表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フードファイト・ダンジョン ~最高の食材とまだ見ぬ絶景を求めて最下層を目指します~  作者: 祐祐
第4章:北海道遠征

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
51/54

51話:北海道第2層

 北海道ダンジョンに入ってすぐの第1層。

 やっぱり奥羽ダンジョンと飛騨ダンジョンと変わらない風景が広がっているな。

 ここに用は無いので、ノンストップで第2層に到着した。



 階段を降りた所にあったのは大きな砂浜。

 そして、左を見れば海、右を見れば北海道らしい牧草地が広がっていた。

 魚介系と羊系のモンスターの生息地と言われたら、まさにそうだなと思う光景だった。

 ちゃんと磯の香りもするし波もある。本当にダンジョンってどうなってるんだ。


 風景を眺めていてもいいが、それは飯を食いながらでもできることだ。

 まずはすぐに食材を調達しなきゃな。



 スマホがちゃんと使える事をチェックしてから、牧草地の奥へ進んでいく。

 平原と似ているが、牧草地は牧草なので生えてる草がほぼ同じで整った感じがする。そして、刈り取られたロールが点在しているし、それによって草の生えていないエリアと生えているエリアが明確に分かれていた。


 そんな牧草地を歩き続けていると、前方から白い塊が転がってきた。

 あれが牧草地に生息している羊系モンスターのミニコットンか。あれに当たっても痛くなさそうだな。


 そのまま転がってくるのを待ち構えていると、転がりながらぶつかってきた。

 第9層のハヤテホースも受け止めた俺には軽すぎる攻撃を正面から受け止める。なんか、ふわふわの綿で覆われたバランスボールを勢いよく投げられた、みたいな感じだな。

 止めたミニコットンを掴み、そのまま持ち上げて地面に叩きつけた。


 ボンッ


 ……ダメージあったのかな? 動かないから衝撃はあったと思うけど、これだけ柔らかい毛だと死んではいないだろう。

 気を取り直して、剣を引き抜き、中心に突き刺す。ズブズブと奥まで剣が入っていき、返り血を浴びないよう抜き出すと、ギュッと丸く凝縮されていた体が、じわじわと平らな羊の形へと広がっていく。

 丸まっていた四肢が力なく投げ出され、一回り大きく見えるようになった。首の位置も分かったので、とどめに剣を振り下ろす。首をはねて、北海道ダンジョンの初戦が終わった。

 やっぱり第2層は余裕だな。



 その場で振り回して血抜きを終え、階段近くまで戻ってきた。

 それじゃあ早速食べるか。

 まずはハツ刺しから。一口サイズに切って。

 ん、このサクサクとした食感はどのモンスターでも変わらないな。ほのかな甘みと、赤身肉の濃い旨味が広がるのも共通している。さすがに第8層のモンスターと比べると物足りなさはあるけど、クセというか雑味が無くて食べやすいな。

 体格と同じで心臓も小さくて100gも無かったので、数分で食べ終わってしまった。



 続いては死体を解体して、肉にしていく。

 かおりんと奥羽ダンジョンに潜る時も、ちょいちょい解体して持ち帰ってたから慣れたものだ。

 一口サイズに切った肉を網に乗せると、独特の香ばしい匂いが立ち上る。塩をパラリと振って、表面に脂が浮いたところで口へ放り込んだ。

 うん、臭みが少なくて柔らかいな。脂身はこってりしているのに後味は軽い。脂の甘さもあって食べやすい。

 さて1体分食べ終わったらまた取りに行かなきゃな。



◇◇◇



 北海道ダンジョンに来てから3日目の朝。

 起きるとミニコットンは吸収上限に到達していたので、今日からは砂浜側に生息しているモンスターを狩りに行く。朝食がまだだから、朝飯調達だ。


 階段から離れて砂浜を歩いていく。この海の端ってどうなってるんだろう。そもそもダンジョンの階層の端ってあるのか?

 そんなこと考えながら歩くが、牧草地と違って若干歩きにくい。足を取られることは無いが、奥羽ダンジョン第10層の岩場に向けたいい練習になるな。


 ガチリッ!


 突然、右足に小さな衝撃が走った。砂の中から飛び出した巨大な二枚貝のモンスター、ビーチ・シェルが俺の足を文字通り食ったのだ。貝だけど40cmくらいの大きさがあった。


 普通なら怪我をする所だが、魔導ジュラルミンのブーツは微動だにしない。

 俺に伝わってくるのは、挟まれたなという軽い衝撃だけだ。


 わざわざ探す手間が省けたな。

 逃げようと殻を閉じ続ける貝の隙間に剣を突き立てる。そのまま隙間に合わせて横へ振ると、貝柱が切れたのか、巨大な貝殻が口を開けた。

 貝の場合って首をはねるという行動ができないけど、どうすればいいんだ?

 とりあえずそのまま様子を見ていると、最初は殻を閉じようとピクピク動いていたが、数分で動かなくなったので、多分死んだのだろう。


 そのまましばらく砂浜を歩いていけば、ガチリガチリと入れ食い状態のようにどんどんビーチシェルが釣れた。

 そこそこの重さになったので階段へ戻って食べていこう!




 まずは大きな貝殻からナイフを使って身を引き剥がす。

 そして、一口サイズに細かくしたら、一旦ボウルに張った水でさっと洗う。体内にたまっていた砂を洗い流し、白い身を再び殻の上へと戻した。

 殻に乗せた状態で網の上へ。網の上で殻がパチパチと音を立て始める。


 沸騰してきた貝汁に、醤油をさっと回しかける。

 ジ、ジュワッ! という小気味よい音と共に立ち上がる香ばしい磯の匂いと焦げた醤油のハーモニー。

 たまらず、すぐに口へ放り込む。

 あふっ、んー、プリプリの身を噛み締めると、中から海のミネラルが溢れ出した。肉には無い、貝の旨味。臭みも無いし、砂さえちゃんと洗えれば手軽にこんな美味しいものが食べられるんだな。北海道ダンジョンは恐ろしい。

 いや、この防具のおかげか。初心者はどうしてるんだろうな。



 そんなお手軽で美味しいビーチシェルも2日で吸収上限に到達した。

 一日で食べた量の最高記録を更新したんじゃないかな。魚介類、最高っ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ