教練6
~数日後~
「よし、全員集まっているな」
今日は小隊演習の作戦会議である。
心なしか皆緊張した面持ちだ。
「ではこれより作戦会議を始める。ハルトマン前へ」
「は、はい!」
いきなり名前を呼ばれたヘルマンが慌てて席を立ち教卓へと向かう。
「俺は教官室に戻る。ハルトマン今からお前が会議を進めろ。」
「えっ!?い、いやしかし教官が進められたほうが」
「ほぅ...上官の命令が聞けないと言うのだな?」
ギロッとハルトマンを睨み付ける。
(演習に教官達は参加しないからな。生徒のみで作戦を立案しろということか)
「わかりました、やらせていただきます。」
「うむ、期待のしている」
そう言い残してベリオン教官は教室を出ていった。
ヘルマンは教官が席を外してもまだ緊張がほぐれないのか、緊張で顔が強ばっている。
「ではこれより【小隊演習】についての第一回作戦会議を始めます。」
「もう教官はいないんだから敬語はいいだろ。いつも通りで良いぜ」
とイザークが男前にフォロー。
「それもそうだな。」
ふぅと息を吐くと緊張が解けたのかいつもの表情に戻っていた。
「じゃあまず最初に【小隊演習】の概要を確認しようか」
そういうとヘルマンは【小隊演習】の規定を読み上げ始めた。
「【小隊演習】で使用できる武器は小銃、機関銃、ライフル、拳銃、迫撃砲など歩兵が携行できる武器のみとする。弾薬は全てショック弾を使用し出場者全員は身体に特殊装具を装備して演習に参加すること。」
するとアレンが手を挙げ質問した。
「特殊装具って何だ?」
「ショック弾に反応する器具のことだよ。例えば腕にショック弾が命中すれば腕に付けている特殊装具が反応して腕の神経をマヒさせたりするんだ。」
「おいおいだったら頭や胸に当たったらどうなるんだよ。」
デューンが何やら心配そうだ。
「さすがに心配停止にはならないよ。急所に命中したら演習終了まで昏睡状態になるらしいよ。因みに身体だったら手足がマヒして数分後に出血多量により死亡と判断される。」
「あぁ成程...」
「ふん、貴族のお坊っちゃまはビビりよね~?」
と、ヒルダがムダに茶化す。
「なんだとぉ!」
「まぁ落ち着けって、ヘルマン続きを頼む。」
イザークが何とかその場を収めヘルマンを促す。
「回復薬の携行は一人につき一つ、但し衛生兵に割り当てられた者は五つまで携行可能とする。」
「ということは衛生兵がやられるとかなり不利になるな。一人一つの回復薬だといざ戦闘になったら回復が追い付かなくなる。」
アンディが冷静に分析する。
「じゃあやられちゃった衛生兵から回復薬を取れば良いんじゃないかな?後、相手チームのとか。」珍しくルクスが発言した。実戦ならそうなのだろうが...
「いや、今回は武器弾薬・補給物資の強奪は禁止されている。だから補充はムリだね。」
「でも実際の戦闘じゃあるだろ」
「それはそうだけどもし強奪を許可すると山の中で身ぐるみ剥がされて...」
一同
「ま、まぁ確かにマズイな」
規定を読み終わったヘルマンは皆に作戦をどうするか意見を求めた
「これで【小隊演習】の規定は終わり。次は作戦になんだけどどう戦う?俺は山岳戦の定石通り高所に拠点を造って陣地線に持ち込むべきだと思うんだけど。」
「おいおいヘルマン、陣地戦なんて古臭いこと言ってないで機動戦にすべきだろ。」
「何言ってるの機動戦は平野での戦いの話でしょ!」
「そうだ、ここはゲリラ戦でいくべきだ。」
「いや、ここはヘルマンの言うとおり陣地に拠って戦うべきだ。」
皆が自分の意見を通すために声を張り上げ始めると
「もぉ~うるさいなぁ寝てるんだから静かにしてよ~」
皆の目線が声の主...エリカへと集まる。よく見ると眠気眼だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一同「寝るな!!!」




