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Meeting  作者: 吉四六かぼす
神宮家
34/52

34


「美味しい……ケーキがこんなに美味しい物だったなんて」



 これが感無量って言うのかしら。え、違う?



「神楽ちゃん、本当にケーキ食べた事ないんだ?」


「え、あ、はい。私の家、中の下だから、大福が食べられればいいくらいで……」



 大福はお母さんの手作りで……っていうか、私のお母さんは料理が下手で、唯一作れるのが【ぼたもち】と大福だったのよね。


 お陰で私は10の歳には既に一通りの家事は出来てたのよ。



「そうなんだ。じゃあいっぱい食べていいからね。そりゃもう気分が悪くなるくらい」


「いや……それはちょっと」


「もう2~3カット買ってきてあげるね」


「えっ、でもっ」


「ちょっと待っててね」



 席を立ちウィンクをすると、秋都さんは食事受け渡し場所に向かって行った。



 2~3カットってそりゃ嬉しいけど……。





 太っちゃう……かも。



 ま、とりあえず目の前にあるのを食べよう。



 ニコリ顔に戻ると、また一口ケーキを口に含んだ。


 ふと、私を見る視線に気付いた。



「何よ海都?」


「いや、別に?」


「そぉ?」


 

 もう一口ケーキを口に……と思ったけど、海都の視線が気になって寸前のところで停めた。



「何なのよ!」


「何でもねーっつってんだろが」


「じゃあじーっと見ないでよ」


「俺がどこ見ようがテメェには関係ねぇだろが」



 ………。


 ダメだ、口で海都に勝つ事なんて出来ないわ。



 待てよ?



「海都、もしかしてケーキ食べたいの?」


「……は?」



 私の質問に、表情を崩す海都。



「そうならそうと言えばいいのに。しょうがないなぁ」


「は? お、おい……」



 私は立ち上がり、テーブルから身を乗り出して、フォークに乗った一口のケーキを海都の目の前に差し出す。



「はい、あ~ん」



 小さな子供に御飯を与えるみたいに、ニッコリ笑って言った。



「あ~んってば!」


「……バカかお前」


「なんですってぇ!?」


「俺、甘い物大嫌い。反吐が出る」



 腕を組んで、ふぃっと外方を向いた。



「え? だって、この間大福食べてたじゃない?」


「洋菓子が嫌いなんだ。バカみたいに甘ったるくて、芸術味も欠ける」


「はい?」


「日本人なら和菓子だ。わらびもち、大福、饅頭、おはぎにヨウカン。京菓子に比べれば洋菓子なんざ…」




 淡々と語る海都に、私は口を挟めないでいた。


 

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