065 ▲ 能力大会・後半3戦目の異変② *
色んな思考が停止する中、私は必死で結界の中に入っていた。
中は悲惨な状況で、足元は攻撃によって抉られていた。
しかも、黒いオーラでお先は真っ暗。
だけど、それでも私は必死になって香穂里を探す。
「うっ ……」
心臓が凄く痛かった。
まるで黒いオーラが体内に入って来るような、全身を長い針で刺されているような感覚。
これが恐らく堕転の定義なのだと思って結界を張ったが、私の結界では完全な遮断は難しいようで、次から次へと嫌な邪念が針と一緒に流れ込んで来る。
苦しくて、足が崩れた。
それでも、私は絶対に香穂里の元に行かなくてはならないと感じていた。
人工芝生の上に這い蹲りながらも、それでも前に進む。
―― お願い! ボクを香穂里の所に行かせて!
『難儀な奴やなぁ』
不意にそんな声が聴こえて来た。
しかし、今はもう目を開くことすら出来ない。悔しくて涙が出てきている。
『今日のところは手伝ってやるから、明日以降は少し強くなる努力をせんとあかんよ』
そう言ったその人は、私に手を貸してくれたようだった。
体が持ち上げられ、前に進んでいることが解る。
『2人で強くおなり』
そう言ったその人は、不意に私の体を下に落とした。
打ち付けられて少し痛い。
しかし、その下にあった体が香穂里だとすぐに判明する。
何故かは解らなかったけど、それでも香穂里だと解った。
私は必死で香穂里にしがみ付く。
すると、不思議なことに嫌なオーラが急激に体の中から出て行くことが解った。
『そんでウチらを助けて欲しい』
そんな一言が聴こえたものの、次の瞬間にはそのまま気を失ってしまった。




