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猿だクソッタレだって……じゃあ今迄そう思ってたわけ!?
やっぱり一発殴っとこうかしら。
で、回想シーンは終わり。それからかな、海都が私の事をからかいだしたのって。
からかわれるのはムカつくけど、前よりは朝帰りも夜遊びも少なくなって家にも居着く様になったって言うから、まぁ堪えてやりますか。
「ほら海都、忘れ物持ったんならさっさと学校に行きなさいよ」
「いいんだよ。俺は重役出勤だ」
「重役出勤? 貴方が?」
「遅刻の常習犯」
…………。
「さっさと行けーっ!」
手元にあった料理本(500P)をぶん投げたけど、簡単に受け取られ、終いには投げ返されてしまった。
「ちょっ……」
本は私のすぐ横を通り越し、床に音を立てて落ちる。
「あっ……危ないじゃないのよバカーッ!!」
「最初に投げたのはお前だろうが」
もっともな事を言い返され、言葉がつまる私。
ダメだわ……こいつに何しようともやり返されるだけだわ!!
こうなったら……
「たぁいへん! 私、当主様と咲お母さんにお茶持って行かなきゃ」
思い出した! と、両の掌を合わせる。
必殺【逃げるが勝ち】
「じゃあね海都。さっさと学校行きなさい」
そう言い残すと、何か言いた気な海都を一目し、逃げる様にその場を去った。
まずは当主の部屋にお茶を持って行き、お尻を触って来たので軽く頭をはたいた。
次は咲お母さん。そう言えば秋都さんと海都には(みのる)さんっていうお父さんがいるんだけど、秋都さん曰くとても忙しい方らしく私はまだ一度も会った事がないの。
よく喋る面白い人らしいんだけど。早く会ってみたいな。
咲お母さんの部屋の前に来ると、お茶を乗せたおぼんを床に置き正座をして一度声を掛ける。
「咲お母さん、神楽、参りました」
『お入りなさい』
ふすま越しに、凛とした声が聞こえる。
扉に手を掛け、静かに開いた。
「お茶をお持ちしました」
「ええ、ありがとう。入って」
咲お母さんに促され、おぼんを持ち直すと、中に入りふすまを閉めた。
「あの……、見せたい物って?」
前に湯飲みと茶受けのタクアンを置きながら、問う。




