209 ▲ 一方、その頃
何とかクリアした次に出された条件は、何故か例の図書館に居る子猿から出してもらえるらしい。
故に、私は数ヶ月ぶりになるだろう懐かしい図書館に足を踏み入れていた。
途端に子猿が降ってくる。
子猿も嬉しいのか、私に頬擦りしてきてくれた。
しばらく互いに喜びを分かち合った後、私は真面目な表情で子猿を見つめた。
子猿も解っていたのか、頷いてから答えてくれる。
『条件は、天界での地神の記憶を思い出すこと』
私は目を丸くしていた。
『どうやって? そもそも、思い出すって言っても……』
『確かに、今君が大きな方の核を持っていないことは僕も知っているよ。でも、核同士が記憶を全く共有していない訳ではない。少なくても、炎神や風神のように思い出せることはあるはずだよ』
『でも、それだとどこまで思い出せればクリアなのか、解らないような……?』
『その中の一部分に、最低でも思い出して欲しいことがある』
子猿の答えに私は黙り込んだ。
風見さんや香穂里が思い出せたのに、私だけが未だに思い出せていないことがあるのかもしれない。
いつかはその会話をしなければならなくて、こうして条件として課されているのかもしれない。
不確定事項ばかりで嫌だったが、私が知らなければ確定事項が言えないのだから仕方ない。
――何ていう呪いをかけてくれたのだ、"世界の加護" とやらは。




