表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私たちが残すべき記憶  作者: 箕宝郷
幼馴染の奮闘と思い
47/49

開かれた一つの扉

「今から150年くらい前までの木恩の国は美香も分かるように神皇という君主がいて木恩の国を治めてたんだ。ところが、ある日尊考(そんこう)哲学というものが生まれたんだ。」


「あぁ、あの尊考政権の母体的な?」


「うん、尊考政権はその尊考思想を理念に掲げた政権だったんだよ。尊考哲学の提唱者は尊考大師という人物で彼は尊考思想、尊考教、尊考政権の中心人物なんだ。」


「尊考大師そのまんまの名前なの?」


「いやそれが、本名じゃないんだよ。実際彼はおよそ50年近くこの国を支配してきた尊考政権、尊考教、尊考国の代表者にも関わらず、彼に会えたのは側近中の側近だけだから本名も分からないし、尊考哲学はどのようにして成立したのかは謎のままなんだ。」


「えっ、秘密ってそれなの?」


「そうだよ。でもねその秘密はほんの一部に過ぎないんだ。尊考というという言葉は四字熟語の尊考切欲(そんこうせつよく)という言葉の略語なんだ。尊考切欲というのは読んで字のごとく、欲を切り捨てて考えることを尊重するという意味なんだ。」


「うん....その言葉自体今は無いよね?」


「そうだね。尊考欲切という言葉は今はもうない。共和国政府が使用を禁止しているからね。」


「使用を禁止してるの?なんで?」


「それは、反省するべき歴史を称賛する事になりかねないからなんだ。美香は尊考書って聞いたことある?」


「うん、ちょっとだけ。」


「尊考書の冒頭はこう書いてあるんだ。(我々、人類最大の課題は父母の欲から生誕することにある。かつて、父母の欲から生まれることしか選択肢がない時代は許されていたであろう。しかし、遺伝工学や生物学が発展した現在、考えることによって生誕することも可能である。)とね。」


「そんなのダメだよ。個性が無くなっちゃうし、それに愛が無くなっちゃうから....人が人ではなくなっちゃうよ。」


「美香最初は誰もがそう考えていたし、木恩の人たちの多くはまさかそのような思想をもつ人たちが政権を掌握するとも、そして私たちがその危険な団体を代表者に選ぶとも考えていなかった。しかし、当時の木恩国は余裕が無かった一面もある。木恩国は地域性が強いから企業などに統治を任せる藩制度があったんだ。でもね藩制度は木恩国内の地域格差を生んでしまった。それを問題視した杉志神皇は藩制度を廃止して、中央立憲君主制が採用したんだ。それで、国会が生まれたんだけど。それまで藩を統治して成り立っていた大企業が倒産したり、それまで裕福だった地域が活気が無くなったりと問題が発生したんだ。」


「だからって、私はそんな政権絶対に選びたくないよ。」


「美香当時の人々はそれを選ばざる負えなかった事情もあるんだ。」

続く


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ