が手すりにしがみつきながら叫ぶ。

 エリスの重力制御技術により、数百万トンの構造物が重力から解き放たれ、高度千メートルまで一気に上昇していく。地上に残された反対派たちは、口をあんぐりと開けて、空に浮かぶ「要塞」を見上げるしかなかった。


「……これが、俺たちの新しい拠点。空中庭園都市『アーク・ニッポン』の心臓部だ」


和也が宣言すると同時に、浮遊するビルの周囲に、エリスが蓄積していたナノマシンが霧のように展開された。

 光を反射し、虹色に輝くナノマシンの雲が、またたく間にビルの外装を再構成していく。

 古臭いオフィスビルは、クリスタルのように透き通る装甲と、緑豊かな空中庭園を備えた、未来の宮殿へと姿を変えた。


「……信じられない。こんなこと、現代の物理学じゃ説明がつかないわ」


怜奈が呆然と呟く。

 高度三千メートル。雲海の上に、誰にも邪魔されない「聖域」が誕生した。


『マスター。ここなら、地上の低俗なノイズは届きません。……さて、せっかくの引っ越しです。今夜はヒロインの皆様と、少し贅沢な夕食会でもいかがですか? 私が銀河標準の最高級レシピを再現しましょう』


「いいな。……みんな、今日は休もう。これから、日本中、いや世界中を忙しくさせることになるからな」


和也の言葉に、凪は静かに一礼し、結衣は「ご馳走!」とはしゃぎ、アリスは「最高級のワインはあるかしら?」と目を輝かせた。

 一方、怜奈は和也の隣に歩み寄り、そっとその袖を掴んだ。


「……和也さん。貴方がどこまで行くつもりでも、私は最後まで付き合うわ。……でも、たまには普通の女の子として、エスコートしてよね?」


頬を赤らめる財閥令嬢。

 空に浮かぶ要塞で、和也と5人のヒロイン(AI含む)による、束の間の休息が始まろうとしていた。

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― 新着の感想 ―
如月重工本社ビルだ ラピュタは 本当に あっ たん だ 父さんは 嘘つき じゃ なかった(オメメグルグル)
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