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ざわざわ……
ざわめく人垣、行き交う人々。その中で、大きな建物を見上げ、叫ぶ私がいた。
「うぅわ……おっっっき~いいいっ!!」
「あ~うるせ~」
両手両足をバッと広げている私の後ろで、耳を指でふさぎ、露骨に嫌な顔をする海都と、クスクスと笑う秋都さん。
「すっごぉい! ねね! 本当にここ、今日一日私もいていいの!?」
うきうきとわくわくの感情を、身体全体で目一杯に表し、二人を振り返る。
「そうだよ。ここが僕達の通っている学校、東葉学園高学部」
東葉学園高学部。数学や国語などの一般的な勉学ではなく、語学を主とした教養をしている学園。らしい。
数学や国語は理解るけど、語学って何かしら?
何故私がここにいるかって? それはねぇ、思い返す事二日前。
「え、学校ですか?」
それは二日前、お庭でお洗濯物を干している時の事。
咲お母さんが大福を買って来たからって、お茶に誘われて……。
「そうなの。秋都と海都が通っている学校なんだけど……」
「って事は、軍事学校ですか? でも軍事学校は女人禁制で……ってより女性は女学校があるんじゃ」
女学校……金持ちの娘しか通えないけどね。
「えっと……こちらはね、殆どが男女共学なのよ。まぁ別もあるけど、二人が通ってるのは共学よ」
「そぉなんですかぁ」
やっぱ時代が代わると、そぉゆうのも代わっちゃうんだ。
お茶をすすりながら、ふ~んと納得していると、背後から人をこバカにした声が届く。
「無理無理。こいつみたいな世間知らずのバカに、うちの授業についてこれっかよ」
「何ですってぇ!?」
顔の横から腕が伸び、手に持った食べかけの大福を摘まれ、そのままひょいっと海都の口の中へ飛び込んだ。
「あ~っっ!」
私の大福!!
「何すんのよ! 最後の一個だったのにぃ!!」
「うるせぇなぁ。大福の一個や二個で、ギャーギャー騒ぐんじゃねぇよ。これだから女は……」
海都の言葉にカチンと来た私は、胸倉を掴みあげた。
「そう言う問題じゃないでしょ!? 貴方のはちゃんとあるんだから、人の、しかも食べかけとって迄食べなくてもいいじゃないの!!」




