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フードファイト・ダンジョン ~最高の食材とまだ見ぬ絶景を求めて最下層を目指します~  作者: 祐祐
第1章:ダンジョンとスキル

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4話:入ダン

 中学校を卒業した翌日。

 いよいよ今日からダンジョンに挑戦していく。

 いつもと同じように朝早く起きて、朝食前に準備運動をして軽くランニング。

 いつもと同じコースを走っているはずなのに、いつもと景色が違って見える。

 ダンジョンが楽しみすぎてワクワクが止まらないからだろう。



「あれ? 今日からダンジョンに行くんじゃないの? なんで今日も走ってるの?」


「ルーティンは変えるべきじゃないからな。

 ダンジョンに行く日であってもランニングは欠かさないよ」


「さようですか。よくそんな危ないことするよね」


 ランニングから戻って来ると、起きてきた妹の瀬奈と部屋の前ですれ違う。

 二卵性双生児の瀬奈とは特別仲が良いわけでも悪いわけでもない。

 お互いにやりたいこと以外に興味が薄いだけなのだ。

 両親のやりたいことがあるなら心ゆくまでやりきれという教えをしっかりと実行している、親孝行(?)な兄妹である。




「行ってきます!」


「気をつけて行ってらっしゃい」


 いつも通りグラノーラを食べて、母が用意してくれた弁当をカバンに入れる。

 昨日買った防具を身につけて、武器をケースに入れたまま背負って家を出発した。

 家から最寄りの荒井駅へ、地下鉄で仙台駅へ、仙山線で作並駅へ。

 駅前からは連絡バスに乗って10分ちょっと。

 家を出てから1時間半くらいで目的地である、奥羽ダンジョン仙台入口に到着した。


 遠いなー。とは思うが、ダンジョン近くに沢山作られた宿に泊まるほどのお金は無い。

 1時間半だし、実家の方が休まるし。



「いらっしゃいませ。ご用件をお伺い致します」


 ダンジョンに入る前に、入口の近くにあるダンジョン協会の建物に入る。

 入ってすぐの場所にある受付へ行くと受付さんが声をかけてくれた。


「ロッカーのレンタルをお願いします」


「はい、では冒険者カードの提示をお願いします」


 ダンジョン入口の近くにあるダンジョン協会には大きく分けて2つの目的がある。

 1つは冒険者がダンジョンで獲得したモンスターの素材や食材、鉱石などを買い取ること。

 これにより冒険者はお金を得られると同時に、協会は素材を転売して利益を得ている。

 冒険者の中には素材を協会から購入している企業に直接売りに行く人もいるが、そこまでの輸送は面倒だし、企業側はその素材が本物かどうかを判断しなければいけない。更に少数の素材を購入するよりも協会経由で大量購入した方が事務作業も少なくて済む。

 個別に企業と契約している冒険者を除けば、ほとんどが協会に売っているのが実態である。


 そしてもう1つは冒険者のダンジョン内での活動のサポートである。

 そのサポートの1つが冒険者向けのロッカールームなのだ。

 そこに武器防具を入れておくことで毎回持ってくる手間が省ける。

 協会としても武器防具を街中にはなるべく持ち込んで欲しくないからメリットがある。

 そのため、冒険者カードを見せれば無料で使えるようになっている。

 もちろん無制限というわけではなく、一定期間利用が無い場合は中身を没収されてしまう。

 まぁ利用がない主な理由はダンジョンで亡くなったためらしいが。



「ロッカーの設定が完了しました。

 ロッカールームに入ると投入・搬出口という所がございます。

 そのそばのセンサーに冒険者カードをかざすとご自身のロッカーが投入・搬出口まで移動してきてロッカーが開かれます。

 そこに物を入れたり、取り出したりして下さい。

 作業が終わりましたらロッカーを閉めると自動的にロッカーが移動していきますので、それで作業は完了となります」


「分かりました。ありがとうございます」



 早速ロッカールームに向かう。

 朝8時半頃ということもあり、ロッカールームは混雑していた。

 もっと早く来るか、遅く来るかした方がいいかもしれない。


 10分ほど待って俺の順番になったので、前の人たちがやっていたようにセンサーに冒険者カードをかざす。

 するとすぐにロッカーが目の前に移動してきた。前の人たちよりも早かったので、初めて使うから近くにあった利用されていないものが来たのだろうか。


 両刃剣をケースから取り出して、開かれたロッカーにケースと着替えを入れてから扉を閉める。

 閉められたロッカーはすぐに後ろに下がっていった。

 よく見るとロッカーの下には何かの機械があり、それがロッカーを動かしているようだ。

 便利な仕組みだな。

 後々知ったことだが、2020年代の物流倉庫で使われ始めた技術らしく、それを応用して各協会で使われているそうだ。




 防具を身につけ、鞘を腰に装着し、弁当の入ったカバンを斜めに掛けてロッカールームを後にする。

 いよいよ。いよいよだ。



 協会の建物を後にして、目の前にあるダンジョンの入口へ向かう。

 ダンジョンの入口は厳重な柵で囲われている。

 これはダンジョン協会が封鎖している入口も含めて全ての入口がそうなっている。


 そんな柵にはこちら側が開いている透明な箱のような小さな部屋のようなものがいくつも設置されている。


「冒険者カードを右前のセンサーにかざして下さい」


 その狭い空間に入ると自動音声で案内がされた。

 指示に従って冒険者カードをかざす。


「認証完了しました。ようこそ奥羽ダンジョンへ。

 お気をつけて行ってらっしゃいませ」


 その声と共に箱の後ろ側は閉じ、前側に扉が開かれたので前へ進んでいく。

 そして目の前にはネットで何度も見てきたダンジョンの入口が広がっている。

 入口の先は漆黒の闇。いくら外から光を照らしても何も見えないらしく、物理法則を無視した穴が俺を待ち構えていた。


 よし!

 気合を入れて入口からダンジョンの中へと入っていく。

 俺の待ち望んでいたダンジョンへ。ようやく。


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