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235 ⛩(☴☉▲) 続かない時間

 楽しかった温泉から一斉に出て、すっかり冷めてしまったたこ焼きや焼きおにぎりを(再度温めて)皆で食べていた。

 互いの過去や輪廻する瞬間の思い出などを語り合いながらも、そんな過去もあったのか、そんなことがあったのか、と互いの情報を交換し合った。


 飲み物は、無料で使える自販機から好きなモノを選ぶ。

 この時にも皆で行動し、馬鹿な話をしながらも笑い合っていた。


 ――でも、こんな時間は続かない。


 ある程度は覚悟していた為か、少しだけ異なる気配を感じた瞬間に、結界でその周囲を守ってしまっていた。

 その判断は間違ってはいなかったらしい。


 が、予期していなかったことが起こった。


 崩壊の音には気付いたから結界の種類を物理耐性に変えたが、既に結界内に入り込んでしまったらしく、急速に天井が近付いて来るのが見えた。


「千尋!!」


 純が私の名を呼び、庇う。そして天井が純の背中に落ちたのか、ぐっと堪える純の声が耳元で聴こえて来た。


「風見!?」「風見さんっ?!」


 双子の驚いた声が外側で聴こえた。

 が、真上の純は私に覆いかぶさったまま動きそうにも無い。


「純……?」

「……良いよ」

「うん?」


 ボソリと聴こえた純の声に安堵しつつも、その前に何か言っただろうと思って訊ね返す。


「岸間さんも本谷さんも、純って、呼んで!!」


 答えながらも、純が勢い良くその天井の塊を押し退けていた。

 明るくなった視界は、既に外に夜が訪れていたことを教えてくれる。


 だけど、それ以上に嬉しそうな純がそこには立っていた。


 輝かしいほどの、すっきりとした笑顔。

 純が光り輝いて見える。


 それを見た私は素直に驚いていた。


「皆が揃って、皆が生きていて、皆が幸せだと思ってくれて。凄く、凄く、嬉しいの! だから、」


 純の目が襲撃者を捕えた。

 瞬間、純の顔が激変する。


「その幸せを奪おうとする人は許せない!」


 そして純が忍者の姿に変身し、その襲撃者に向かって飛んでゆく。


 しかし、それに唖然としていたのは私だけではなかったらしい。

 純の向こう側に居た双子も私と同じような表情で唖然と純を見つめていた。


 が、すぐに気を取り直す。


 若干私よりも先に動き始めた2人が同時に変身し、香穂里は空へと舞い上がっていた。

 紗穂里は私に近寄って来てくれる。


「大丈夫? 怪我はない??」

「純が守ってくれたから大丈夫だけど……」


 答えながらも周囲に結界を張っておいた。

 瞬間、見えない方の敵がその結界に弾かれているのを感じ取る。


『どうやら敵は2人みたい』


 私は、傍で不思議そうな顔をする紗穂里にそう伝えていた。


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