151 ☴▲ 地獄の始まり(閑話)
どちらも短いので2視点より。
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☴(⛩) 視点
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遊園地から数日が流れた。
―― が、その間は何も起こらなかった。
千尋の神社から家族がやって来る頻度も少なくなっていたためか、千尋が異常なほど過敏になってしまっていた。少しの物音でもビックリして飛び上がってしまうほど、日々悪化している。
夜もずっと家の柱に寄り掛かったままで、横になろうとしていない。しかも、周囲に黒い気がはみ出している。
そのためか、堕転も近いのかもしれないと、どこかで覚悟する私が居た。
千尋が、水神が堕転をしたらどうなるのだろうか。
やはり一国が消えた時のように、この国も消えてしまうのではないか。
それは嫌だったが、しかし、それで千尋が楽になるのであればそれでも良い。
…… そう思ってしまう自分も、既に堕転が始まっているのではないかと思わなくもなかった。
そう思い始めて、更に数日が過ぎた。
もう、食事すらまともに食べられなくなっていた。
いや……そもそも、食事を持って来てもらえているのか、千尋がどうしているのか、今がいつなのかさえも、よく解らなくなっていた。
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▲(☉) 視点
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遊園地から1週間も経っているというのに、あの日以降、香穂里がほぼ寝たきりになってしまっていた。
堕転の心配は無いと母親に言われたものの、心配で私が香穂里の傍から離れられなくなっていた。
そしてあの日から聴こえて来る、嫌な音。
―― 新東都タワーの上部に来なさい。そこで属性神の死が待っている。
「うっ……」
その言葉が聴こえ、吐き気がした。
否、実際に吐いてしまっていた。
咳込む私に気付いた母親が飛んでやって来る。
そして、私のその汚物を迅速に処理してくれていた。
今頃、あの2人はどうしているだろう。
同じこの音が聴こえているのだろうか。
又は、もう既に向かってしまっているのだろうか。
どちらにしても、その場所に行っても行かなくても私達は何れ死ぬことになるのかもしれない、とさえ思い始めてはいた。




