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「でも私……」
鳴り響くサイレン。逃げ惑う人々。燃える家屋。全てが先程の事の様に思い出せる。
なのに60年前って?
「…ちゃん……神楽ちゃん?」
「は、はい!」
「大丈夫? 顔色悪いけど……」
ぐるぐると考え巡らしていると、いきなり黙ってしまった私を心配したのか、秋都さんが顔を覗き込んで来た。
「あ、はい。大丈夫……です」
と、いきなり視界を秋都さんの顔でふさがれた。ぴったりと触れる額と額。
「ん~、少し熱いなぁ」
「……ッ」
私は驚きのあまり声を出せず、顔がほてるのを感じながら、秋都さんから視線を放せずにいた。
美形の男の子のドアップ。結構心臓に悪いのよ、これが!
「部屋に戻ろうか。安静にしてた方がいい」
微笑みがマジメな顔に変わり、肩を抱かれ、部屋へと促される。
心臓は鼓動が早まり、太鼓の様に鳴り響く。別に男の人に免疫がないわけじゃない。だけど、いきなりのドアップに、肩を抱かれてって……。
今の私は、耳までユデダコ状態だと思う。
悪い人達ではないみたいだけど……。
でも私……これからどうなるんだろ?




