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さくらは善か悪か(仮)・輪廻篇  作者: 葉月雷音
大襲撃からの焦燥感
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091 ⛩(☴) ノリノリで撮影会

 準備がやっと終わって私が純に近付けば、純はすっかり漫画の世界にのめり込んでいたらしい。


 覗き込めば、素っ裸のレーイが主人公の少年と普通に会話をしているシーンだった。

 とはいっても決して18禁の部類ではなく、レーイがお風呂から出て来て部屋で着替えようとしたら、部屋の鍵が空いていたことで、偶然にもお風呂から出て来るのを(勝手に)部屋で待たせてもらっていた主人公と鉢合わせた、という場面。

 主人公は慌てふためいているけど、当のレーイは何がおかしいのかと疑問に感じて首を傾げているだけ。…… この意味、理解して読んでいると良いのだけども。


「お待たせ?」


 私が声をかけると、純はビクッと大きく肩を震わせたかと思えば、一瞬の間に目の前から消え、ソファーを降りて間合いをとっていた。

 それを見ていたキサキさんがケラケラと笑っている。


「…… すごい」


 が、何故か純がそんなことを言った。

 私が疑問に思って首を傾げれば、純は私の上から下まで全身を見て続ける。


「アスカが、動いている ……」

「ん? …… あぁ!」


 どうやら、純は私が漫画の中のアスカに成りきっていることに驚いたらしい。

 もっとも、アスカの動きは普段から私が行っていた仕草そのものだったし、後はウィッグを着けてセットさえすれば済む話しだったのだが、私の髪もそこそこに長いから隠すのに時間がかかっていた。


 それに比べて純は元からショートだし、髪型が似ているからウィッグではなく洗えば落ちるタイプの髪染めを使えば良い。

 セットが短時間という意味から後回しにされた、ということなのだが。


「今から純はレーイになってもらうんだから、こんなことで驚いていちゃダメよ」


 アスカの口調でそう言って純から漫画を優しく取り上げ、キサキさんの居る方に誘導する。

 それでも、純は不安そうな顔をしつつも、目だけは輝かせていた気がする。



 純の準備はものの5分で終わり、私は改めて純を見て、素直に感心していた。


「うん! どこからどう見てもレーイちゃんだわー」


 そう言って …… 嬉しさのあまり、レーイちゃんこと純に抱きついてしまう。

 元から肌が綺麗なせいか、(包帯の所為でせっかくの小顔が台無しではあったが、)化粧も薄くしかしていないようだった。


 キサキさんが頷いて撮影するセットを指す。

 見れば、セットは既に完成していた。…… いつセットしたのか解らないけど。


「じゃ、早速撮影するよー!」


 久々の劇場版だったためか、この作品だけは娘と映画館まで見に行ったらしいキサキさんも、私の行動にはどこか嬉しそうだった。


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