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フードファイト・ダンジョン ~最高の食材とまだ見ぬ絶景を求めて最下層を目指します~  作者: 祐祐
第1章:ダンジョンとスキル

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25話:ミニバイソン料理

 受付でミニバイソンの取り寄せをお願いした所で家に帰る。

 服が泥だらけだから、もう今日の活動は終了です。



「あれ? 祐也帰ってくるの早いね」


「そういう瀬奈こそ、今日は平日だろ? 高校は?」


「何言ってるの? 今日は祝日っていうかゴールデンウィークだよ。

 それで早いのはなんで?」


 ……そういやそうだった。


「そうだったな。

 早いのは第6層で泥だらけになったから早めに帰ってきたんだよ。

 モンスターも強くて倒せなかったし。

 それで強化のために他のダンジョンのモンスターの肉を取り寄せて、3日後には届くから受け取りと調理よろしく」


「はいはーい。何の肉?」


「ミニバイソン」


「牛肉かー。いいねー。

 私たちも食べていいよね?」


 そう言う瀬奈の目は心なしかキラキラしている。料理人としての探究心か、単なる食欲か。多分その両方だろうな。


「足りなくなったら取り寄せる予定だからいいよ」


「わーい! 何作ろうかなー」


 牛肉に近い味らしいから、牛丼? ステーキ? すき焼き? そこら辺と予想する。

 要望を伝えてもいいけど、瀬奈に任せた方がいいことが多いもんな。

 聞かれるまでは言わないでいいや。


 マッドホースを倒せなかったのは悔しいけど、新しいモンスターを食べられるのは楽しみだな。




 夕食までの間に、ここしばらくやっていなかったので体力測定をすることにした。スキルの効果を数値で再認識しておくべきだと思ったからだ。

 まずはいつものランニングコースで9km走。前に測定したのがダンジョンネズミの上限に到達した時だったから1ヶ月以上前だ。

 スマホのメモを見るとその時は37分35秒か。36分台にはなってて欲しいな。


 午前中からダンジョンに行ってたから多少疲労は残っているはずなのに、結果は35分55秒。1分半以上も縮まった計算だ。だいぶ早くなったな。

 もちろん毎朝走ってるからその効果もあるだろうけど、そこまで負荷をかけてるわけじゃないから、Absorbスキルの効果だと思っていいだろう。


 次はジムへ移動して、各種マシンの数値を測る。

 ベンチプレスは前回が60.0kg、今回が80.0kg。

 デッドリフトは前回が110.0kg、今回が137.5kg。

 レッグプレスは前回が175kg、今回が220kg。

 アブドミナルクランチは前回が41.25kg、今回が51.25kg。

 パッと見てどうなんだろうと思ったが、レッグプレスとかだいたい1.5倍だな。これはどう見てもAbsorbスキルの効果だろう。


 数値自体を評価したい訳じゃなくて、ちゃんとスキルの効果で強くなってることを客観的数値で確認したかったからこれでいい。

 というか、他の冒険者も測ったらこんな感じで強くなってるんだろうか。

 スポーツ選手とか格闘技選手はレベル上げて身体能力上げてるって聞くし、ちゃんと調べてるんだろうな。



◇◇◇



 翌日は休みを取り、その翌日からはダンジョンの第4層でバンブーポニーとバンブーベアを狩って稼ぎながら過ごしていく。



『肉来たよー。早速夕飯の準備中』


 ダンジョンから帰る仙山線の中で瀬奈からのメッセージを確認した。

 予定通りに届いたな。


 今日の夕飯では何が出てくるかな。

 牛丼、ステーキ、すき焼きという予想だけど、瀬奈だからもっと違うのが出てくるかもしれない。



◇◇◇



 待ちに待ったミニバイソンのお肉が届いた!

 既に精肉の状態だから早速調理に取り掛かろう。


 取り寄せるって聞いてから、ずっと楽しみにメニューを考えていたんだ。


 まずはじっくり予熱で火を通したい「ローストビーフ」から。

 立派なモモの塊肉に、塩コショウを擦り込んでいく。10分ほど置いて馴染ませてから、表面のドリップを丁寧に拭いて、フライパンで表面を強火で焼く。肉汁の出口を塞ぐように全面に焼き色をつけたら、低温のオーブンへ。

 じっくり、ゆっくり。

 取り出したら、アルミホイルとタオルで二重に包んで放置。この寝かせる時間が、肉を切った時の美しいピンク色と溢れる旨味を作ってくれるんだよね。


 お肉を寝かせている間に、次は牛カツ。

 厚切りにした肉に小麦粉、卵、そして目の細かいパン粉を纏わせる。

 高温の油で、揚げる時間は一分弱。表面の衣がキツネ色になった瞬間に一気に引き上げる。余熱でミディアムレアに仕上げるのが、私のこだわり。


 最後は、夜のメインディッシュ。

 サシの入った部位を透けるような薄切りにしていく。

 鉄鍋に、割り下とたっぷりの長ネギ、豆腐、しらたきを準備して。

 あとは食べる直前にこのお肉をさっとくぐらせるだけ。卵も用意して。


 休ませていたローストビーフを薄くスライスしてお皿に並べて。うん、いい色!

 よし、これで全品完成!



◇◇◇



「ご飯できたよ」


 帰宅後、軽くトレーニングをしながら待っているといつものように瀬奈の声が家の中に響く。

 さて、答え合わせの時間だ。

 1階に降りてリビングに入ると、テーブルの上に置かれた料理は3種類。


 鍋で今もグツグツ煮えているすき焼き。これは当たった。

 だが残り2つは違った。

 そこにあったのは、きれいな衣がついたカツと薄いピンク色に染まったローストビーフだった。


「いただきます」


 我慢できず、すぐに椅子に座って箸を手に取る。

 どれからいこうか迷ったが、まずは予想が当たったすき焼きから。

 甘辛いタレで煮込まれた肉を卵にくぐらせて頬張ると、ミニバイソンの脂の甘みが口いっぱいに広がる。

 熊系や馬系、ダンジョンネズミとは違う、重厚な脂のコク。それが熱々のタレと絡まって、運動後の身体に染み渡っていく。

 次はネギと一緒に食べる。うーん。肉のワイルドさがマイルドになって、いくらでも胃袋に吸い込まれていく。


 すき焼きを食べ終えて、次はカツに手を伸ばす。

 断面は鮮やかなレアで、キメの細かい赤身がぎっしりと詰まっている。

 口に運ぶと、サクッとした衣の中から重い肉の弾力が跳ね返ってきた。噛みしめるたびに、鉄分を感じるほど濃い血の旨味が溢れ出す。

 牛肉に近いけれど、もっと野性的で歯に力を込めないと押し返されるような生命力を感じる。


 最後はローストビーフ。

 薄くスライスされた肉を数枚まとめて口に放り込む。

 しっとりとした質感だが、噛み切りやすいのに確かな繊維の存在感がある。脂に逃げない、純粋な赤身の力強さが舌の上で解けていく。

 さっぱりしているのに力強さも感じる。これが一番好きかもな。



「ごちそうさまでした」


 用意された1kgの肉を使った料理を全て平らげて、お腹も大満足だ。

 というか、これで第2層のモンスターなんだよな。

 最前線のモンスターってヤバいんだろうな。


「明日の弁当からはミニバイソンを使えばいいんだよね?」


「ああ。頼むな。あと、ローストビーフが一番好みだったわ」


「弁当向きだし、明日の夕飯もローストビーフ多めに作るね」


 こちらの要望を実現しようとしてくれてありがたい。

 さて、明日の朝になったらAbsorbスキルの効果が出てくるだろうな。


次話から隔日投稿に戻ります

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