↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フードファイト・ダンジョン ~最高の食材とまだ見ぬ絶景を求めて最下層を目指します~  作者: 祐祐
第6章:上級配信者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
109/117

109話:次へ

 22層での初配信を終えた後、俺は活動場所を22層に移して配信を続けていた。22層での配信は20層での配信よりも反響が大きく、初配信同士を比較しても、既に再生回数は2階層のものが上回っている。


 22層での戦闘に関しては、地震への対応には慣れてきたが、まだかおりんを連れてきてはいない。

 何度か地割れを体験してみた所、地割れに足が挟まって動けなくなる事はありそうだったが、それで大怪我をする事は無さそうだった。

 それでもかおりんを連れてくるなら春休み以降かな。ましてや、瀬奈と悠斗を連れてくるのは到底無理だろう。今のかおりん並、最低でもレベル50に到達してからだろうか。

 そう考えると、2人がレベル50に到達するよりも更に安全で効率のいい新しいレベル上げに適した階層を見つける方が先になりそうだ。







「終わったぁー!!」


 長く、それはそれは長く続いたドラフトホースのAbsorbがようやく終わった。

 いつから食べ始めてたっけ? 夏? 九州に行く前だった気がする。つまり吸収し終えるまでに半年以上掛かったわけか。その間に九州と紀伊に遠征していたから、実質は4ヶ月くらいかな。

 まぁ何はともあれ、これでようやくドラフトホースからロバストグリズリーに移れるわけだ。


「瀬奈! ようやくドラフトホースが上限に到達したから、明日の朝ごはんからロバストグリズリーの肉で頼む!」


「えーっ。明日の朝の分も仕込んであるんだけど……」


 瀬奈の部屋の扉をノックして、開けてすぐに食事のお願いをしたんだが、ベッドの上でゴロゴロしながらスマホをいじっていた瀬奈は、面倒くさそうな表情でこちらをジトッと見てきた。


「仕込んである分はちゃんと食べるから、それとは別にロバストグリズリーの肉を使ったものも追加してくれないか?」


「まぁそれならいいけどさ。それに、ドラフトホースは私とお父さんたちである程度は食べるから、その分は減らしておくわよ」


「ありがたい」


「メニューはこっちで決めていいよね?」


「あぁ。久しぶりの熊肉だから楽しみにしてる」


「はいはい。というか、熊と馬を少し交互に食べればいいのに」


「それだといつ頃終わりそうかって分からなくなるだろ。それに、大量にまとめて仕込んだ方が瀬奈も楽だろうし」


「そう言われればそうだけどさ。まぁそろそろ終わりそうだって言ってたから、最近は仕込み量を最低限にしてたし、朝食分だけドラフトホースを食べてもらおうかな。じゃあ、明日のお弁当用に今から仕込んでくるわ。明日からちょうど春休みで良かったわ」


 そう言ってベッドで横になっていた瀬奈が立ち上がる。


「助かる。あっ、ドラフトホースの肉が余るなら、かおりんの弁当に使ってくれ」


「そのつもりよ。ってか、いつもかおりんのお弁当もドラフトホースを使ってるわ」


「そうだったのか」


「……見てないの?」


「自分のを食べるのに必死だし、かおりんを待たせるわけにはいかないだろ?」


 瀬奈は再びジトッとした視線でこちらを見つめてくる。


「……ダンジョンに潜っている間、かおりんと会話はしているのよね?」


「食事中以外はしてるぞ?」


「まぁそれならいいか。パーティーを組んでるんだから、もっとコミュニケーション取りなさいよ。会話だけじゃなくてチャットでも」


 そう言い残しながら、俺の横を通り過ぎて1階へと降りていった。

 普段からそこそこチャットでのやり取りもしてるし、コミュニケーション不足って事は無いだろう。


 さて、明日からはかおりんも春休みに入るから、月曜日の休み以外は毎日一緒にダンジョンだ。かおりんのレベルも70まで上がったし、あと5レベルで新しいスキルが手に入るはずだ。

 瀬奈と悠斗のレベル上げもあるけど、こっちは新しいスキルまではもう少し時間が掛かりそうかな。








「おはようっす」


「おはよう」


 翌日の土曜日。瀬奈とかおりんの高校2年生が終わり、春休みに入った。とはいえ、土曜日だから俺としてはまだいつも通りだ。


「やっとドラフトホースが終わったんすね」


「本当に長かった。まぁまだロバストグリズリーがあるから、20層のモンスターはまだ先だけどな」


「今の時点で22層のモンスターも倒せるくらいに十分に強くなってるから、何の問題もないんじゃないっすか?」


「22層までならな。だが、深層でかおりんのレベル上げにいい所が見つかってないから、できるだけ早く先に進んでおきたいんだよ」


「ちなみに、現状の推定レベルはいくつっすか?」


「150らしい。これまでと同じで1階層ごとに適正レベルが5ずつ上がっていくなら、29層まではいける計算になるんだけど」


「29層って、もう奥羽ダンジョンどころか世界トップじゃないっすか……」


「だが、そこは余裕を持って進んでいくべきだからな。一階層ずつ余裕が感じられるようになるまでは、無理して先に進む事はしないぞ」


「そこまでにレベル上げにちょうどいい階層があるといいっすね」


 これまでのモンスターの生息階層を考えると、20層から22層のような遠距離系ばかりがこの後も続くって事は無いだろうけど、誰にも分からないからな。ダンジョンの法則性みたいなのってあるんだろうか。掲示板でも見た事はないな。


「遠距離攻撃が無いところっすよねー」


「そうなんだよな。22層も悪くないけど、俺がもう少し慣れてからじゃないと、かおりんのレベル上げを22層でやるのは危ないし」


「その先の24層の情報はあるんすか?」


「最上さんのパーティーもまだ24層は偵察もしてないらしいから、全く情報は無いな」


「24層から先は、挑戦するハードルが一気に跳ね上がるっすね……」


 何も情報が無い中で挑むのは危険が伴う。でも、誰かが先に進まないとだし、何より22層よりももっと絶景、もっと美味しい肉が待ってるはずだ。

 たとえ進むスピードが遅くなっても、ここで止まるつもりはない。


「多少慎重にはなるけど、かおりんは今まで通りでいいからな。最前線に連れて行くつもりは無いし」


「……その気遣いは嬉しいっすけど、私のレベルが3桁になったら、あまりそういう気遣いは無しにして欲しいっす」


「んー、でも」


「3桁になってから相談しましょ! 今はまだ休日しか活動できないんで気にしないでいいっすよ」


 そう……なのか?

 かおりんも最前線に行きたいのかな。戦闘系のスキル持ちじゃないし、盾を使ってはいるけどタンク向きのスキルがあるわけでもない。レベルが上がって、最前線のモンスターに攻撃されても耐えられるようになっていればいいけど。

 んー、3桁になるまでに2つスキルが手に入るはずだから、そのスキル次第かな。かおりんの言う通り、今は考える意味は無いか。


「分かった。まずは春休み中にどこまでかおりんのレベルを上げられるかだよな」


「75までいけたらいいっすね」


「次はどんなスキルが手に入るか楽しみだな」


 今は余計な未来の心配をせず、目の前のできる事に注力するだけだ。

 かおりんのレベル上げ。

 22層での戦闘経験の蓄積。

 ロバストグリズリーをできるだけ早く上限まで食べる。


 よし。ようやくロバストグリズリーを食べられるようになったわけだし、お昼を楽しみにして頑張りますか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。