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そんなにいっぺんに訊かれても答えらんないよぉ。
「うるさいよ蘭。そんなにいっぺんに訊いたら答えらんないに決まってんじゃん!」
男子生徒の上に寄り掛かる様に、もう一人の生徒が顔を出す。
こっちの人は黒髪だけど、首、耳、いろんなとこにアクセサリーを着けていて、ちょっと可愛らしい顔をした男の子だった。
「あ、僕、崎原豊。よろしくね友野江」
「あ、はい。よろしくお願いします」
差し出された手を握り、握手を交わした。
「どっきっやっがっれっ」
すると、その握手を遮る様に、蘭と呼ばれた男子生徒がぐぁばっと起き上がる。
「なぁに人を差し置いて友野江と友好深めてんだ? ぁあ!?」
「転入生に自己紹介するのは当たり前だろ」
がぉうっと喰いかかる蘭くん……だっけ? を、ヒラリと交わす崎原くん。
「最初に話しかけたのは俺なの。だから必然的に俺が先に自己紹介するんだ! わかる? そこんとこ!」
「そんなの必然的でも何でもない。蘭のはただのナンパでしょ」
「はっ? どこがナンパだよどこが!!」
私の前で繰り広げられる喧嘩。なんか前にも一度見た事ある気がする、この風景……。
「あ、あの……」
止めようと声を掛けかけた時、私の横を擦り抜ける様にして二冊の本が勢いよく喧嘩をする二人を目掛け飛んで行った。
そのままゴンゴンッと頭にクリーンヒット。
「「いっ…てぇ…」」
「授業中は静かに」
パンパンッと掌をはたきながら、私の前で悶絶する二人に言い放つ先生。
い…痛そぉ……
当たり前の様に、怒りの矛先は先生に行くわけで……
「こンの不良教師!」
「教師が生徒に手ぇあげていいと思ってるんですか!?」
「何を言ってるんだ。私は本を投げたんだ。直に手はあげてないだろうが」
ご尤も。先生の言うとおり、別に手をあげたわけじゃない。けどそういう問題?
「早く席に着け。いいのか? ちょっとでも問題を起こしたら、私はいつっでもお前のそのふざけた髪を染め上げる準備は出来てるんだぞ? この……【スーパーDXハイパー白髪染め・奥様用】で!」
じゃじゃ~んっと、効果音が聞こえてきそうな程勢いよく長方形の箱を取り出し蘭くんに見せつける。
「あと崎原、お前だってそのジャラジャラした格好やめさせてやってもいいんだぞ強制的にな」
「う……」
次はびしぃっと崎原くんを指差しにんまりと笑う先生。
「解ったら早く席に着け」
「「はぁ~い……」」
負け犬の様に頭をうなだれさせ、後ろに戻って来る二人を苦笑いを浮かべながら見ていると
「ねぇねぇ」




