明かされる第三の性別
上司は緊迫した空気の中、容疑者に拳銃を差し出しながら「一つだけ警告する。私が話している間余計な事をするでない。その瞬間君が生涯最後に受ける授業が中断される。いいな。」
「もちろんだ。」
「君の言う通り尊考の秘密を守っているのが我々警察だ。尊考は尊考大師様が提唱した教えである。大師様は語っていた。尊考は無限への挑戦であると。大師様は人間の可能性を本気で信じていた。そして大師様は人間が最も尊重するべき特徴は考えることだという事という結論に至った。大師様は決して優秀であったわけではない。むしろ運動も勉強も不得意で劣等感が強いお方であった。大師様は自分はなぜ出来が悪いのか?人一倍努力しても改善されることは出来ない私はどうすれば良いのか?なぜ人間は劣勢・優勢、勝者・敗者の区分に分けようとするのか?答えの出ない問に悩んでいた。大師様は両親を非難したり、優秀な人たちを批判することは決してしなかった。大師様は自分のように劣等感に苦しむ人たちや身体的格差を撲滅させるにはどうすればよいか考える様になった。そこで、大師様が出会ったのは当時目覚ましく発展遺伝工学であった。遺伝子組み換えやクローン技術を利用すれば劣等感に苦しむ人も身体的特徴に苦しむ人もいなくなり、世界は発展していくだろうと結論づけた。大師様は人間は父と母の欲望によって生まれるから格差が生まれてしまう。もしこれが、個人の願いや考えによって生まれることが出来たらどれほど喜ぶ人がいるか?どれほど、人類が向かうべき考える極地に向かうことが出来るのか?本気で考えた。そして、農学、生物学、遺伝工学、生態学を学んだ。そして大師様は協力者と共に生殖機能が無く考える事を重視する考性の設立を目指した。大師様はこう言っていた。(私たちは今まで得ることが出来なかったものを考性によって得ることが出来る。考性は無性生殖ではあるが、考える事によって誕生する考性は人類に新たな可能性を生み出すだろう。)大師様はそう語って、考性誕生にむけて欲を捨てた無性によって高度な社会が生まれると考えた。
大師様が考性の性別を新設する為には、まず民衆の理解を得たうえで、政権を獲得していくことが必須であると大師様は考えていたのだ。そして尊考による政治活動が始まった。大師様は尊考党当時、木恩国が抱えていた問題、少子化、人手不足などを取りあげ、尊考概念の大切さを演説で唱え続けた。紆余曲折はあったが、ついに獲得した。民衆の支持を得た事で大師様は理想をかなえるために50年間政治を行いつづけた。しかし、あの戦争に負けて大師様の理想も、考性の居場所もすべて消されてしまったのだ。」
続く
皆様お待たせしました。
本日より投稿を再開します。
お楽しみに




