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フードファイト・ダンジョン ~最高の食材とまだ見ぬ絶景を求めて最下層を目指します~  作者: 祐祐
第1章:ダンジョンとスキル

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8話:効果検証

 2020年代から急速に世界に普及していったAI。

 AIにより人々の生活は大きく変わり、自動運転やアシスタントなどで便利な世の中になった。


 しかし、AIがもたらしたのは良い面だけではなかった。

 AIのために多くのデータセンターが必要となった。

 それらは莫大な電力を消費したため、発電所が各地で新設された。

 その多くは原子力発電で賄われたが、その建設はデータセンターの需要に追いつかず、火力発電による発電量も大きく増加した。


 その電力需給は地球温暖化を急速に進行させた。

 2030年代には核融合発電も実用化され始めたが、地球温暖化を食い止めることはできずにいた。


 地球温暖化による一番の大きな、深刻な影響は世界各地での食料不足だった。

 世界での食料の生産量は徐々に低下していき、2040年にはピーク時の半分になると予想されていた。



 食料を巡った国際情勢の緊張も高まっていく中、世界を襲った全世界同時地震とダンジョンの出現。

 ダンジョンの出現は新たな火種になるかと思われたが、その中に様々なモンスターと自生している作物が発見されたことで大きく世界を変えていく。

 どれだけ倒してもどこからか生まれてくるモンスターはタンパク源として、自生している作物もそれぞれ重要な資源として期待され、人体への悪影響が無いかが動物実験、人体実験を通じて検証されていった。


 その中でモンスターを食べた人は力が強くなっていることが判明した。

 とはいえ、それは筋トレをした方が強くなるほどのわずかな差であったし、それよりもモンスターを倒してレベルアップした方が大幅に強くなる。

 それでもモンスターを食べることで確実に強くなる効果があることは確認された。



◇◇◇



 和食定食という早すぎる朝食を食べた後、ちゃんと昨日の弁当箱を渡してゆっくりと風呂に入って、少し仮眠を取った。

 5時過ぎに家を出て、ダンジョン入口に着いたのは7時過ぎ。

 連絡バスがまだ走っていない時間だったことと、気持ちがはやり過ぎて荒井駅で10分以上待ってしまったので、家からダンジョンまで時間は少し多めにかかった。

 早い時間ではあるが、ダンジョン前の協会は24時間営業なので関係なく準備をしてダンジョンに入っていく。



 今日はとにかくスキルの効果を確認すること。

 これによってこれから先の俺の人生が変わる。


 第1層に着いて、昨日と同じくスライムを探しに行く。

 ってその前に、強化された消化スキルの効果を確認しよう。



 近くにいくらでも生えている草を手で握り、消化スキルを発動する。


 ……5秒ほど経ってから手の中の草が溶け始めた。

 強化される前に使ってないから分からないけど、これじゃあ戦闘には使えない。

 じゃあ強化されたっていうのは2つ目の効果が追加されたってことなのかな。


「溶解液!」


 ……言ってみたけど手から何かが出る気配もない。

 これは諦めよう。

 気持ちが落ちそうになるのをなんとか持ちこたえてスライムを探しに行く。



 10分ほどで草むらの中にいるスライムを見つけた。

 昨日までと同じモンスターだが、昨日までとは違う。

 こいつらを倒してもレベルアップはしない、経験値にならない。

 でもこいつらは食料だ。

 俺を強化できるかもしれない大切な食料だ。


 剣を構えてすり足で近づき、間合いに入った所で鋭く踏み込み斜めに振り下ろす。

 一昨日、昨日で50体近く倒したので仕留め損なうこともない。


 倒したスライムをいつも通りにゴミ袋に入れてからキレイな部分を口に入れる。

 うん、味は昨日までと変わらない。


 あれ? スキルって自動的に発動されるパッシブスキル? それともアクティブスキル?

 アクティブだったら発動しなきゃ。


 消化スキル発動、アブゾーブスキル発動。


 頭の中でスキルの発動を指示する。

 ……身体の内側で発動された感じが無い。

 手に何かを持っていて消化スキルを発動した時の感じが無い。

 うーん。分からん。


 でも食べられるだけ食べてみるか。

 スライム1体分のスライムゼリー。

 体長30cmほどのスライムから取れるゼリーは14kgくらいあるらしい。

 どれだけ食べられるかな……


 とりあえず次のスライムを倒しに行く前にできるだけ食べてみた。

 この後の活動を考えて、苦しくなったらマズイのでその前で止めたけど、全体の10%くらいしか減ってないな。



 そういえば、食べるにしてもここで食べる必要は無いんだよな。

 1度で10%、仮に2時間ごとに食べられたとしても1日16時間で80%。

 持って帰れるだけのスライムを倒して家に戻って食べた方が安全だし、胃薬を飲みながらなら消化も早そうだよな。


 早速スライムを倒していこう。



 その後、もう2体スライムを倒して袋に入れて外に出る。合わせて30kg以上の重さのスライムゼリーを背負っての移動はきつかったがやるしかない。

 安全だと分かっているから持って帰れるが、危険なモンスターがいたらすぐに捨てなきゃ。

 倒していた間にも少しずつスライムを食べていったが、消化スキルの効果かお腹が減るのが早い気がする。まぁこんなにゼリーを大量に食べたこと無いから誤差の範囲かもしれないけど。




「ただいまー」


「おかえりなさい。ちゃんと戻ってきて良かったわ」


 昼ごろ家に帰ると母がリビングで出迎えてくれた。


「まぁやれるだけやるよ。あと、今日は夕食無しで」


「祐也、本当に大丈夫?」


「瀬奈と同じ反応だな。心配しすぎだよ。

 スライムゼリーを大量に食べなきゃいけないから他に食べてる余裕が無いだけだよ。

 それでも弁当は食べたから1日くらい大丈夫でしょ」


「そう。無理はしないようにね。

 何か作って欲しかったら声かけなさい」


「はいよ」


 荷物を持ったまま2階の自室に入る。

 さて、どれだけ食べたら効果が出るかは分からないけど、とりあえず途中で食べ進めていたのと合わせて3体分をなんとかして食べきりますか。

 さすがにこの量は飽きるだろうし、味変とか何かいいのあるかな。

 こういう時のAIさん、提案よろしく。


 ……色々提案してくれたけど、レモン汁、生姜、練乳、きな粉が良さそうかも。

 ひとまず飽きるまではそのままでゼリー食べるか。



 うん、飽きた。

 味変があるって思ったらすぐに飽きた。500gも食べてない気がする。

 ダンジョンでは5kgくらい食べたのに。

 いや、既にそれだけ食べたからか。


 ゼリーはそのままにして部屋を出てキッチンへ向かう。

 練乳とかきな粉はあるかな?

 瀬奈のためにスーパーに売ってる食材、特に調味料はかなりの種類が家にストックされているからありそうだけど。



「あら? もう食べ終わったの?」


「そんなわけ無いだろ、何kgあると思ってるのさ。

 味に飽きたから味変のものを取りに来たんだよ。

 レモン汁と生姜と練乳ときな粉ってある?」


「あるわよ。きな粉以外は冷蔵庫、きな粉は……出してあげる」


「ありがとう」


「ゼリーの味変ねぇ。タバスコとかチーズとか梅干しとかどう?」


「俺で実験しようとしてない?」


「これからも沢山持って帰ってくるなら色々試してもらって、その中で良かったのを私たちも食べてみるから」


「いや、スライムゼリーなんてそんなに持って帰ってこないよ?

 強くなれたら肉が中心になるだろうし」


「そう。まぁ試すだけ試してみなさい」



 味変用の調味料などを持って部屋に戻ってきて、寝るまで食べ続けた。

 大体8時間続けたことで、ダンジョンで食べていたのと合わせて1体分を食べ終えた。

 苦しくなる前に止めて筋トレをしたり昼寝をしたりしながらだったからこれだけの時間がかかったけど、無理をすれば倍くらいいけるんじゃないかな。


 14kgのゼリーか。あんなに食べたけど、身体がおかしい感じはしない。

 普通はこんな量を食べたらお腹を壊してもおかしくなさそうなものだが、そこはスキルの効果なのだろうか。


 とりあえず明日も食べ続けよう。

 これしかない。これに賭けるしかない。



 ちなみに味変は全部いけた。

 チーズとか梅干しとかは好みが分かれそうだけど。


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