206 ⛩ 凶夢④
時折、眠っているかのような感覚で、私の中に違う光景が流れ込んで来ていた。
一方的に痛みを与えられ、核を壊され、
――本来なら殺されているはず、
――なのに、何者かに治されて生き返る。
それは、苦痛の輪廻だった。
私の世界に勝手に入って来て、勝手に暴れて去ってゆく。
理不尽な奴らを壊したくて、何度も檻の外へと飛び出した。
でも、最終的には連れ戻される。
そんな日々が続いたある日、自分の中に宿る力に気付かされた。
その力を軽く使っただけなのに、あっさりと奴らは同士打ちを始めた。
愉快な気持ちとは裏腹に、物足りないと思う自分が居た。
もっと奴らを壊したい。
そう思うようになっていた。
そう思っていたのは私ではなかったはずなのに、いつしかそう思い込むようになっていた私。
ただただ、我に返ることもなく破壊を続けていた。
なのに、どうしてなのかは解らない。
どこかでそんな自分を笑う自分が居た。
所詮、建物の破壊など子供がやることだ、と。
『違う……これも、違う!! 本当に壊したいモノじゃない!!』
私は叫び、暴れる。
焦って沢山のモノを壊してみても、本当に壊したいモノは見つけられなかった。
そのことで、やっと我に返ることが出来ていた。
私が壊したいのは "奴ら"。
でも、その "奴ら" がどんな存在だったのか、どんな顔をしていたのか、全くと言って良いほど何一つ思い出せなかった。
そのことに苛立ちを感じ、私は地団太を踏む。
――でも、そんな "私" のことすら、客観的に見つめる私が居た。
「どれが本当の "私" なの?」
もちろん、その問いにイエスと答える "私" 達。




