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さくらは善か悪か(仮)・輪廻篇  作者: 葉月雷音
大襲撃からの焦燥感
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115 ⛩(☴) 敵襲

 純が目の前で消えて、すぐだっただろうか。

 街を守っているはずの結界に穴が開けられていることに気付かされた。


 でも、純は恐らく境界とやらを発見して独りで行ってしまっているのだろうと思い、私は純を守る為にも、気配を極端に薄くして様子を窺っていることしか出来なかった。


『みぃつけたっ!!』


 不気味な声が頭上からしてすぐに、私はその場から表側に飛び出していた。


 すぐ背後で爆弾のような音が響いている。

 間一髪だったのか、少し返り見れば自慢の長い髪がはらりと舞っていた。


『誰っ?!』

『遊びにきてあげたのにぃ、そんなこと言っちゃうんだぁ?!』


 ウフフ、アハハと狂気に狂いながらも、見えない相手は私に攻撃を仕掛けて来ていた。

 何とかその笑い声のお陰で居場所が解り、攻撃はギリギリで避けているものの、反撃しても手応えは無い。


『アハ……楽しぃ……楽しいいぃぃぃっ!!』


 狂ってやがる!!と思いながらも必死で攻撃を避ける。


 恐らく、狙いは純。

 その純と一緒に居た私が狙われているのは、手帳の手掛かりを少しでも吐かせる為。


 だから殺される恐れはないと思いながらも、手加減なしに放たれる見えない敵からの攻撃に危機感は抱いている。


『殺したい……殺して、私がぁ水神になるのぉ!!』

「っ?!」


 巨大な弾を一瞬にして完成させ、私の周囲諸共、吹き飛ばそうとこちらに放って来る。

 それを上空に避けたものの、第二派がその上空にも放たれていた。


 私の体が吹き飛び、宙を舞う。

 そして、やがて地面に背中から叩きつけられていた。


 結界で衝撃は抑えたものの、痛いことには大差無い。


『(今の発言……相手は偽物の水神か!)』


 かなり前に純から聞いていたことを思い出しながらも、私は考えをまとめて改めた。


 相手が水属性ならば、確かに水神の核を入手して取り込んでしまえば水神になることは出来る。水属性何て、希少な雷に比べたらありふれた属性だから、私の代理は簡単に手に入ったということだろうか。

 しかし、そう考えれば私の存在は不要になる。


 攻撃を避けながらも、背後には細心の注意を計る。

 このまま道路上に居ても状況を把握出来ないと思い、屋根の上に飛び退いて見る。


 すると、通行人だろうか。道路上に何人もの老人が倒れていた。


『神以外の存在は、不要!!』


 相手はそう言いながら屋根を吹き飛ばす。


 留守にしている所為か、家の中から気配はしない。だから安心して家を盾にして身を隠す。

 少しでも現状を理解する時間を稼ぎたかった。


『絶対の神は、死神様だけぇ!!』


 しかし、家は瞬時にして吹っ飛ばされてしまった。

 丸裸になった私の前に相手の気配がある。


 これ以上、距離を空けたら純を呼べない。

 一か八か、私はありったけの魔力を込めてその名を呼ぶ。


『死ねぇええぇぇえええ!!』

「戻って来て、風見 純!!」


 私が叫んだのとほぼ同時に、相手のすぐ背後に純が現れた。

 が、瞬時に理解したらしい純が風神の神器・指輪を短刀に変形させて、見えない相手に一撃を加えてくれている。


 相手の腹部から血が流れ出し、やがて隠せなくなったのか蒼色の鬼面が姿を現した。


『うあああああぁぁぁぁぁぁっ?!』


 情けない声を上げて蒼色の鬼面が私達から距離を置く。


『来るなぁ……来るなああぁぁぁっ!!』


 先程とは異なって無造作に放った攻撃が私達の両脇を通り抜けてゆく。

 すると、その蒼色の鬼面の脇に、同じような形をした紅色の鬼面が現れた。


『帰りますわよ』


 紅色の鬼面はそう言って蒼色の鬼面の手を握った。

 何故か発狂し続けていた蒼色の鬼面だったが、紅色の鬼面のその行動で落ち着いたのか、急激に静かになる。


『目的は?』

『達成したわ』


 そう返答したかと思えば、2人は一瞬にして目の前から去ってくれていた。

 気配すら残ってはいない。


 だけど手帳を奪われてしまったのなら、私達は無駄足だったということになる。

 家の方も気になる。


『大丈夫よ』


 不意に純がそう言いながら紅色の鬼面のように私の手を握って来た。

 やっと安心して息を吐き出す。


『私の手帳は確かに燃やされてしまったわ。でも、大切なことは神器に読み取らせたから理解もしているし、もう1冊はきちんと胸元に残っているから』

『2冊あったということ?』

『えぇ。でも、お陰で全てを思い出せたわ』


 純はそう答えて私に笑顔を見せてくれた。


『まずは寝ている皆を助けなくてはならないのだけど……これは何の術式なのかしら?』


 かなり冷静に分析をしている純に対して、先程の敵よりも純の方が末恐ろしく感じていた。


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