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フードファイト・ダンジョン ~最高の食材とまだ見ぬ絶景を求めて最下層を目指します~  作者: 祐祐
第1章:ダンジョンとスキル

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26話:異変

 ミニバイソンを食べた翌日。

 朝起きて身体を伸ばす。

 ミニバイソンを食べた効果で身体が軽くなって……いる感じが無い。

 まぁ結構Absorbスキルで強化してきたから、第2層のモンスターを食べても感じにくくなっているんだろう。

 さて、今日もダンジョンで稼ぎに行きますか。



◇◇◇



 ミニバイソンを食べ始めて11日目の朝。

 昨日までで14.5kgのミニバイソンの肉を食べたことになる。

 ミニバイソンは体重が12kgくらいだから、瀬奈のスキルで1.5倍の吸収がされるとして、必要な量は16kgとなる。

 レバーとハツを食べてないから上限到達にはならないけど、ダンジョンネズミの時のように能力の強化はほとんど終わっているはずだ。


 それなのに。

 全然強くなった感じがしない。

 ちょっとジムに調べに行くか。




 ジムで各種マシンの数値を測ると、数値は4種類ともこの間と全く同じだった。

 これって強化されてないってこと?


 うーん。


「何唸ってるの?」


 リビングで悩んでいると、瀬奈が高校から帰ってきた所だった。


「おかえり。もうそんな時間か。

 いやさ、ミニバイソンを食べてるのに全然強くなった感じがしなくて、午前中にジムにも行ってきたけどこの前と同じだったんだよ」


「吸収されてないってこと?」


「そうなるんだよな」


「じゃあそうなんじゃない? よく分からないスキルだし」


「でもスキルの説明文には、摂取物の吸収率、吸収速度が大幅に上昇する、ってあるからなー。

 吸収されてない理由が分からん」


「ミニバイソンに問題がある感じでも無いよね。

 協会から直接買ってるようなものだし」


「じゃあ何が理由なんだろうな。

 スキル関係なく、吸収するための条件でもあるのか?」


「そんなの聞いたことないけど、そもそもモンスターを食べるとステータスが上昇するっていうのもそこまでちゃんと研究されてないでしょうし、条件があってもおかしくはないよね。

 第2層のモンスターは2種類まで、みたいな?

 それだと詰みだね」


 瀬奈が夕飯の献立でも決めるような気軽さで恐ろしいことを言った。


「それは困る。

 調理方法も特別おかしいわけじゃないだろうし、生息しているダンジョンから遠い場所で食べてもダメとか?」


「どうやって距離を判断してるのって感じだね。

 でもダンジョン関連は何でもありって感じだから、その可能性はあるけど」


「その条件が分かれば解決するかもしれないのに……」


「分からないものはしょうがないんじゃない?

 それより、取り寄せてダメなら現地に食べに行ってみれば?」


「現地かー。ここで取り寄せても変わらなさそうだし、そうしてみるか。

 奥羽ダンジョンだとこれ以上強くなれないしなー。

 ……よし、母さんにちょっと行ってきていいか聞いてくる」


「マジか。まぁいいんじゃない? お金はあるんでしょ?」


「ある程度はな。でもダンジョンに入ってモンスターを狩って食うから、宿よりも野営にしようかと思うわ。

 そのうちやらなきゃだから、その練習も兼ねて」


「いきなりだね。まぁ無理しないでね」


「おう。母さーん、明日からちょっと遠征してきてもいい?」



 部屋にいるはずの母の元に向かって事情を説明するとすぐにOKが出た。

 自由にしろ、その代わりに毎日連絡はしろと。

 さすがの母だ。


 早速、仙台駅前のダンジョン協会東北支部に行って野営道具を買いに行く。

 そこそこお金は貯めてるから、それで軽くて設置が簡単なテントと寝袋と椅子とランプを購入した。

 あとついでにカセットコンロ用のガス缶も追加で買っておく。

 火はカセットコンロがあるし、水は定期的にダンジョンの入口に戻るからそこで補充すればいい。風呂はダンジョン協会のロッカールームにシャワールームが併設されているからこんなもんかな。



 必要な買い物が済んだので、東北支部を出て、家には帰らずに奥羽ダンジョン仙台入口に向かう。

 ロッカールームに置いてある武器防具を取りに行くためだ。

 他のダンジョンに行くのはこういう点で面倒だな。

 まぁ毎日武器防具を持って帰らなくていいのは便利なんだけどさ。



 夕飯後に帰ってきた父にも報告をしたが、反応は母と全く同じだった。

 さすが夫婦。似た者夫婦というか、同じ思考だから結婚できたんだろうな。



◇◇◇



「じゃあ行ってきます」


「気をつけるのよ、ちゃんと毎日連絡しなさいね」

 

「強くなれなかったとしても、自暴自棄になるんじゃないぞ」


 父さんの言葉は重いが、そもそもモンスターを食いに行く息子を笑顔で送り出す家族って、冷静に考えれば適応力が高すぎるな。


「ちょっとお父さん、ここでそれ言う?」


「言うべきことは言っておかないとだろうが」


「はいはい、じゃあ行ってきます」


「お土産期待してるねー」



 家を出て早速飛騨ダンジョンに向かう。


 飛騨ダンジョンには5つの入口が用意されている。

 岐阜県の高山入口、富山県の立山入口、新潟県の糸魚川入口、長野県の松本入口と白馬入口。

 その中で今回向かうのは長野県の白馬入口だ。

 仙台から東北新幹線で大宮へ、そこで乗り換えて北陸新幹線で長野へ、そこからバスで白馬へ向かう。



 昨日、飛騨ダンジョンに行くと決めてから色々と情報収集をした。

 それでも実際のダンジョンは色々と違うだろう。

 これで強化されなかったらどうしようという不安よりも、初めてのダンジョンに行くことによるワクワクが大きく上回っていた。


 飛騨ダンジョンまでの道中は寝ていられず、情報収集と行動方針を決めるだけで時間が過ぎていき、約4時間が経過した昼過ぎには目的地の白馬村中心部に到着した。


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