17話:ようやく
ミニベアを食べた翌日の朝。
ランニングをすると、ミニポニーを食べた時のように身体の軽さを少し感じることができた。
順調に行けば2体分を食べ終わる前には上限に到達するだろう。
その日からは稼ぐことを目的としてミニポニーを狩っていこうと思ったが、休みを挟んだ翌々日には肉が無くなりそうだったので追加でミニベアを2体狩って持って帰ってきた。
瀬奈に聞いたが、ミニポニーは1体あたり肉が4.5kgほど取れるようだが、ミニベアは2kgくらいしか取れないみたいだ。
それじゃあすぐに無くなるわけだ。
でも無くなりそうってことならそろそろ上限に到達するかなと思ったが、その日には上限には到達しなかった。
内臓については心臓と肝臓で問題ないのはミニポニーで確認済みだが、もしかしてモンスターによって必要な部位が違うってことがあるのか?
このスキルについては分からないことだらけだが、もう少し様子見をしよう。
それから3日後。
再び瀬奈から肉が無くなりそうだと言われたので、今日の午後はミニベアを狩る予定だ。
ミニポニーと違って必要な数が違うのだろうか。
そうなると、ミニベアのレバーとハツをもっと食べた方がいいのか?
悩みながらもレバーとハツを食べずにミニベア3体を狩って、1体だけ協会に売ってから家に帰る。
ミニベアを2体持って帰るぞ、と瀬奈にメッセージを送って電車を待つ。
ホームから見える景色はすっかり春。
ここ作並でも桜が咲き始めたみたいだ。家の近くはもうすぐ満開だし、中学を卒業してからもうすぐ1ヶ月か。
この1ヶ月色々あったな。レベル上限に謎スキル。
もう少し分かりやすくならないのかな……
『ミニベアの吸収上限に到達しました』
……どうしてこのタイミングなん?
ちょっと物思いにふけっている時に来るとビックリするんだよ。
ふう。とりあえず落ち着こう。
まずは瀬奈にメッセージ送るか。
ミニベア持って帰るけど、今上限になった、と。
それでなんでこのタイミングなんだろうか。
まず直近でミニベアを食べたのは昼食。
そこで上限に到達するのに必要な量を満たしたんだろう。
そこから3時間くらい経った所だから、食べてから3時間くらいで吸収されるってことか?
吸収されるまでの時間はそこまで重要じゃないけど覚えておこう。
それで結局何kg食べたんだ?
瀬奈に聞くか。今日の昼食でミニベア何kg食べたことになる? っと。
まぁ知りたいは知りたいが、とりあえずこれで次に進める。
第3層か。でも第2層と第3層って生息しているモンスターは変わらないんだよな。
若干第3層の方がモンスターが大きくなるらしいから買取価格も高くなるらしいけど。
明日は第3層でミニベアとミニポニーを倒せるのを確認して、明後日からは第4層に行こうか。
いや、明後日は休みだな。
ダンジョンに行くのは5日連続まで、と母さんから止められているから守らないと。破ってもメリットは無いからな。
「ただいまー」
「おかえりなさい」
「あれ? 瀬奈は?」
「ちょっと買い物に行ったけど、すぐに戻って来るわよ」
「そっか。ミニベアを外に置いてあるんだけど、そのままでいい?」
「問題ないわよ。帰ってきたら伝えておくわ」
「ただいまー。ミニベアあるじゃん。
ってちょうど祐也帰ってきたのね、おかえり。
早速肉にしちゃうね」
「そういえば上限に到達したんだってね、おめでとう。
今日はお祝いかしら?」
「要らないよ。そんなことしたら、この先お祝いだらけでキリがないよ」
「そう。まぁ瀬奈ちゃんが沢山料理作るでしょうし、それがお祝いみたいなものよね」
……まぁそういうことでいいや。
◇◇◇
翌日は第3層に向かった。
瀬奈に昨日の夕食時にミニベアを合計で何kg食べたのかを教えてもらったが、7kgくらいだったらしい。
1体から取れる肉は2kgだから3.5体分?
ミニポニーは11kgだったし、ミニポニーの方が1.5倍くらい重かったから体重が影響しているのか?
まぁそれくらいって思っておくか。
とりあえず、レバーとハツは2体分で十分だと分かったのは良かったな。
考えている間に第2層に到着した。
奥羽ダンジョンで仙台入口から下層に降りていく場合は、全て入口から右前方に次の階段があると決まっているそうだ。
第3層も第2層の入口から右前方にあった。
朝だから他の冒険者もいたのでついていくと、第2層に降りた時と同じような階段があった。
ここから先もこんな感じなのかな。
冒険者たちに続いて第3層へ降りていく。
第3層に降り立ち、周りを見るが第2層と何が違うのか分からない。
とりあえずミニベアとミニポニーを倒せるか確認しよう。
結果から言えば討伐はできた。
ただ、第2層では体長45cm高さ30cmくらいだったミニポニーは体長60cm高さ40cmくらいに、体長60cmくらいだったミニベアは体長80cmくらいに大きくなっていた。
体長は1.3倍くらいだが、体積だとその3乗。つまり体重は倍以上に重くなり、それに伴ってスピードもパワーも上がっていた。
まだ力負けはしなかったが、ミニベアの攻撃を弾き返した時はこちらの手にも衝撃としばらく少しだけ痺れていたし、こちらの攻撃も第2層ほど深くまで届かなかった。
ミニポニーも攻撃を避けるのも全く油断できないスピードとなっていたし、カウンターも頭を振って避けられて胴体にしか当たらなかったし、ミニベアと同じくこちらの攻撃は深くまで届かず、出血死するまでの時間が長くなっていた。
まだ紙一重という訳では無いが、次の第4層でのモンスターを上限まで吸収しても早々に限界が来そうな予感がする。
まぁそれでも他の冒険者と比べて進行スピードが遅いわけではないし、限界が来たら他のダンジョンにいるモンスターの肉を取り寄せればいいはずだし。
これからも慎重に進みながら新しい階層に行って新しいモンスターを倒して、新しい食材をゲットして美味しくいただこう。
ストックに余裕ができたので、ゴールデンウィーク中は毎日投稿します




