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189 ▲(☴☉) 三人寄れば文殊の知恵

「なるほどね」


 不意に香穂里がそう言って私を指した。


「さっきの私の核に不足していた部分が解ったわ」

「え、何?」

「紗穂里の持つ炎神(わたし)の核――もしかしたら戻って来ているんじゃない?」


 その発言に驚きつつも、私は自分の中にある核の存在を確認していた。

 が、前にあったはずの場所には何も無い。


「無さそう……なのだが……」

「……本当に?」


 そう言った香穂里が私の体をまさぐり始めたので、驚いて思わず距離を置いていた。

 その間にも、何故か風見さんが私の背後に回っている。


「っ?!」


 あっさりと神技を使う2人を相手に逃げ惑う私は、何とも情けない光景だったかもしれない。


 でも、くすぐったいのは御免だ。

 そもそも、私から抱きつくのは有りでも、他人から体を触れられることだけは嫌だった。


 途中で飽きたのか、香穂里が疲れた様子で立ち止まって溜め息をついている。

 それを見た風見さんも足を止めてくれた。


「こんなところで遊んでいても意味はない、か……」

「……解ってくれて助かるデショ」

「今のは、遊びだったの?」


 風見さんの一言には、流石に私も溜め息をついてしまっていた。


 ――本当にこの人、純粋過ぎて怖い!


「手に入る限りで……ということは、この学園の中にボク達の核がある、ということではないかと思ったのだが……」


 そう言って私は風見さんを見た。

 風見さんは首を捻っている。


「そうだとすれば、いつ保管したのかしら?」

「そう……なのだよ。核の記憶にも残らないなんてこと、あると思う?」

「まだ思い出せていないだけじゃない?」


 香穂里は答えながらも大きな溜め息をついていた。


「可能性があるとすれば、時計台の下だと思う。そこには学園の結界を作っている大元がある、と入学前の説明会でウワサを耳にしたわ」


 風見さんの答えに香穂里は頷いた。


「そうね。確かあそこは霊穴……魔力を蓄えるのに丁度良い場所になっていて、そこにこの学園を守る為の結界の術式を組んだ巨大な魔法石がある、と親族から聞いたことがあるわ。その建物と周辺一体は、大切なモノを封印する為に使う、とも言っていた気がするのよね」

「じゃぁ、行ってみようよ!」


 私の一言で香穂里があっち、と時計台を指してくれていた。


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