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Meeting  作者: 吉四六かぼす
神宮家
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21/52

21


「はあ?」


「ほら、こっち向いて!」



 腕を掴み、私の方を向かせる。ニッコリ笑って



「お帰りなさい、海都」


「…………」


「おっかっえっりっなっさっいっっ!」



 私の顔を見たまま、動かない。口を開いたかと思ったら……



「色気が足んねぇな」




──はい?




「そんなに言わせたいなら、【お帰りなさいあなた】とでも言ってみな」


「……は?」



 お…お帰りなさい……あ、あなたぁ!?



「バカ言うんじゃないわよ!!」



 何言ってんのよこいつ!? しかも真面目な顔で言う事なの!?



「オラ、言ってみろよ。語尾にハートマーク忘れんなよ?」



 言いつつ迫って来る。後退りしていると、ドンッと背中に壁がぶつかった。


 後には壁。両隣は、海都の腕に囲まれ、目の前には海都の顔のドアップ。


 本気だ……。こいつ、本気だ。



「う…あ……」


「言えよ」


「で…でも……っ」


「でも……何だよ?」


「ひゃっ……」



 海都の顔が私の肩元に流れ、耳に息を吹き掛けられた。そして囁かれ……



「神楽……」


「あ…あう……っ」



 顔がほてり、緊張で息がつまって言葉が紡げない。


 逃げたいっ!! けどどうすれば? 蹴り倒すか? 殴り倒すか?


 あなたなんてゆうの、絶対ヤダッ! ヤダヤダヤダーッ!!



 現実逃避?するために、目をギュッと固く閉じていると、耳に笑い声が届く。


 そぉ……っと瞼を開いて見ると、海都が口許を押さえ、笑っていた。しかも目に涙までためて。



「か……海都?」


「あはは、いや、悪ィ」


「な、なんで笑うのよ!?」


「だってお前、本気にしてんだもん」


「冗談だったわけ!?」


「まぁな」



 手の甲で涙を拭いながら、私の頭の上に、ポンッと手を乗せる。



「貴方ね~っ!?」



 一発平手打ちをお見舞いしてやろうと手を振り上げた時、海都が今まで見た事もない(たぶんここに来て初めて)優しい瞳と微笑みを私に向けていたから、私は金縛りにあった様に動けなくなった。



「女は皆クソッタレだ猿だと思ってた……。俺と秋都の見掛けや家柄に寄って来る女は特に。だけど…お前は人間に格上げしてやるよ」



 

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