表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
241/252

241 ☉(⛩☴▲) 円の思惑(閑話)

 円は、まるで純を拒絶するかのように千尋らの元に降りて行く。

 焦った私の忠告が届く前に、円は瞳の身体を千尋から奪い取ると、そのまますぐ隣の、少し高い位置のビルに身を移していた。


『 』


 円に瞳が何かを言ったのだと思う。

 そして、円は瞳の首筋に齧り付いていた。


 純に軽く引っ張られて我に返り、私らも下に降りることにした。


 その最中にも、瞳から魔力が奪われ、円に吸収されていくことが窺える。

 ただ、瞳の術によって結界のようなモノがあったため、元から下に居た2人も近付けないでいた。


「近付ければ、呪術何て解除出来るのに……」


 千尋の一言に悩んだ後に、私は返答する。


「円の顔の模様は呪術じゃないよ」

「じゃぁ、何なのよ?」

「禁術だと思う。それも、今までは死神様から魔力を蓄える器として円が利用された分を、円自身が勝手に使ってしまったから不足していて、それで禁術のあの模様が傷となって刻まれてしまったのだと思う。悪化した禁術の傷は、そう簡単には癒せないから……多分」

「円は瞳から魔力を奪って……何をする気なのかしら」


 今度は純が質問した。

 が、流石の私にもそこまでは解らない。――ただ。


「ねぇ、紗穂里。このあたりも、その内、さっきのブラックホールみたいになるんだよね?」

「え? あぁ、うん。でも、まだ時間はあると思うが……何で?」

「禁術の代償は行動範囲が狭まること。つまりは、円もここから動けなくなる可能性がある、ということでしょ?」


 千尋が代わりに答えてくれたので頷き返す。


「だとしたら、円はもう敵では無い、ということね。私達が目指すのは遠距離に居る親玉なのだから」

「……そういうことには、なるけども」


『死神様の元には、行かせない!』


 変質した円の声が聴こえて来た。


 油断していただけに驚いて、全員揃って円を見上げる。


 良く見れば、長いスカートの下から伸ばしたタコの足のような触手で顔を隠している。

 でも、若干短くて顔まで届いていない。

 あれが円だとは思えないくらいに下半身が巨大化し、スカートから露出してしまっていた。


『こんな惨めな姿、貴方方にだけは、見られたくありませんでしたわ』


 答えた円が胸を押さえた。そして続ける。


『身体が、言うことを、聞かない……止めて、このまま、瞳を、殺したくは……!』


 支離滅裂だった。

 そんな間にも円の下半身だけが巨大化してゆく。


 この場に居ては危険と判断した私は、千尋と紗穂里の腕を引っ張って注意を引いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ